• "議会"(/)
ツイート シェア
  1. 大田区議会 2011-09-16
    平成23年 第3回 定例会−09月16日-02号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成23年 第3回 定例会−09月16日-02号平成23年 第3回 定例会 平成23年第3回定例会 大田区議会会議録 第12号 9月16日(金曜日)  出席議員(50名)   1 番 田中一吉       2 番 水井達興       3 番 松原秀典   4 番 高瀬三徳       5 番 安藤 充       6 番 岸田哲治   7 番 大森昭彦       8 番 松原茂登樹      9 番 伊藤和弘   10 番 塩野目正樹      11 番 押見隆太       12 番 鈴木隆之   13 番 海老澤圭介      14 番 伊佐治 剛      15 番 深川幹祐   16 番 長野元祐       17 番 飯田 茂       18 番 冨田俊一   19 番 清波貞子       20 番 松本洋之       21 番 丸山かよ   22 番 岡元由美       23 番 勝亦 聡       24 番 広川恵美子   25 番 秋成 靖       26 番 玉川英俊       27 番 田村英樹   28 番 大橋武司       29 番 山崎勝広       30 番 黒川 仁   31 番 森  愛       32 番 津田智紀       33 番 岡 高志   34 番 馬橋靖世       35 番 荒木秀樹       36 番 野呂恵子   37 番 犬伏秀一       38 番 奈須利江       39 番 北澤潤子   40 番 柳瀬吉助       41 番 沼田秀弘       42 番 福井亮二   43 番 佐藤 伸       44 番 清水菊美       45 番 黒沼良光   46 番 金子悦子       47 番 菅谷郁恵       48 番 和田正子
      49 番 藤原幸雄       50 番 大竹辰治                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           野田 隆                         経営管理部長   副区長           遠藤 久    区長室長兼務        津村正純   総務担当部長   空港担当部長兼務      杉坂克彦    地域振興部長        勢古勝紀   地域力・国際都市担当部長  清水耕次    防災・危機管理担当部長   宇佐見 衛   区民部長          佐藤喜美男   産業経済部長        伊東博巳   福祉部長          安元祐一郎   高齢福祉担当部長      伊藤勝康   生活福祉担当部長      石塚春好    保健所長          永井 惠   保健所次長         深山 徹    こども家庭部長       筒井健治   まちづくり推進部長     太田誠一    再開発担当部長       杉村克之   都市基盤整備部長      赤阪英夫    都市基盤施設担当部長    河野秀夫   連続立体事業本部長     佐々木茂樹   環境清掃部長        下遠野 茂   会計管理者         竹村一也    経営管理部総務課長     荒井昭二   経営管理部企画財政課長事務取扱   経営管理部参事       鴨志田 隆   教育長           清水 繁                         教育地域力・スポーツ振興担当部長   教育総務部長        金子武史                  佐藤一義   教育総務部教育総務課長   松本秀男    代表監査委員        森  透   監査事務局長        菊地宏明                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       須藤常好         副参事(議会制度調査担当)   中澤 昇   議事担当係長   山中秀一         議事担当係長          近藤信之 議事日程第2号  平成23年9月16日  午前10時開議  第1   第 58 号議案 平成23年度大田区一般会計補正予算(第3次)   第 59 号議案 平成23年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)   第 60 号議案 平成23年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)   第 61 号議案 大田区特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例   第 69 号議案 八幡橋架替工事(その2下部工)請負契約について   第 70 号議案 八幡橋架替工事(その3上部工)請負契約について   第 71 号議案 大田区立森が崎保育園改築工事請負契約について   第 72 号議案 大田区立矢口東小学校プール改築その他工事請負契約について   第 73 号議案 八幡橋架替工事(その1下部工)請負契約の変更について   報告第 22 号 平成22年度健全化判断比率の状況について   報告第 23 号 八幡橋架替工事(その1下部工)請負契約の専決処分の報告について   報告第 24 号 大田区立羽田中学校プール改築並びに体育館及び校舎(棟番号O)取りこわし工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 25 号 大田区立羽田中学校校舎取りこわし工事請負契約の専決処分の報告について  第2   第 62 号議案 大田区立区民センター条例の一部を改正する条例   第 63 号議案 大田区特別区税条例等の一部を改正する条例  第3   第 64 号議案 大田区立シルバーピア条例の一部を改正する条例   第 74 号議案 建物明渡し等の請求に関する民事訴訟の提起について   第 75 号議案 土地の収用に係る和解について   第 76 号議案 土地の収用に係る和解について  第4   第 65 号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例   第 66 号議案 大田区立学校校外施設設置条例の一部を改正する条例   第 67 号議案 大田区スポーツ振興審議会条例の一部を改正する条例  第5   第 77 号議案 土地及び建物の処分について   第 78 号議案 土地の収用に係る和解について  第6   第 68 号議案 大田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例  第7   第 53 号議案 平成22年度大田区一般会計歳入歳出決算   第 54 号議案 平成22年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算   第 55 号議案 平成22年度大田区老人保健医療特別会計歳入歳出決算   第 56 号議案 平成22年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算   第 57 号議案 平成22年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算  第8   議員提出第 6 号議案 大田区高齢者の医療費の助成に関する条例  第9   北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について  第10   23第74号 米軍の横田空域の一部返還およびD滑走路供用開始による航空機騒音に関する陳情  第11   23第71号 防災倉庫設置に関する陳情   23第88号 区指定の災害時避難所施設に太陽光発電システムの設置を求める陳情                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○冨田 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまより本日の会議を開きます。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○冨田 副議長 これより昨日に引き続き質問を行います。  まず、25番秋成 靖議員。                  〔25番秋成 靖議員登壇〕(拍手) ◆25番(秋成靖 議員) 皆さん、おはようございます。大田区議会公明党の秋成靖です。初登庁の日から143日、毎日が新しい発見と驚きの連続でございます。日々の区民相談で区民の皆様からお聞きした相談内容、ご要望をもとに、質問通告に従い、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  まず初めに、高齢者対策として、足腰が弱くなられてきた高齢者の皆さんが、まちの中で座ることができるいすやベンチについてです。  現在大田区では、商店街コミュニティ活性化事業により補助をいただきながら、商店街の中にお休み処が設置され、その数は平成21年からこの事業がスタートしてから既に5か所の商店街に設置がされました。私の家の近所の日の出銀座商店街でも小さなお子さんから高齢者の皆さんまで、数多くの方が幅広いご利用の仕方で地域のコミュニケーションの場として愛用されている状況を拝見しています。そのような中で、ある地域の高齢者の方からいただいたご意見では、住まいから商店街までの距離が遠く、道中で腰をおろして一休みしないと買い物に行けないとのこと。商店街への道中で、一つでも二つでも腰をおろせるベンチかいすを区でつくっていただけないものでしょうかというご要望でした。  私自身、区内商店街の小さな商店の家に生まれ、生まれたときから商店街の中で育ちました。商店街のあらゆるところでご婦人の方が長い時間おしゃべりをしていた姿は今でも鮮明に思い出すことができます。当時は数十分、数時間とよくあのような長い時間お話しができるなと思いましたが、今考えればあの街角でのおしゃべりがストレスの発散にもなり、ご婦人の皆さんの元気の源でもあるのかと感じております。しかし、今のコンビニエンスストアやスーパーなどはどうでしょうか。ゆっくりと立ちどまって話ができるスペースや余裕すらございません。  加齢により、足腰が少しずつ弱くなられてきた高齢者の皆さんがいつまでもいきいきと外出ができ、お一人でも地元の商店街に歩いて買い物に出て行ける、おおた未来プラン10年の中にも、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちをつくるとあります。これから上昇し続ける高齢化率に対して、介護予防の観点からも外出の途中で、また買い物をする商店街までの道中や、さらには高齢者が通われている福祉施設と近隣駅の道中などで腰をおろし、一休みができる場所、ベンチかいすが必要ではないかと考えます。  大田区ユニバーサルデザインのまちづくり基本方針の将来のまちなかでのイメージとして、だれもが楽しく安心して快適に買い物ができ、買い物の間に一休みすることができる環境が整っているとあり、公園や緑地を対象としたメッセージベンチ整備事業については、既にその事業が開始されております。  そこでお伺いします。このメッセージベンチ事業が始まってからの申し込み、設置状況はいかがでしょうか。そして、この事業から発展した形で、区内の公道上やバス停留所などにベンチやいすが設置いただける可能性はあるものでしょうか。商店街のお休み処事業、公園緑地のメッセージベンチ整備事業に加えまして、高齢者がまちの中で腰をおろし、一休みができるベンチかいすにつきまして、現在の厳しい財政状況の中ではありますが、設置を強くお願いするとともに、高齢者に優しい大田区のさらなる構築のため、これから更新の時期を迎える都市基盤整備の中に組み入れていただくことを要望いたします。大田区のお考えをお聞かせください。  続きまして、今月の防災の日を迎え、東日本大震災以降、耳にすることが多くなりました防災に対する自助と共助についてです。  今月1日の防災の日、大田区では防災対策シンポジウムを開催し、東松島市からおいでいただいた大友市民生活部長からの基調講演と、行政機関の皆さんによるシンポジウムを拝聴いたしました。2時間半の短い時間ではございましたが、大変に内容の濃い防災のつどいでありました。3月11日、東日本大震災以降、人的な支援、物資の支援を継続してきた大田区に対して御礼の言葉とともに、外から来ていただいた皆さんから、みずからのことのように「何でも言ってください」と声をかけていただき支えられていますとお話がありました。ご講演では、78年の宮城県沖地震、2003年の宮城県北部連続地震を被災されながら、それぞれを乗り越えてこられた中での今回の大震災だったこと、また今回の大震災は市のOB職員の方が現場で活躍をされたことや、現役職員の方がご遺体の収容などの作業に当たられたことなどもご紹介いただきました。現場で指揮をとっている大友市民生活部長のご講演は、非常に内容の濃いものでした。今後の大田区の防災力強化に当たり、講演内容からどのような点を取り入れていくべきか、お考えをお聞かせください。  シンポジウムの最後の質疑の場面では、荒木議員からの大田区で何が必要かとの質問に対し、大友部長が特に大事なこととして挙げられていたのが、被災して逃げるときの持ち物として最低3日間の衣服、食事、また小さなお子さんがいる場合はミルクも必要だとおっしゃられました。実際に被災をされ、多くの被災者の方を間近で見てこられた方の言葉として深く心に残りました。そして、大田区と東松島市の共通点として、木造住宅が多いことや、航空基地ではありますが、空港を抱えていることなどを例に挙げながら、区民が自助と共助について認識することが必要ですとお答えいただきました。3月11日、大震災以降、商店街の店舗から大きなスーパーに至るまで、食料品、水、紙製品、懐中電灯や電池までありとあらゆる物が店頭からすべて売り切れ、なくなるという事態になりました。品物が全くなくなった店舗の棚を見たときに、ふだんの生活の中で震災時の最低限の備えをしておけばよかったと、このときほど思ったことはありませんでした。  そこでお伺いします。3月11日以降、様々な被災の状況から、新たに必要となってきた公助、共助、自助があると思います。その中で、きょう、あすにも起こる可能性のある震災に対しまして、現段階で大田区民が個人レベルで備えるべき必要最低限の自助について、大田区のお考えをお聞かせください。  続きまして、共助についてですが、区内の各自治会・町会では、防災市民組織等が区の助成によりまして、様々な種類の防災資機材を支給いただいております。そして、助成金の交付により、印刷物による啓蒙活動、防災訓練、消火訓練の実施、さらには災害時要援護者の支援の準備も可能となりました。このような共助の備えにつきましては、3・11の大震災以降、区民の皆さんの考え方も大きく変わってきたと思われます。避難所まで避難することができず、マンションの一角のような避難場所以外での場所で避難生活を送られている方に救援物資が届かず、非常に困っているというニュースも数多く耳にしました。  私の近隣の町会では、被災時に学校避難所まで到達できない、避難が到底困難であるという設定のもと防災訓練を行っているところがあります。学校避難所までの道路が震災により転倒した電柱や倒壊した家屋などの障害物で埋まり、歩行が困難である状況で、車いすやつえをお使いの高齢者の方などの災害弱者の皆さんを、あえて危険な状況下で避難させるわけにはいかないとの思いからの訓練だったそうです。地元の複数の公園で老若男女あらゆる年代の人たちの知恵を結集しながら、食料の自炊には何が必要か、けがをした人の手当てや搬送はどうしたらよいかなどの一時避難所としての訓練内容も参加者おのおのが意見を出し合い決めたそうです。その結果、今までの共助のための備えのほかに多くの資機材が必要となってきたと伺いました。  そこで町会では、びん・かん、古紙などリサイクルの活動を通しての収益、補助金などを使いながら、非常時、有事への共助の備えを少しずつ増やしていると伺いました。現在の非常に厳しい財政状況のもとでありますので、助成額を増額してほしいとのお願いではございませんが、これからも増えてくるであろうと想定される共助のための様々な資機材について、現在の倉庫や町会会館に入り切らなくなった部分につきましては、現在の防災倉庫を置かせていただいている区の公園につきまして、一公園一倉庫の大原則を緩和すべきと思いますが、区のお考えをお聞かせください。  また、共助の一つでもある大田区と各種団体、協力団体との防災協定についてですが、本年度各種団体からの要望や状況をお伺いする中で、大田区と結んだ防災協定について、被災時に支援する内容を明確に認識されている団体と、協定を結んだけれども具体的な動きがよくわからないという団体とがありました。発災時の具体的行動が示されていない状況では、協定はあってもその一部が机上の空論になってしまいかねません。せっかくの協定を活かすためにも、より一層の具体化が必要だと思います。3・11の大震災を受けまして、防災協定、相互応援協力を結ばれている協定団体との具体的な内容について、これからどのように個々に詰めていかれるのか、区のお考えを教えてください。  続きまして、区民との協働につきまして、被災地、東松島市への支援活動と、ボランティアに参加いただいた方との大田区のこれからの関係についてです。
     7月19日に被災地における大田区と東松島市との相互応援に関する協定が締結されましたが、その両自治体、相互の信頼関係を構築する大きな一因となりました大田区方式の被災地支援ボランティア、開始から8月の末まで合計37回、890名、延べ2218名の区民の方、区内在勤の方、区の職員の皆さんが参加されていると伺いました。私も、今回の震災を迎えた後、しばらくの間、何の支援のお手伝いもできない状況にやきもきしておりましたが、ようやく8月に被災地支援へ参加をさせていただきました。引率いただいた被災地支援ボランティア調整センターのスタッフの方、そして参加をされたボランティアの方、お一人おひとりから4日間寝食をともにしながらお話を伺う中で、皆さんが持たれている被災地への思い、これからの防災に対する意識の高さには心より敬服をいたしました。参加者の方から意見として多数上がっていたのは、現地の皆さんから本当に喜ばれているこの被災地ボランティアを、参加者拡大のためにもっともっと区民へ向けてPRするべきであるという内容でした。東松島市に対して継続的な支援を行うためにも、区民の自発的なボランティア活動への参加が進むよう、区としてもPRの強化などを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  昨日、松原区長の開会挨拶の中でもご紹介のありました、区内製造業者の方の製作による土のうスタンドについても実際に使用することができました。ふだんなかなかさわる機会がないスコップを使っての少しかたくなってしまった粘土のような汚泥のすくい方や、メイドイン大田区の土のうスタンドにセットした土のう袋の縛り方については、ボランティア経験のある皆さんから新米ボランティアへの指導、助言によりすぐに習得することができました。この土のうスタンドの使用につきましては、区内の各自治会・町会の防災訓練でも、ぜひ訓練内容の中に入れるべきではないかと感じました。  炎天下の作業で見てのとおり文化系の私は、高校のとき以来の運動量と汗に息を切らしていたのですが、参加者の中には東松島への出発に向けて数週間をかけて身体を鍛え直したという方もいらっしゃいました。皆さんの支援に臨む姿勢に心を強く打たれました。毎年の防災訓練の際にいただいているアルファ化米については、これまでは町会の方がつくってくださったものを、訓練の後お土産でいただくということしかなかったのですが、今回の宿泊所では参加者全員で、お米が乾燥した状態からワカメをまぜ、お湯を注いでつくるという経験ができました。また、ふだんやり慣れていないのですが、イベント用の大きなテントを立てるという場面では、多くの方が初めての経験だと言いながら経験者の指示のもと作業することができました。そこで感じたのは、この東松島でのボランティアとしての経験は個人としても本当に貴重な経験ではありますが、大田区全体として見たときに、区としての大きな財産になるのではないかと感じました。この先、直下型の地震など、大田区が被災をしたという非常時には、区内217自治会・町会、地元の被災現場で、ボランティアで様々な経験を積まれた皆さんの力が必ずや活かされるであろうと思います。  そこでお伺いします。これから先、被災地からのニーズにより、ボランティアの内容や形態が変化していくこともあるかと思いますが、これまで参加いただいたボランティアの皆さんが被災地での経験を活かし、地域防災力の担い手になっていただくためのこれからの区のお考え、方向性をお示しください。  東松島での活動最終日、私たちの後のグループの中に、どこかで見た防災服を着用し、首にタオルを巻き、ボランティアに参加されていた野田副区長をお見かけしたときには、知っている方と久しぶりにお会いでき安堵したと同時に、数多くの大田区の職員の方が同じように長期にわたり区内在住、在勤の皆さんとともに活動されてきた状況に感服いたしました。  最後になりますが、多くの方がお亡くなりになられました老人ホーム不老園や、野蒜小学校に伺ったときには本当にショックで、しばらくの時間言葉を失いました。しかし、大田区からの支援により心から喜んでくださる東松島市の皆さんの感謝の気持ちに触れたときに、被災地の復旧、復興の大きな一助となっているこの支援事業を一日でも長く継続していく必要性を強く感じました。大田区方式の被災地支援ボランティアのこれからのますますのご発展と、参加者の皆さんの無事故をご祈念し、私の質問を終了いたします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○冨田 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎清水 地域力・国際都市担当部長 東松島でのボランティア活動への参加が進むようPRの強化等を行うべきというご質問についてお答えいたします。  区では、被災地支援ボランティア調整センターの活動を広く周知し、多くのボランティアに参加していただくため、PR活動に努めてまいりました。具体的には、大田区ホームページや区報を利用するほか、被災地支援ニュースを4月から毎月発行しております。また、様々なメディアを利用してPRもしております。4月以降、ボランティア調整センターの活動が記事になりましたのは、新聞では19回、テレビでは2回放映されております。また、大田ケーブルテレビではたびたび取り上げていただいております。引き続き区報等の情報発信ツールを利用するほか、先駆的な支援や事業を中心に積極的にメディアに提供してまいります。  次に、ボランティアの皆さんが地域防災力の担い手になるための区の考え方、方向性についてのご質問です。議員ご指摘のとおり、890名の被災地支援ボランティアがいるということは、大田区の大きな財産と考えますし、今後地域防災力の担い手になっていただけるものと大いに期待しているところでございます。区としましては、被災現場の活動を通して学んだ皆さんに防災講座への参加を勧め、知識をさらに深め興味を持っていただきたいと考えております。また、地域で防災活動を希望する方には、団体の紹介も考えております。さらに、今後災害でボランティアが必要なときは速やかに出動できるような仕組みやネットワークづくりに取り組みたいと考えております。私からは以上でございます。 ◎宇佐見 防災・危機管理担当部長 私からは、先日の防災シンポジウムでの講演を区の防災力強化にどのような点を取り入れていくのかというご質問についてお答えいたします。  大友部長さんは被災地の現状を率直にお話しされ、そのご苦労がしのばれました。まず被災当初には、ライフラインが使えず、被災状況を確認することも困難で、ひたすら防災無線を使って情報を提供した。それから少し時間がたちますと、各地からのボランティア、自治体職員、支援物資の受け入れ方法、それから遺体の埋葬、瓦れき処理といった仕事が発生し、半年たった今は復興計画の策定やその実施に取り組んでいるというような話でありました。行政の立場からしますと、正確で速やかな情報伝達のあり方でありますとか、マンパワーの引き出し方、計画上は少し手薄な遺体の埋葬、瓦れき処理といった仕事への取り組み方等々、多くの示唆をいただきました。しかし、私が一番印象に残ったのは、災害対策として、自助、共助、公助の役割分担と連携で被害を軽減していくというお話でありました。個人にしても、組織にしても、当事者意識を持って防災対策に当たっていただくということが防災力強化の要であると私は思っております。そういうふうにするには、どういうふうに機運を盛り上げていったらいいかということを考えさせられたということでございます。  それから、災害時に個人が備える自助に関するご質問でありますけれども、自助というのは、自分の命は自分で守るという考え方、それをしっかり持つということが基本だと思っております。その上で、自分が被災したときに、共助である地域の支援、それから行政の支援、これが期待できない中で3日間生き抜いていく、そういう自分自身の取り組みというのは考えられると思っております。自助の最大のポイントは自宅で死なない、けがをしないということです。そのためには、耐震強度を上げるとか、あるいは家具の固定をするとか、家族構成に合わせた備品や非常持ち出し品の備えをするといったような具体的なことが出てくると思います。そういった事柄につきましては、私どももパンフレット等を配布しておりますので、ぜひご覧いただきたいと思っております。  最後に、防災協定、相互応援協定の見直しに関するご質問でありますけれども、現在51の協定を締結しております。その中には締結から長期間経過している協定もありますし、締結当時の内容のままで時代にそぐわなくなったもの、あるいは内容について見直すべきもの、そういったものを今回もう1度見直しまして、確認をしたところでございます。現在改定に向けて準備を進めているというところでございます。順次、各協力協定の内容を見直しまして、内容の改定が必要な協定につきましては、各協定団体、協定の内容と分掌事項がかかわる部署とともに協定の改定に向けて作業を進めてまいりたいと考えております。また、今回の大震災の経験を踏まえて、新たな防災協定の締結にも努めてまいりたいと思っております。私からは以上であります。 ◎河野 都市基盤施設担当部長 私からは、メッセージベンチ事業の申し込み状況と公道上の設置の可能性につきましてお答えさせていただきます。  この事業は、区民の皆様から寄附していただいたベンチを公園や緑地に設置するもので、ベンチには寄附者のメッセージを記念プレートとして取りつけます。このような取り組みによりまして、公園に親しみを感じていただくとともに、憩いの場、魅力ある公園緑地を目指しております。本年7月から募集を開始し、9月1日現在、2件、10基の寄附申し込みをいただいております。今年度は設置場所を14の公園にしておりますけれども、今後は設置状況の検証とともに、皆様のご要望や設置条件などの調整を行いながら、他の公園や幅の広い歩道、駅前広場などに設置できるかどうか、その可能性について多角的に検討していきたいと思います。  次に、高齢者の方々がまちの中で腰をおろし、一休みできるベンチを設置できないかというご質問ですけれども、これからのまちづくりや都市基盤の整備には、障がいの有無、年齢、性別、国籍などにかかわらず、だれもが利用しやすいユニバーサルデザインの視点を取り入れた考えが必要になります。高齢者をはじめ、だれもがまちの中で一休みできるベンチの設置につきましては、歩行者空間の整備や散策路の整備及び公園のリニューアル等を進めていく中で、地域の皆様との地元説明会等を通しましてご理解とご協力をいただきながら、今後検討してまいりたいと思います。  続きまして、区の公園における町会の防災資機材倉庫について、一公園一倉庫という大原則を緩和できないかというご質問ですけれども、都市公園におきましては、公園施設として設けられる建築物の建築面積について上限が定められております。区立公園への自治会・町会の防災資機材倉庫につきましては、この法律で定める面積基準を満たすとともに、公園本来の用途を妨げない範囲で設置をしていただくため、要綱を制定し、公園面積に応じた設置面積と、一つの自治町会につき一棟まで設置できる旨を定めております。このたびの大震災を受けまして、住民の皆様の災害に対する意識が高まっていることを考慮しまして、公園の本来目的を阻害しない範囲で、法令を遵守しながら要綱の見直しが図れるかどうか検討してまいりたいと思います。以上です。 ○冨田 副議長 次に、24番広川恵美子議員。                  〔24番広川恵美子議員登壇〕(拍手) ◆24番(広川恵美子 議員) 大田区議会公明党の広川恵美子でございます。通告に従いまして、質問をさせていただきます。  本年の8月31日現在、大田区には100歳以上の方が285人もおられるそうです。敬老の日を迎えるに当たり、心より長寿のお喜びを申し上げます。その反面、大田区内で特別養護老人ホームの入所待機者が1600人強もおられることも事実です。大田区の財政がいかに厳しい状況とはいえ、こうした方々が安心して生活できるような早急の対策が待ち望まれるところです。これからも最大限の努力をしていただくようお願いいたします。その上で、今後の高齢化の推移予測を見ると、2015年には65歳以上の人口が全国で3000万人を超え、2055年には現役世代1.3人で高齢者1人を支えなければならないほどの超高齢化社会になると予測されています。突き進む高齢化の流れの中で、これまで以上の対策の必要性が高まっています。国の介護保険施策も、介護予防に力を入れるようなかじ取りをしており、大田区で実践している、いきいき公園の健康体操もその取り組みの一つとして現在2か所で行われ、参加者には好評のようです。今後も拡大の予定と伺っておりますので、たくさんの方に参加していただいて、できる限り楽しく元気に長生きできるよう大いに期待をしています。  当選以来、先進的なデイサービスや介護予防に取り組む施設や自治体を何箇所か視察をさせていただきました。成果を上げているところに共通したポイントは、利用者の方の自主性を引き出すことと、一緒に励む仲間づくりに成功しているということではないかと感じました。高齢化が進んでいるとはいっても、ほとんどの方はお元気ですし、多くの方が健康に人生を謳歌できることを望んでおられます。今後、10年先、20年先、まさに私自身がこうした年代になるわけですが、そのときに元気に生きがいを持って住み慣れた地域で長生きをしていくためには、早い段階から介護予防の意識を持つことが大切だと実感しているところです。しかし、今後の財政状況が不透明な中、大きな財源をつぎ込んだ施策を講じることは簡単なことではありません。となれば、これからは今ある資源を使って費用をかけずに効果を上げる、知恵と工夫をしていくことが大切となるでしょう。  そこで、私たちの身近にあり、あらゆる世代の人が気軽に集い、楽しみながら利用できる公園を活用してはどうかと考えます。大田区内には、公園、児童公園、緑地、児童遊園等、529か所の公園があります。場所によって多くの方が集まるところもあれば、地域の方もあまり来ない公園もあったりと、その利用状況はまちまちです。地域の方からも、公園の活用についてはいろいろなご意見も寄せられています。そうした中に、最近家の中でも何もないところでつまずくようになってきた、心配だから運動をした方がいいと思うけど、一人だとなかなかやらないので、公園とかで気軽に運動ができるといいという女性のお声があり、周りにいた同世代の方も大きく共感しておられました。  実は、初めて視察に訪れたデイサービス施設は、施設内をバリアフリーではなく、バリアアリーと銘打って、施設内を歩くだけでもリハビリになるよう工夫がされていました。転ばないようにバリアフリーにするのではなく、わざと障がいをつくって、自分で転ばないように意識することでいつの間にか筋力がつくようになる。人の能力を引き出すその逆転の発想に感嘆しました。  人は、必要だとわかっていても一人だとなかなか行動を起こさないところがあります。平成22年度に行われた大田区高齢者実態調査の介護予防の項目でも、「どのような条件があれば介護予防のための取り組みに参加しやすいと思いますか」との設問に、「区民センター、文化センター等、身近な場所で活動できる」、「一緒に取り組む仲間がいる」、「楽しみながら参加できる活動である」等の項目が上位を占めていました。だれもが気軽に自分で工夫して運動や仲間づくりができるように、簡単に取り組める場所と機会を様々なところに配置することで、自主的な活動の機会を増やすことができるのではないでしょうか。そうした意味から、前述の施設のバリアアリーの発想を応用して、身近な公園にそうしたバリアや気軽に運動ができるような器具を設置して、先ほどの女性の声に代表されるような方々が、介護予防などと意識しなくとも楽しく運動ができるようにしてはいかがかと思います。  そこで何点かお尋ねをいたします。今後の公園の整備や補修に際して、特に基準というかコンセプトのようなものはありますでしょうか。お聞かせください。  私の住む矢口地域では、矢口二丁目の都営団地内の公園にいきいき公園がつくられて、好評を得ています。その反面、武蔵新田駅近くにある3か所の公園のうち、広さはあるにもかかわらずあまり人が来ない公園があります。このような公園に自然なバリアをつくって、楽しみながら公園内を歩くことで筋力アップにつながるような工夫をしてはいかがでしょうか。ほかにも、区内にある大小様々な公園の中にはあまり人が集まらない公園があると思います。そのような公園にこうした工夫をすることで、地域の方に公園で健康づくり、公園で友達づくりという提案ができると思いますが、改修や補修の際にこうした工夫をしていただくことは可能でしょうか。見解をお聞かせください。  もちろん、このことだけで介護予防が大きく前進するというわけではないと思いますが、小さな工夫を積み重ねていくことで、そうした意識が定着していく一助になると思います。また、こうした楽しいバリアフリーができると、小さなお子さんの歩く練習にも応用できると思います。身近な公園に高齢者や小さなお子さんが自然に集いあって交流ができるようになれば、ご近所に知り合いが増え、高齢者や子どもの見守りにもつながることも期待できます。  また、もう一歩踏み込んだ施策として、いきいき公園の補助的な形で、その周辺の公園に軽微な運動ができるような器具を設置し、健康体操と連動した自主的な体力づくりのプログラムを作成することを考えてみてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。大切な区民の財産でもある公園を有効活用できるような工夫と取り組みをよろしくお願いいたします。  次に、地元地域のたまちゃんバスについて質問させていただきます。  矢口循環、通称たまちゃんバスが運行を開始して約2年が経過しようとしています。走行が決まった当初、私の地元である矢口・下丸子地域の方々の期待と喜びの声はかなり大きかったのですが、現在その利用状況は芳しいとは言いがたいと感じています。以前、多摩堤通りには現在の東急多摩川駅に向かう路線バスが走っていたと聞いています。バス会社は企業ですから採算の合わない路線から撤退することはいたし方ありません。ですが、公共交通の減少は、高齢者や体の不自由な方などにとっては、買い物や通院などに大変不便な思いを強いられます。ですから、地域内の必要な場所を結んで、きめ細かく走行してくれる便利なたまちゃんバス運行開始のニュースは、そうした方々の足として楽しみにされていました。そのほかにも、駅から距離がある方の通勤や通学の足としての期待の声も大きかったように思います。  そこで、改めて大田区がコミュニティバスの運行を決定した目的を確認させてください。また、運行開始以来のたまちゃんバスの利用状況の推移と現在のたまちゃんバスの課題をどのように分析しておられますか。お聞かせください。  実は、私のもとにも地域の方からたまちゃんバスに関して存続と廃止の両方の声が寄せられています。たまちゃんバスは交通弱者対策として、行政が主導した公共交通であると理解しております。そうであれば、当然採算性のみを重視しているわけではないと思いますが、いかに採算重視ではないといっても、大切な区民の皆様の税金を投じているわけですから、ある程度の効果を上げなければ区民の皆様の理解を得ることは難しいでしょう。  そうした住民サービスの費用対効果の中で、最も重視されなければならないのは利用者の満足度だと思います。たまちゃんバスの場合、その指標の一つが利用者数です。そうした意味から言うと、現在のたまちゃんバスの利用者数は、いささか心もとないと言えるのではないでしょうか。しかし、地元地域の住民の一人として、今夏のような暑い夏の日差しの中、ご高齢の方や体の不自由な方、また小さなお子さん連れの方が駅や病院や買い物などに大変な思いをされていた姿を目にしていると、やはりたまちゃんバスをもっと利用しやすく改善していただいて、こうした方々の足として活用してもらえたらと思わずにはいられません。  そこで、たまちゃんバスをもっと身近に感じてもらえるような工夫ができないかを地域の方の声を踏まえて提案させていただきたいと思います。  たまちゃんバス改善に対する皆さんの声は、大きく料金、運行時間帯、循環コースに集約されています。料金については、ワンコイン、つまり100円にならないのか、シルバーパスは使えないのかという要望です。この点についてはいかがでしょうか。  次に、運行時間帯を拡大してもらいたいという点です。運行当初より通勤・通学の時間帯にかかるようになればとの声は多いと感じました。ただ、交通弱者対策という点から言うと、夜遅い時間帯まで運行するのは本来の目的から外れるかなと感じます。しかし、例えば、この地域には矢口特別支援学校や、そのほかにも小学校等があります。安全面から通学にたまちゃんバスを利用したいが、現在の時間帯では始業時間に間に合わないとの声がありました。また、定期券が使えないことも利用を控える要因のようでした。そこで、学校の始業時間に間に合うように運行開始時間を早めることや、また定期券も通学定期に限定するなどして発売することはできませんでしょうか。  次に、運行のコースについてお尋ねします。たまちゃんバスは交通弱者対策として運行しているわけですから、当然地域内でも交通不便な場所がコースに入るべきと考えます。ところが、矢口三丁目近辺が駅から最も離れているにもかかわらず、運行コースから外れています。この地域には高齢者の方も多く、また、最近はマンションなどの集合住宅や一戸建ても増え、小さなお子さんがいる世帯も増えてきています。そうしたこともあって、当初からコミュニティバスを望む声が大きい地域でした。この地域が当初のコース設定から外れた理由は何か、また、その理由は改善可能なのかお聞かせください。そして、改善策をぜひとも見出し、この地域にたまちゃんバスを走らせていただきたいのですが、いかがでしょうか。  また、下丸子地域の方からは、下丸子駅へ向かうのにたまちゃんバスを使うと一周することになってしまうので、せっかく近くにバス停があるのに利用したくてもできないという声も寄せられています。ガス橋通りで8の字を描くようなコース設定にすれば、下丸子駅に向かう方にもたまちゃんバスを利用しやすくなると思いますが、こうしたコース変更は可能なのかお聞かせください。また、広告収入という点から見れば、バス停にもなっているキヤノンやオリンピックなどから協賛金や広告料という形での収入は期待できないのでしょうか。お聞かせください。  そして、コミュニティバスの最大の魅力は、地域を循環することで地域の皆さんの生活に密着できることだと思います。その特性を活かして、たまちゃんバスの中で地域内の情報を得たり、人間関係を広げられる温かなバスとなるよう工夫をしてはどうでしょう。車内広告なども町会や商店会に協力していただき、お店の売り出し情報や町会行事や学校、幼稚園といった地域のイベント情報などを掲載してもらうといった活用方法はいかがでしょうか。また、ほかにも母の日や父の日にお子さんがかいた絵を飾ったり、地元の文化クラブの方の絵や俳句などの作品を展示するなど、たまちゃんバスそのものが地域のコミュニティ機能を持つような工夫をしてはどうでしょうか。バスの外観のデザインについても、せっかく地域限定のバスですので、たまちゃんのイラストが引き立ち、バスを見かけた人が乗ってみたいと思うように、色彩学なども活用してまちなみに合った色に変えてみるということも考えられませんでしょうか。  大田区で唯一のコミュニティバスです。もっと魅力あるものとなるよう、これからの工夫を期待し、私自身もたまちゃんサポーターとして応援していきたいと思います。  最後に、大田区の広報についてお尋ねします。  我が家は、第二京浜の西側にあり、ケーブルテレビはイッツコムです。地デジ化を見越してケーブルテレビを取り入れることにしましたが、その際、我が家はイッツコムしか設置することができませんでした。ところが、今年の3・11の大震災以降、区内の放射線量の情報等はイッツコムにはありません。大田区内で大田ケーブルテレビが視聴できる範囲に居住している世帯数は23万530世帯、大田ケーブルテレビ視聴可能世帯は18万5537世帯と聞いています。同様に、イッツコムが視聴できる世帯は12万6705世帯で、そのうち視聴可能世帯数は5万7671世帯だそうです。この数字を見る限り、確かに大田ケーブル視聴可能な世帯の方が圧倒的多数です。しかも、この数字は視聴可能世帯数ですので、該当する全世帯が各ケーブルテレビを視聴しているというわけではないでしょうから、大田区が出資しているという点からいっても大田ケーブルに大田区の情報が集中するのもいたし方ないかもしれません。  しかし、3・11に伴う原発事故以降、地域の情報を必要とする方が増えていると思います。実際、区内の放射線量に関する問い合わせは、相当数あったと聞いています。そうしたこともあって、放射線量の計測が始まってからは、その数値の情報が大田ケーブルテレビでは確認できるようになっています。それに対して、同じ大田区民であるにもかかわらず、イッツコムの視聴世帯ではそうした情報を得ることができません。視聴者側が大田ケーブルかイッツコムかを選択することができるのであれば、どちらを視聴するかはおのおのの裁量となりますが、物理的に不可能な条件のもとでは、同じ区の中にありながら、その情報量に差が生じることになるのはいかがなものでしょうか。大田区として、この現状をどのように認識しておられるのか、またこの状態をこのまま放置されるのか、または対策を考えておられるのかお聞かせください。  技術的なことは私にはわかりませんが、デジタル化したことで情報伝達能力は格段に上がったと聞いています。今回の震災や原発事故で人々が感じた不安の多くは、何が起こっているのか、情報が伝わりにくかったことだそうです。今後も、いつこうした非常事態が起こるとも限りません。備えあれば憂いなしという格言もあることですし、区内全域で同じ情報が共有できるという環境を整えていただくことを要望して質問を終わります。(拍手) ○冨田 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎津村 区長室長 私からはケーブルテレビについてのご質問にお答えをいたします。  議員ご指摘のとおり、株式会社大田ケーブルネットワークとイッツ・コミュニケーションズ株式会社の営業エリアは、第二京浜国道を境にしておりまして、お住まいの地域によって一社のみ視聴できる仕組みとなっております。両社に対しては、区政情報や地域情報につきましてひとしく提供しておりますけれども、大田ケーブルの営業エリアは大田区のみであるのに対し、イッツ・コミュニケーションズのサービスエリアは大田区以外に都内四つの区市、横浜市の4区、川崎市の3区と広域であるため、放映される情報量に差異が生じているものと思われます。ケーブルテレビには、地域に密着したメディアであり、高齢者などもアクセスしやすいなど災害時の情報伝達手段としてすぐれた特性を持っておりまして、区と両社との間で災害時における相互協力協定を平成18年に締結しております。ご要望にあるとおり、区内全域で同じ情報を共有するということは大変重要でございますので、平常時においても情報格差が生じないように、引き続き区といたしまして情報提供に努めるとともに、イッツ・コミュニケーションズに対しても申し入れを行ってまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ◎河野 都市基盤施設担当部長 それでは、私の方からは公園の整備に際して基準やコンセプトはあるのか、この質問についてお答えいたします。  これからの公園整備には、都市に潤いと緑をもたらす環境の視点、都市の安全を高めるための防災の視点、区民の余暇活動や健康管理及び子どもたちの健全育成に寄与する視点、こういうようなものをコンセプトとして考えております。また、障がいの有無、年齢、性別、国籍などにかかわらず、だれもが利用しやすいユニバーサルデザインの視点を取り入れることも重要な視点であると考えております。  次に、高齢者の筋力アップにつなげるため、公園に自然なバリアをつくって楽しみながら歩く工夫はできないか、また公園の改修や補修の際にそういうようなことを行うことは可能かどうかにつきましてお答えいたします。  公園は潤いや安らぎの空間として、多くの区民の皆様に楽しんでいただいている施設でありますので、不慮の事故が起きないよう日々安全第一に努めております。公園に自然のバリアをつくる場合は、そこにバリアがあることをすべての利用者に伝え、理解していただく必要がありますので、その構造や管理運営の方法など多角的に研究させていただきたいと思います。また一方で、公園での健康づくりや友達づくりは、高齢者を含め、多くの方々が公園を利用していただくための重要な要素と考えております。自然のバリアによる工夫もその要素の一つとしてとらえ、公園の改修や補修時には多くの皆様のご意見やいろいろな情報収集を行い、多角的に研究していきたいと思っております。  いきいき公園の補助的な形で周辺公園を整備できないかというご質問についてお答えいたします。  ご指摘のとおり、健康遊具を設置した池上本門寺公園や矢口二丁目公園では、指導者の育成や体操講座などを実施して多くの皆様に喜んでいただいております。今後2年間で、調布地区と糀谷・羽田地区にも設置する予定です。また、これからは、指導者が増えることで自主的な活動の要望も考えられますので、ふれあいパーク活動を利用した運営方法や、それに合わせた健康遊具の設置についても検討してまいりたいと思っております。  続いて、コミュニティバスの関係です。大田区がコミュニティバスの運行を決定した目的を確認させてくださいとのご質問にお答えさせていただきます。  区は平成19年度に大田区コミュニティバス導入検討会で、高齢者等の移動手段や観光の振興の対応なども踏まえ、主として公共交通不便地域の解消のためにコミュニティバスの導入検討を進めるとともに、矢口、南馬込、西蒲田の3地域を導入候補地域として選定いたしました。平成20年度に区は導入検討地域として矢口地域を決定し、大田区コミュニティバス矢口地域検討会で、交通不便地域の移動支援及び日常生活の移動支援を矢口地域における導入方針として決定したところです。  導入開始以来のたまちゃんバスの利用状況の推移のご質問にお答えいたします。  たまちゃんバスは、平成21年10月11日に試行運行を開始いたしました。平成21年度は1万9323人、1便当たりでは7.4人の利用がありました。平成22年度は、夏季は運行開始当初と同等の利用がありましたが、冬季は利用者が減少し、年間合計で3万6743人、1便当たりでは6.7人の利用となりました。平成23年度は、3月の東日本大震災の影響もあり、4月は前年に比べ減少しましたが、現在は平均すると1便当たり6.7人とほぼ前年並みの実績まで回復しています。  次に、たまちゃんバスの課題をどのように分析しておられるかとのご質問にお答えします。  たまちゃんバスには現在三つの課題があります。一つは、利用促進の強化です。利用者数は一定程度ありますが、決して満足できる数値ではありません。これまでも無料運行デーや利用案内の配布等を行ってまいりましたけれども、これからも地域と連携し様々な利用促進を図ってまいりたいと思っております。二つ目は、サービス水準の改善の検討です。運行時間、ルートなど利用者や地域からも要望をいただいております。経費の増加や狭あいな道路幅員など制約条件もありますけれども、地域や運行事業者とともに現在協議、検討しているところです。三つ目は、事業採算性の向上です。区の財政負担を少しでも減らすためには、運賃以外の収入確保も欠かせません。本年3月から、車内広告の募集を開始しましたが、今後車外広告も含め事業採算性の向上に結びつく方策を検討してまいりたいと思います。  料金についてですけれども、ワンコイン100円にならないか、また、シルバーパスは使えないかとのご質問にお答えさせていただきます。  コミュニティバスの運賃につきましては、地域、区、国、運行事業者、関係機関で構成する大田区コミュニティバス等検討会議で決定されます。区としましては、100円にした場合、現在の利用状況から事業性が低下することも考えられるため、慎重に対応すべきだと考えております。シルバーパスにつきましては、東京バス協会から運行事業者へシルバーパス利用者の運賃補てんを行うことになっておりまして、本年もバス協会に運賃補てんを行ってもらうよう働きかけてまいりました。今後も引き続き、働きかけてまいりたいと思います。なお、たまちゃんバスでは運賃サービスの対策としまして、専用回数券の発売や、東急バス1日乗車券の利用も行っております。これからも引き続きこれらのPRも含めて、PRに努めていきたいと思います。  次に、学校の始業時間に間に合うような運行開始時間や、通学定期を発売できないかとのご質問です。現在、運行時間帯は9時から17時台の日中に限られているため、利用者ニーズにこたえられていない面はあります。また、地域や作業部会からの要望もあります。現在、サービス水準を改善し、利用者を増やすために、運行事業者や作業部会の方々と協議しているところです。定期券の発売につきましては、運行事業者とともに、今後も協議してまいりたいと思います。  矢口三丁目近辺が当初のコースから外れた理由とその地域の走行に関するご質問の件です。現在のルートにつきましては、地域の方による作業部会の中で検討されてきました。矢口三丁目近辺につきましても、ルート案として検討されましたけれども、バス停候補地の地域の了解が得られず、所要時間もかかるため選定されなかった経緯があります。矢口三丁目近辺を通るルートにつきましては、所要時間の増加、運行間隔の拡大が予想され、既存利用者への影響が懸念されますとともに、バス停の確保が必要になりますけれども、これらの課題を地域の中で検討し合意ができれば改善することは可能であると思われます。この件につきましては、今月開催する作業部会において改めて検討を進めてまいりたいと思います。  ガス橋通りで8の字を描くようなコース設定はできないかとのご質問です。下丸子地域から下丸子駅への利便性の高いルートにつきましては、作業部会においても検討されてきましたが、下丸子駅周辺の朝夕の通勤客による混雑や踏切近くの道路形状等の理由により現在に至っております。ガス橋通りで8の字を描くようなコースにつきましては、下丸子駅に向かうコースが逆コースとなりますけれども、一つとして下丸子駅周辺のバス停候補地が見つからない、二つ目として朝夕渋滞が生じやすいガス橋通り走行に伴う定時性運行の確保、三つ目として運行距離も全体として増える。このようなもののために、運行間隔が拡大するという難しい課題もあります。今後も区として、運行事業者や地域とコースの変更について検討しまして、知恵を出し合ってまいりたいと思います。  地域のコミュニティ機能を持つようなバスと外観の色の工夫についてのご質問です。たまちゃんバスは、本年3月から、先ほども言いましたけれども、車内広告の募集を始めておりますけれども、運転席後部の広告枠は地域、行政が無料で利用できるようになっています。現在この無料の広告枠やその他の広告枠を含めて地域の行事、例えば蛍観賞会や盆踊り、これらのイベント情報を掲載しております。今後も、地域や作業部会の方々とアイデアを出しながら、地域コミュニティ機能を高められるように工夫してまいりたいと思います。バスの外観の色につきましては、導入の際にも様々な意見がありましたが、結果として現在の色になりましたので、引き続き地域の皆様から親しまれるたまちゃんバスとして利用されるよう幅広く周知していきたいと思います。  最後です。バス停にもなっている企業などから協賛金や広告料という形での収入は期待できないでしょうかとのご質問にお答えします。  バスの事業採算性を高める方策としては広告収入や協賛金、バス停の広告料などがあり、今年3月から車内広告の募集を始めています。協賛金などにつきましては、作業部会の中でも検討されていますので、東日本大震災の影響や円高など企業を取り巻く環境に懸念材料はありますけれども、区としましても地域に密着したバスとして地元企業等に今後支援を求めてまいりたいと思います。以上です。 ○冨田 副議長 次に、3番松原秀典議員。                  〔3番松原秀典議員登壇〕(拍手) ◆3番(松原秀典 議員) 質問通告に基づき順次質問いたします。理事者の明快なるご答弁をよろしくお願いいたします。なお、既にほかの議員が質問したものもかなり含まれておりますが、視点を変えて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。  まず、大田区の財政状況について質問いたします。  リーマンショックや東日本大震災の影響で日本経済は厳しい状況が続いています。経済指標では持ち直しの数値も見られ、8月10日に出された内閣府の月例報告では、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している。」と明確に上向きの表現が示されています。しかし、中小企業の多い大田区では、工場の経営者や商店街関係者の方々の意見を聞いてみても、なかなかそうした実感がないというのが実情です。  そうした中、大田区は今年6月に、「大田区財政のターニングポイント2011〜NEXT STEP〜」を策定いたしました。3年間の中期財政の見通しについて、厳しい財政環境であることを明らかにした上で、今後の区の対策について方針を打ち出しています。ターニングポイント2011では、特別区税や特別区交付金の基幹財源の減少と生活保護費など扶助費の増大が二重の課題であるとし、そのほかにも特別会計への繰出金の増加、公共施設関連経費の増加、区債償還経費の増大などの財政需要があると分析しています。3年間の財源不足額は平成24年度183億円、25年度146億円、26年度75億円、3年間の累計では実に405億円にも達するとしており、もしこのまま推移して財源不足額をすべて財政基金で賄っていくと、現在区が保有する約370億円の財政基金はすべて底をついてしまうことになります。  そこで、まずターニングポイント2011で示された3年間で405億円という財源不足累計額に対して、再度区長の率直な感想を質問いたします。  ターニングポイント2011を通じて財政当局が財政見通しを示しても、主な基金総額が890億円程度あり、財政基金も370億円もあるという意識から、庁内にはせっぱ詰まった危機意識が不足しているとの指摘もあると聞いています。財政改革は、部課長をはじめ、全職員が共通して取り組まなければならない重要課題です。平成23年度予算編成においても、一般財源の5%マイナスシーリングをかけたにもかかわらず、当初の各部からの予算要求額は前年度を上回ってしまったとも聞いています。平成24年度予算編成が進む今こそ、区の財政状況の正確な認識についてもっと浸透させていかなければならないのではないでしょうか。まさに、平成24年度予算編成が今後の大田区財政の正念場とも言えるのではないでしょうか。  区の厳しい財政状況について、ターニングポイント2011を通じた職員への周知についてどのように取り組んできたのか、また今後はどのように取り組むつもりなのか質問いたします。  隣の目黒区では、大田区以上に厳しい財政事情となっており、大なたを振るった財政改革に取り組んでいることが報道されています。3年間で180億円の削減策を打ち出し、大変大きな反響を目黒区内外に呼び起こしています。目黒区が見直しする事業として掲げたのは、保育料や施設使用料の値上げ、小学校校舎の改築、大規模改修の延期、箱根保養所の廃止、地震の学習館の廃止、団体補助の10%削減など多方面にわたる経費削減策、歳入確保策となっています。一方、大田区では既に取り組んでいる保育園の民営化を、目黒区では今後1園の民営化に取り組んでいくとのことです。この点については、大田区は先進的に保育園の民営化に取り組んできたと言えるのではないでしょうか。やはり民間活力の推進による区のスリム化は、効率的な区政運営のためには不可欠な要素であると考えられます。  現在、大田区も厳しい財政状況ですが、今大田区が財政改革に取り組んでいけば、目黒区のような取り組みをしないで済むはずです。逆に、今財政改革を強力に推し進めなければ、目黒区と同様な状況に陥ることが十分あり得るのではないでしょうか。そうした意味からも、今年度の無駄のない予算執行、ターニングポイント2011で示された方針での平成24年度の予算編成に取り組むことが必要不可欠であると考えられます。  23区特別区の中で、目黒区が財政危機となった事情をどのように分析しているのでしょうか。また、目黒区の対策を大田区でも参考にできる部分があるとお考えでしょうか、質問いたします。  平成22年度普通会計決算を見ますと、大田区の経常収支比率は88.4%と、対前年比6.7ポイントと大幅に上昇しました。経常収支比率は70から80%程度が適正水準と言われている中で、それを大きく上回ってしまいました。経常収支比率について、東京都から公表された23区の状況を見てみますと、23区の平均は平成21年度82.1%であったものが、平成22年度85.7%と3.6ポイント増加しています。もう少し詳しく見てみますと、70%から80%の適正水準に入っている区は平成20年度17区、平成21年度7区、平成22年度3区と年々減少しており、経常収支比率の上昇は23区全体の傾向であり、大田区に限ったことではないことがわかります。しかし、そうはいっても、財政状況を端的にあらわす指標である経常収支比率の悪化は見過ごすことができないものです。  区では経常収支比率の大幅な上昇について、どのように原因を分析しているのでしょうか。そしてまた、どのような影響が考えられるのか、質問いたします。  区長は、先の選挙で未来プランの点検を掲げました。平成21年度から実施されている未来プランは、おおむね順調に推進されていると報告されていますが、リーマンショックや東日本大震災など大きな環境の変化の中にあって、見直しが必要な部分も出ていると思います。特に、計画策定時と現時点では、区を取り巻く財政状況に大きな変化が生じました。一方で、未来プラン策定時には想定していなかった新たな行政需要にも対応する必要が出ています。東日本大震災を契機とする区の防災対策の抜本的見直しや大田区総合体育館整備を踏まえたスポーツ健康都市宣言などが代表的な事例と考えられます。計画策定時から5年を目途に見直すとされている未来プランですが、前期5年の最後の2年間に限って点検を行うことは、時期的にも財政的にも妥当なものであると考えられます。  未来プラン点検の目的及び進捗状況についてお考えをお聞かせください。  今定例会に、平成22年度の財政健全化判断比率が報告されています。平成18年の夕張市の財政破綻を契機に、財政統制機能の拡充を図るため、全国の自治体に公表を求めている数値であり、自治体の財政上の健全性をはかる一つの指標となっています。報告された内容を見てみますと、一般会計の実質赤字比率と特別会計を含めた連結実質赤字比率は、黒字の率が減少しているものの健全性を維持しています。また、実質公債費比率、将来負担比率は平成21年度よりも数値が改善され、こちらも健全性を保っています。区が厳しい財政状況であることは十分に承知していますが、区が何とか区民サービスを低下させないで施策を実施できていることは、これまで計画的に積み立ててきた財政基金などの基金の活用や、順調に償還し、減少させてきた区債残高といった今までの財政運営手法の結果であると認識しています。  先ほどの目黒区の例ではありませんが、大田区が財政の健全性を維持している今こそ、区の財政を抜本的に改革し、持続可能な財政運営を確立していくことを実現しなければならないと考えます。今後の財政運営への決意を、ぜひ区長からもう1度お聞かせください。  次に、産業経済政策について質問いたします。  多くの首長や商工会議所会頭の出席を得て、第8回中小企業都市サミットが8月4日と5日の両日に大田区で開催されました。折しも東日本大震災後の開催ということで、日本のものづくり産業の早期復興や今後のものづくり産業のあり方など、多くの課題が熱心に議論されたことは、大変価値のある会議として多くのマスメディアにも取り上げられ、ものづくり集積のまち大田区が全国にアピールできたことは大成功であったと考えます。  さて、そこで公表された大田宣言について、区として宣言したことをこれからどのように具現化していくのか質問いたします。  東日本大震災後の区内中小企業は、これまで以上に大変厳しい経営状況にあります。震災による被害や原子力発電所の事故、それに伴う電力供給不足、それに加えて大幅な円高も続いている状態です。経済産業省の調査によれば、1ドル76円の為替レートでは中小企業の70%以上が減益となるとしており、半年継続した場合には80%以上が減益を予想すると答えています。円高や受注減で、富山県の金型組合がジャカルタに集団で進出するという報道もありました。大企業だけでなく、海外に拠点を移す中堅企業も増えてくると思いますが、その影響による区内中小企業の仕事量の減少が大変心配です。  こうした厳しい状況にある区内中小企業に対する支援について、大田区は現在どのような支援策を実施し、今後どのような支援策を進めようとしているのか、質問いたします。  現在の景況や後継者不足などから、今後ますます区内中小企業の減少が懸念されます。廃業する中小企業の増加は、ものづくり集積地である大田区の衰退にも結びつきます。そのような中で、現在進められている東糀谷六丁目民間型工場アパートは、民間の力を活用しながら区の支援によりものづくり集積を守り、維持していく有効な方法の一つであると考えます。また、こうした工場アパートが増えることで、大田区の持つものづくりの技術の伝承や、雇用が増えることで後継人材の育成にも結びついていくものと考えられます。そのためには今回の民間型工場アパートの運営を軌道に乗せ、成功させることが重要です。  現在進められている民間型工場アパートの進捗状況、今後の入居企業の募集方法、施設使用料などはどのように考えているのか、また今後、第二、第三と続く予定があるのか、質問いたします。  昨日、塩野目議員からも質問がありましたが、平成22年度に総合特区制度の募集提案に応じ、国際戦略総合特区の枠で、ものづくりイノベーション特区構想を提案した旨の報告を聞いております。その後、検討を重ねていると思われますが、本年度には特区の本申請があると聞いております。現段階における特区申請の進捗状況について、公表できる範囲内で具体的なご説明をお願いいたします。  次に、商業振興について質問いたします。  昨日、清波議員からもすばらしい質問がありましたが、私の地元である池上地区の商店街は、元旦や梅や桜の季節、池上祭りやお会式のときにはにぎわいを見せますが、そのほかはあまりにぎわいが見られません。池上地区に限らず、大森駅や蒲田駅周辺などもっと恒常的ににぎわう商店街づくりが求められます。そのためには、現在美原通り商店街で進められている商店街景観整備事業のような、統一感のある魅力を感じる商店街づくりを区と商店街が協力、連携して推進していくべきだと考えます。  この点について、区としてどのように考えているのか、再度質問いたします。  大震災以来、大田区への海外からの来訪者は激減しているものと思われますが、多くの方々に大田区に来ていただき、区内の商店街がにぎわい活気のあるものにしていくためには、景観整備事業のようなハード面の充実と同時に、大田区の魅力を外に向かってアピールしていくことも重要であると考えます。
     昨日、森議員からも質問がありましたが、来年の4月からのNHKの朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が蒲田を舞台に放映されます。昨年放映された「ゲゲゲの女房」では、その舞台の一つの調布市が様々なPR事業を積極的に実施したようですし、鳥取県の境港市の水木しげるロードには、300万人以上のお客さんが訪れたと聞いております。区長からもご答弁がございましたが、大田区でも今回のドラマの放送をチャンスとしてとらえ、NHKと協力して積極的なPR戦略を打ち、来訪者を増やすよう地域全体で取り組んでいくとのことでした。  それでは、区としてどのように取り組んでいくのか、具体的なご説明をお伺いいたします。  マスコミを利用していくことはもちろんですが、本質的には多くの来訪者が自然に訪れるような大田区そのものの魅力を地域とともにつくり出し、さらに強化していくことが大切であり、近い将来、国際ターミナルから大田区を回遊するシティバスツアーがたくさん組めるようになれば大変喜ばしいと思います。そのようなことが実現できるよう祈念いたしまして、私の全質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○冨田 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 松原秀典議員の一般質問に私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  まず、3年間で405億円の財源不足累計額への感想と、今後の財政運営の決意とのご質問でございますが、議員ご指摘のとおり、リーマンショックは平成20年9月に起こりました。そして、半年後の21年3月に底をつきました。当然、税収はその翌年に入ってきますので、22年度は、やっぱりもろに影響を受けたという形になります。その中で、22年度の予算をしっかりとやっていかなければいけないということで、財政のターニングポイント2011をつくったわけでございます。そして、中期財政見通しを分析した結果、やっぱりリーマンショックによります景気停滞の影響というものが大変大きく影響しているということがわかりました。本年度になりまして、3月11日に、ご承知のとおり東日本大震災が起こりました。こういったものの影響を勘案し、さらなる分析を行った結果、昨年度の見込みを上回る財源不足が見込まれたわけでございまして、非常に厳しい区政運営が続くと改めて認識をさせていただきました。  区財政は、今定例会においてご報告いたします財政健全化判断比率、基金残高、特別区債残高などをご覧いただきましても、現時点では健全な状況を維持しております。このことは、議会のご理解を得ながら行政が一丸となって、行財政改革の取り組みを不断に推し進めてきた成果と受け止めております。しかし、私は、2期目になりまして、現状の経済状況というのは変わらないというふうに思っています。まさに大変な円高でありますし、震災の上に円高でもありますし、欧州やアメリカの経済不況、そういったもろもろの問題を見ますと、しっかりとした行財政運営をしていかなければいけない、そのことを改めて強く決意しているところでございます。  そのためには、予算面におきまして、身を削るべきところは削り、事務事業点検やアウトソーシング、定数削減によります効率化を進め、区民の皆様の安全・安心を守り、大田区ならではの特色ある行財政運営をしていかなければならないと思っております。これは行政側としてもしっかりと取り組んでいくつもりでおりますが、ぜひ議員の皆さん方の温かいご理解とご協力もいただきたい、そういう部分があろうかと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。以上です。 ◎津村 経営管理部長 私からは、区の財政運営並びに未来プランの点検についてのご質問にお答えをいたします。  まず、区の厳しい財政状況について、職員への周知にどのように取り組んできたのかという質問でございます。議員ご指摘のとおり、大田区の全職員が危機意識を持ち、行財政改革に取り組むことが、この危機を乗り越える重要なポイントであると考えております。ターニングポイント2011につきましては、庁議や管理職会など、区の幹部への周知徹底はもとより、予算編成に携わる職員を対象とした説明会の開催や、庁内報を活用して区の財政状況を一般家計の家計簿に置き換えて解説するなど、一般職員にもわかりやすく伝えるよう努めてまいりました。今年度は、主任主事2年目の職員を対象とした研修におきましても、ターニングポイント2011を素材に講義やグループワークを行うなど、若手職員の意識改革にも取り組み、周知の徹底に努めております。今後も予算編成の過程で常に財政状況を意識するよう、職員に対する意識啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、目黒区の財政危機についてのご質問でございます。目黒区は、かつてない財政危機に直面し、基金のすべてを取り崩しても平成25年度には27億円の財源不足が発生するという見込みの中で、財政健全化に向けたアクションプログラムを示しまして、今後3か年で180億円の歳出削減に取り組むとしております。目黒区では、平成20年度以降、区民税や財政調整交付金が大幅に減となったことに加えまして、経常的な経費の増大と、過去の庁舎移転や都立大学跡地のパーシモンホールの整備などに基金を投入してきたことが財政危機の大きな要因となったと聞いております。目黒区の対策につきましては、大田区でも既に実施している手法もございますけれども、補助金の一律カットなど踏み込んだ取り組みもございまして、その効果を注視してまいりたいと考えております。  次に、経常収支比率が上昇した原因と影響についてのご質問でございますけれども、経常収支比率とは、特別区税のような経常的に歳入される一般財源等が、人件費や扶助費といった経常的に歳出される経費にどの程度充当されているかを示してございまして、財政の硬直化の度合いをあらわす指標でございます。ご指摘のとおり、平成22年度普通会計決算による大田区の経常収支比率は88.4%となりまして、対前年度比6.7ポイントの上昇となりました。大幅な上昇となった原因は、特別区税が約56億円の減となったことに加えまして、扶助費への経常一般財源充当額が約29億円の増となったことなどによるものです。このことは、区財政が直面している基幹財源の減と扶助費等社会保障関係経費の増という、二重の課題がまさに形としてあらわれた大変厳しいものと考えております。二重の課題の劇的な改善は想定しにくいことから、経常収支比率は引き続き高水準で推移すると見込まれます。経常収支比率の高どまりは、新たな政策や臨時的経費への財源配分が困難となること、柔軟な区民サービスの提供に際し支障となる要因となります。歳入の確保について引き続き努力をいたしますとともに、歳出につきましても経常的な経費を含めた見直しを行い、区の担うすべての事務事業について検証、評価し、行財政構造の質的な転換を全庁挙げて推進してまいりたいと考えております。  次に、おおた未来プラン10年の点検の目的及び進捗状況についてのご質問についてお答えいたします。  未来プランは、区の財政が厳しい中にあっても、最少の経費で最大の効果が得られるよう、執行方法等の精査を行いながら、プランの実現に向けて着実に事業を実施してきたところでございます。しかし、東日本大震災の影響によりまして、財政状況や行政需要につきましては、計画策定時の想定と現時点で隔たりが生じております。財政面におきましては、区財政のターニングポイント2011でお示ししたとおり、平成24年度の財源不足は183億円と巨額の財源不足傾向が続く見込みでございます。一方、区長のマニフェストでうたわれた防災力の強化などの施策を充実してまいりたいと考えているところでございます。限られた行政資源の中で、変化する行政需要に適切に対応し、基本構想で定めた区の将来像を実現するため、未来プラン全事業について、スケジュールや執行方法の見直し等を含む総点検を実施しているところでございます。点検の進捗状況につきましては、現在各事業のあり方、進め方等について見直しを行っておりまして、今後さらに予算編成作業と並行しながら点検を進めてまいります。なお、点検結果につきましては、おおた未来プラン10年修正版として公表させていただく予定でございます。私からは以上でございます。 ◎伊東 産業経済部長 私からは、産業関係6問についてお答えを申し上げます。  まず、中小企業都市サミットの大田宣言について、区として宣言の内容をどのように活かしていくかということでございますが、今回の中小企業都市サミットでは、6都市の自治体、商工会議所の首脳が集結し、震災後の新たなものづくり体制の整備と企業支援、中小企業の取引拡大の推進、中小企業の経営強化の推進、産業集積の維持・発展の四つの方向性について議論を重ね、各都市が積極的に行動することを決定し、宣言をいたしました。特に、震災後の新たなものづくり体制の整備と企業支援では、省エネルギー化や環境対応型の設備投資、さらには環境関連の技術開発などを積極的に推進し、電力需給対策に貢献することやサプライチェーンの再構築支援、事業継続計画BCPの構築支援などを実施していくことが決定されました。大田区はサミット開催都市として、各項目を積極的に推進する立場であり、特に、おおた未来プラン10年に掲げる政策であります工業集積の維持・発展や海外市場開拓、また中小企業の事業承継や事業引き継ぎにつながる次世代のものづくり人材育成などに積極的に取り組んでまいります。  次に、厳しい状況にある区内中小企業に対して、今後どのような支援策を進めていくのかとのことでございますが、区は、今回補正予算で緊急経済対策として大田区小規模事業者経営改善資金利子補給制度の創設、ものづくり新製品・新技術実用化緊急支援事業、プレミアム付区内共通商品券の発行補助について提出をさせていただき、ご審議をいただきます。これらの補正予算事業に加え、今後も地域の経済情勢に合わせて、仕事を増やすための拡大受発注商談会、オープンイノベーションマッチングをはじめ、金融支援など様々な支援策を実施して、企業の皆様の経営環境の改善に努めてまいります。  次に、民間型工場アパートの進捗状況、今後の募集、施設の利用料などについて、また、第二、第三と続く予定があるのかとのご質問についてお答えいたします。  東糀谷六丁目に建設中の民間型工場アパートは、東電不動産株式会社が産業用電化の基軸プロジェクトとして、環境整備や地域貢献を踏まえて計画がなされました。建設工事につきましては、平成24年2月末の竣工を目指して進んでおります。今後の募集につきましては、第1次募集では複数ユニットを希望する企業で、区内企業にも経済的な波及効果のある中堅企業を区内外から募集をいたします。第2次募集では区内企業、第3次募集では区内外からの企業と優先順位を設けて募集をする予定でございます。また、大田の工匠100人受賞者など、高度な技術を持ち、次世代にその技術を伝承する考えを持つ企業の立地も進める計画でございます。使用料については、既存の工場アパートに準じた使用料を予定しておりますが、条例制定のご審議をいただいて決定してまいります。現状では、第二、第三の民間型工場アパートの計画はございませんが、本件が先駆事例となり、民間でも大型の工場賃貸事業の可能性が示されることにより、続いていくことを期待しております。  次に、特区申請の関係でございますが、昨年度、国から総合特区制度に関する提案募集があった際に、大田区はものづくり基盤技術産業強化特区の提案をいたしました。この提案の考え方をもとに、これまで庁内検討はもちろん、大田区と同様にリーディング産業から高度な基盤産業が集積する品川区とも連携し、取り組みを進めているところでございます。また、特区申請を目指している東京都とも情報交換を行っており、都の考えている外国企業誘致による経済活性化を目的とした国際戦略総合特区の中に、両区の考えも取り込んで申請するよう働きかけております。今後も申請に向けた取り組みを強めてまいります。  次に、商店街が協力して統一感のある魅力を感じる商店街づくりということでございますが、商店街景観整備事業は、商店街関係者をはじめ地域住民、コンサルタントなどで協議会を組織して検討し、整備を進めていくものです。現在、取り組みが進んでおります美原地区をはじめとして、商店街に恒常的なにぎわいが生まれるよう、区としても積極的にこの事業を推進してまいりたいと考えております。今年度からは、新たに池上本門寺周辺の商店会からの要望もあり、順次制度の説明や協議会設立準備など支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。  最後に、NHKの朝の連ドラの関係でございますが、今回の蒲田を舞台にしたドラマは大田区をPRしていく上で絶好の機会ととらえております。6月の放送決定からの取り組みといたしましては、NHKへ地域情報提供、医師会、商店会、ホテル・旅館など、直接地域の方々との取材や意見交換の場を提供させていただいております。番組制作に協力をして、NHKの広報と十分連携をとりながら、大田区の魅力発信、PRをあわせた企画の検討を進めてまいります。私からは以上でございます。 ○冨田 副議長 次に、40番柳瀬吉助議員。                  〔40番柳瀬吉助議員登壇〕(拍手) ◆40番(柳瀬吉助 議員) 大田区議会みんなの党、柳瀬吉助です。  前の第2回定例会では、区財政の問題と課題について質問させていただき、区財政の課題として、区司令塔によるガイドラインを伴った計画の評価と見直し及び歳入増を目指す施策の大胆な強化だということを指摘させていただきました。それをしっかり受け止めていただけたのか、経営管理部発行の大田区財政のターニングポイント2011では、区財政の客観的評価を精緻に実施され、また、それに基づき予算編成、組織・職員体制の基本方針について等の通知を通し、各部局への業務見直しの強いメッセージが発信されたことを大変評価いたします。現在そのメッセージを受け、おおた未来プラン10年の点検、事務事業評価を通じた事業の見直し、アウトソーシングの推進及び外郭団体の改革推進等に懸命に取り組まれ、また並行して来年度の予算が各部局で検討されているこの時期に、行財政運営の取り組みについて、産業政策と保育サービスを例に挙げながら質問させていただきます。  まずは、先ほど触れました区司令塔のメッセージに、残念ながらあまり触れられていない歳入増を目指す取り組みとして、産業振興、その中でも中小製造業の活性化策を例に挙げたいと思います。  皆さんご周知のように、日本の製造業は今、大変厳しい状況に置かれています。厳しい状況とここ数年ずっと言われておりますが、これでもかというような荒波がどんどん押し寄せる状況です。具体的には、高どまりしている法人税率、自由貿易協定の遅れによる関税障壁、予想をどんどん上回る円高、その他労働規制、温暖化ガスの削減、電力不足と値上げの六重苦に立たされており、特に日本の国内で頑張ろうとしている企業にとっては、その気持ちを吹き消してしまうほどの厳しさです。私たちは、空洞化に歯止めをかけ国内の産業基盤を守らなければなりません。手をこまねけば、日本各地から産業集積や働く場が徐々に姿を消していく状況に陥ってしまいます。特に懸念すべきは、汎用品は海外、先端品は国内生産という役割分担ですら崩れてきている状況です。  しかし、残念ながら、この六重苦の問題は国家環境の問題であり、我々区政が直接解決できるテーマではありません。国政では、民主党政権が期待された成果をほとんど出せない中、マニフェストをやる、やらないで内輪もめしている状況で、ついに3人目となる野田新首相が選出されました。この内閣の正当性には大きな疑問がありますが、やるからにはしっかりやっていただきたいと思います。大田区議会民主党の皆様にもしっかりと監視をいただきたく存じます。  一方、国家環境が製造業の大きな問題とはいえ、基礎自治体である我々になすべき手段がないわけではありません。実際、産業経済部を中心に様々な施策が打たれております。しかし、私はこの春議員になり、それらの施策の検証を開始してまいりましたが、残念ながらその施策の迫力が欠けていると感じています。基礎自治体がとり得る機能としては、個々の企業の経営・事業革新支援、営業支援、セーフティーネット等の機能が挙げられ、それには取り組んでいるものの、企業に対する周知具合、施策体系の明確度、熟成具合、対象事業者数や金額の規模、結果として各施策の活況度に問題を感じています。  一つ目の課題は、まことに基本的なことで恐縮ですが、現施策に対する検証とそれに基づいた改善をしっかりと行っていくことだと思います。そのためには、各施策に対する目標、もくろみを設定することと、それに対する振り返り、改善案をイベント後に速やかにまとめていくことが肝要ですし、議会にもそのようなものを報告していただきたく存じます。実際、現状の個々の施策報告はあるのでありますが、実施したことやその参加人数など形式的なものと、好評であったと毎回決まった評価にとどまっており、反省点や改善案はあまり見受けられません。産業施策自体は、最終的には効果が見えにくい分野でありますが、そうであればより一層目に見える施策の目標、もくろみを設定し検証していくことが重要です。その結果、惰性の取り組みから脱却でき、施策は熟成されていくものと思われます。  二つ目の課題は、基礎自治体ならではのワンストップサービスの提供だと考えます。少なくともわかりやすい支援メニューの作成、配布、またPiOにおける相談窓口の創設は必須です。区内企業の方々が相談しやすい環境、私たちの施策を利用してもらいやすい環境、ひいては区が頼りになる存在になるよう積極的により努力する必要を感じます。また、その際に区の施策だけではなく、国や都の施策もまとめて紹介できることが肝要です。何も区の施策を立案、実施することだけが区の仕事ではありません。いや、むしろ、もとから存在する国や都の制度を積極的に活用するべきだと考えます。  その一つの理由は、対象事業者数や金額の規模です。例えば、融資一つとっても、区の融資あっせん額はせいぜい二、三千万円ですが、国は数億円の貸付制度がありますし、また、最近区が力を入れている新製品・新技術開発事業におきましても、区のものは最大1000万円の補助、しかも最大5件ですが、国のものは1億円に上るものもありますし、その数には明確な制限もございません。ちなみに、今議会でも話題の「下町ロケット」のバルブシステムの開発費は35億円と想定されています。もちろん、国や都の施策は手続きが煩雑だということもあるでしょう。しかし、できることならそこを区が手伝ってあげるというのが、むしろ基礎自治体らしい親身な支援ではないでしょうか。国や都の施策を積極的に活用することによって、さらに区の支出削減にも期待できます。  三つ目の課題は、少し難しい課題ではございますが、大田区製造業の目指す姿の描写とそれに基づいた支援です。そのイメージは、過去の通産省がリードした日本株式会社のように、産業経済部がリードする大田株式会社です。地方自治に期待が高まり、基礎自治体間での切磋琢磨が求められている中、このようなことも視野に入れていく必要があるのではないかと思います。例えば、大田区内の開発型中堅企業を核とした、零細加工企業を束ねる産業クラスタを目指すというのも一つです。海外市場を目指すにしても、地域に密着した零細企業には現実的には困難であったり、また技術の流出という問題もございます。経営資源の比較的ある中堅企業の海外での営業、調達、製造、販売を促進し、一部技術の高い製品を大田区の零細企業が受け持つという企業構造が考えられます。例えばその場合には、その中堅企業を徹底的に支援することによって、間接的ではありますが、有効に零細企業を支援できることになります。また、得意産業を、例えば医療、環境等のように選択していくのも一つです。そうであれば、ビジネスマッチングの対象大企業もより鮮明になってくるのではないでしょうか。  このような緩やかなクラスタから、資本連携、増強を視野に入れたファンド、税制優遇等の施策を打つことにより、後継者問題の解決や規模の原理を活かした営業力、競争力の強化を期待することができます。このようなグランドデザインがあれば、今、区が申請検討している総合特区の内容も、聞き慣れた項目の羅列ではなく、俄然迫力を持ってくると思います。  以上、歳入増を目指すためにも、このようなより積極的な取り組みが必要だと考えますが、いかがでしょうか。  次に、歳出減を目指すための取り組みに言及してまいります。  冒頭触れましたように、各部局への歳出減を目指す業務の見直しの強いメッセージが発信されておりますが、実際管理職の方々とお話をしていると、単なるサービスの質や規模の縮小を検討されている方がとても多いように感じます。効率向上や事業転換によるサービスの質や規模を確保、向上して、かつコスト削減をねらう取り組みをより一層お願いしたく、保育サービス、保育事業を例に挙げたいと思います。  待機児童の問題が区の大きな課題と認識される一方、保育園に対する区の支出は、認可保育園に対する総経費だけでも約120億円に上り、区財政に対する影響が大きい事業です。その事業の経費明細に着目し、0歳児1人当たりの経費をお隣の品川区と比べてみると、両区の区民向けしおりによると、大田区が62万9345円であるのに対し、品川区は44万5000円です。何と1.4倍なんです。1・2歳になるとその差は1.2倍から1.3倍、そして3−5歳になるとほぼ同等にはなるのですが、この差は一体どこから来るのでしょうか。また、品川並みに経費の削減をできないのでしょうか。  また、今さらりと申しましたが、0歳児1人当たりの経費62万9345円です。年額ではなく月額です。議会議事録を確認しますと、ちょうど1年前に永井議員が同じような問題を提起されておりました。しかし、当時の質問時間の制約により十分答弁をいただけていなかったようなので、一部重複いたしますが、再度言及してまいります。  現在、大田区では保育園定員の増強を図っています。しかし、保育園の定員を増やすことだけが待機児童解決ではありません。例えば、厳しい家計のために仕事で20万円稼ぎ、保育料を2万円払い、差し引き18万円プラスだという方の場合、その方に18万円補助するのでご自分で保育に当たってくださいと言えば、喜んでご自分で育てられる方も多いのではないかと思います。もちろん、長期的な雇用継続やキャリアの観点から働き続けたい方もおられると思いますが、先ほどの例の場合、理屈上は区が62万9345円もの経費を保育園に使うのでしたら、18万円直接お支払いした方が、ご本人の育児の上でも、経済合理性の面でも、さらにほかの待機児童の方にもいいと思われます。待機児童問題に対し、単純に保育園の定員の増強だけに固執するのではなく、そもそもの保育ニーズを適正化する取り組みも注力すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  また、いろいろお声を聴いておりますと、認証保育園より認可保育園の方が人気があるようです。それに呼応して認可保育園の増員に一生懸命です。個々の認証保育園の利点もあるのでしょうが、認可保育園は制度上の環境面でもすぐれており、また保育料も随分安いとなれば当然の結果だと思います。そうであれば、比較的人気の少ない認証保育園の保育料に区の補助をシフトすることにより、需給のバランスをとるという考えはないのでしょうか。  さらに、認証保育園にかかる園児1人当たりの区の負担経費は、認可に比べれば月平均6万円少ないそうです。単純計算すれば、認証保育園の保育料の補助に6万円追加しても、認可から認証への園児のシフトができれば、区の経費は同じだと考えられます。実際品川区は、認可も認証も同じ保育料です。以前より同僚議員が指摘している点ではありますが、経済合理性、公平性から考えても、また、子どもの保育ができない方が認可保育園からあふれている状況下で、認証保育園の方が保育料が高い制度設計に問題を感じますが、いかがでしょうか。  以上、述べてまいりましたように、事業の大胆な見直しにより、より高いサービスを少ない費用で実施できる余地が多分にあると思われます。今回は言及しませんが、入札改革も余地のある分野だと考えます。冒頭触れましたおおた未来プラン10年の点検、事務事業評価を通じた事業の見直し等の現状の進捗状況及びその目標、もくろみに向けた達成見込みはいかがでしょうか。今回触れさせていただきました取り組み例を参考に、執行機関としてより付加価値の高い、新の行財政改革により一層取り組んでいただけるようお願いし、質問とさせていただきます。  以上です。どうもありがとうございました。(拍手) ○冨田 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎津村 経営管理部長 私からは、おおた未来プランの点検等の進捗状況、達成見込みについてのご質問にお答えいたします。  区は、震災の影響や景気の低迷による厳しい財政状況を踏まえまして、おおた未来プラン10年の点検や事務事業点検の実施など、健全な財政運営を維持するため懸命に努力しているところでございます。これらの点検により、財政の持続可能性の向上に努めるとともに、緊急に解決すべき課題や新たに検討を進めるべき施策へも対応してまいりたいと考えております。未来プラン及び事務事業評価の点検の進捗状況につきましては、現在、24年度予算編成作業と並行しながら各事業のあり方、進め方等について見直しを行っているところでございます。私からは以上でございます。 ◎杉坂 総務担当部長 私からは入札制度改革についてお答えを申し上げます。  区では、多くの分野で民間からの調達による行政サービスの提供に努めているところではございますが、このサービスの調達に当たりましては、経済性の追求のみならず、透明性の確保や公正な競争、適正な品質の確保、不正行為排除の徹底が強く求められているところでございます。これに加えまして、基礎自治体である大田区にとりましては、区内産業の育成も大変重要な観点でございます。昨日の代表質問で区長もご答弁申し上げましたように、現在入札制度改革の一環といたしまして、価格だけの競争から、価格と品質で総合的にすぐれた調達への転換を目指した総合評価落札方式を工事請負契約の一部で試行しているところでございます。この方式による入札は、これまで毎年拡大をしてまいったところでございますが、今後も引き続き拡大あるいは改善する方向で検討を続けるなど、引き続き入札制度改革に不断に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。私からは以上でございます。 ◎伊東 産業経済部長 施策に対する検証とそれに基づいた改善等、産業振興関係の3項目についてのご質問でございます。  第1点目の施策の目標設定や検証についてでございますが、大田区では、おおた未来プランや産業振興基本戦略に基づき、目標を定めて産業振興施策を行っております。経営者の育成や意識改革を図るもの、また新製品・新技術開発支援や国内・海外市場開拓支援など、区内中小企業の経営基盤の安定を図り、足腰の強い企業づくりを目指して行っているところですが、議員ご指摘のとおり、効果が見えにくく、すぐに効果があらわれるというものではございません。今後、効果や改善点についてPDCAサイクルを共有するなど、目に見える形でご報告できるよう改善策を検討してまいりたいと思います。  第2点目の国や都の施策を積極的に活用することで、区の歳出削減につなげるべきとのご指摘でございますが、中小企業を支援する施策は国や都、区の各レベルで実施しておりますが、その数は多く、仕組みが複雑なものもあります。現在大田区で実施している産業支援施策は、国や都の施策に比べて助成金額や支援規模は小さいものの、より小規模な企業でも利用しやすいようハードルを下げて実施しております。今後、国や都の施策も案内しながら、その企業の実情に即した制度の情報提供に努めてまいります。  3点目の大田区製造業の目指す姿とその支援についてでございますが、大田区では区内企業全般を支援しておりますが、その中でも特に開発、試作をはじめとする高度技術を有する中堅中小企業を育成し、その企業からさらに発注を受ける企業群への波及効果をも意図した支援を行っております。また、大田区のものづくり総合特区構想においても、海外を含め、区内への企業誘致による既存企業への発注開拓もねらっているところでございます。加えて、得意な産業分野を持つことなどは、個々の企業にとっては大変重要であると考えます。ただ、産業分野は時代とともに変遷をしていくため、区としては、常に進化する産業分野にも対応できる高度な基盤技術集積を維持、発展できるよう支援をしてまいります。 ◎筒井 こども家庭部長 私からは、まず認可保育園の経費の削減についてのご質問にお答えいたします。  品川区との比較ということでございますけれども、特定の区との比較につきましては、経費の算出基礎の数値など必ずしも公表されていない部分もございますので、ちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、そのほかの区と比較いたしましても、相対的に大田区の認可保育園にかかるコストは高い傾向にあるということは認識しているところでございます。議員ご指摘のように、区といたしましては、待機児解消対策を強化するということとともに、効率的な事業執行に努めていく必要があると考えてございます。このため、多様な運営主体との連携・協働により保育サービス基盤の拡充に努めるという基本的な考え方のもと、区立保育園の民営化も推進しているところでございます。あわせて、区立保育園の維持管理経費の節減にも鋭意取り組んでいるところでございまして、引き続き経費の削減に努めてまいります。  次に、待機児対策に関しまして、保育ニーズを適正化する取り組みについてのご質問でございます。女性の働き方の多様化や社会経済情勢の変化などにより、多様化するニーズに対応した保育サービス基盤の拡充が必要と考えてございます。一方、仕事と子育ての両立を支援するためには、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識のもと、子育て支援のあり方について社会全体で考えていくことが必要であると認識してございます。このような観点から、区においては、保護者が安心して育児休業を取得できるよう、保育需要の集中する1歳児に重点を置いて保育サービス定員の拡充を図ってまいりました。あわせて、ワークライフバランスの普及啓発を推進し、家族の一員として保護者が育児についての役割を円滑に果たすことができるよう、環境づくりにも努めてまいります。 ○冨田 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○高瀬 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。7番大森昭彦議員。                  〔7番大森昭彦議員登壇〕(拍手) ◆7番(大森昭彦 議員) 自由民主党大田区民連合の大森でございます。4月の統一地方選挙以来、第17期の大田区議会に入りまして、初めての質問となります。松原区長をはじめ、理事者の皆さんには明快なるご答弁をいただけますようよろしくお願い申し上げます。  8月30日に行われました民主党の新しい代表選、我々も視察先においてニュースに注目いたし、どなたに決まるのかと時間あるごとに報道を目にしておりました。迷走し、ぶれにぶれた答弁で国会を混乱させた菅前首相の政権がやっと交代する日を迎え、9月2日には野田新政権が発足となりました。多少好感が持たれたのか、60%を上回る支持率を得たわけですが、しかし復活した支持率の背景には、東日本大震災に対する一刻も早い復興を望み、政治の空白をつくらせないための国民の意思のあらわれであると思います。そんな中で発足して1週間、鉢呂経済産業大臣の死のまち発言が起こりました。9日の報道各社の紙面から大騒ぎとなり、結果として責任をとり、辞任する羽目となりました。大きな痛手を受けている地元住民の気持ちや希望を打ち砕く軽々しい発言であると非難されたわけでありますが、復興に向けた支援活動は、本区においても東松島市へ積極的に官民一体となって推進され、一定の成果が上がってきております。地道に一生懸命取り組んでいる大田区という自治体や区民が存在することをぜひ、大田区議会民主党の皆様、国政を担っている本部の国会議員に聞かせていただき、しっかり政治をやるようお伝え願いたいと思います。そして、復興に向けた取り組みを確実にしていただきたいと思います。本区は、松原区長が陣頭に立ち、東松島市の復興復旧に大きな支援を行ってきました。そのことに改めて敬意を申し上げたいと思います。  さて、このたびの質問ですが、防災に関することと、超円高にあってなお続く経済不況下での区民生活と教育に関して質問してまいります。  まず、この定例会に出された補正予算において、緊急経済対策事業予算があります。予算案の概要によると、4億8575万円余の補正額となっていますが、この予算の恩恵を受けられる業種、区内産業の分野について、どの分野を網羅した上で予算措置されたのか伺います。  現在の日本は、先進国の中で最悪の財政状態にあると言われております。長引く不況下にあって、財政再建が喫緊の課題であったはずです。大変な経済状況の中、本区の中小企業の操業実態は、超円高にさらされ苦難にあえぎ、仕事をとる条件に大きな負担を強いられており、毎月が経営不安に悩まされ、区が行う金利猶予だけでは先行かなくなっているのではないかと考えます。何よりも仕事が、契約が欲しいのであります。大震災の復興の予算の捻出のためと、野田新政権では消費税の増税が話題になっていますが、区内の金属加工、ものづくり産業は悲鳴を上げているのであります。  9月10日の朝日新聞によると、超円高や国内景気の低迷を背景に、中堅・中小企業の海外進出が加速しているそうです。大企業とともに産業のピラミッドが国外に流出すれば、国内産業の空洞化が現実味を増すことになります。また、ジェトロによると、海外投資の相談件数は、円高が長期化してきた2009年度から増加傾向にあり、今年4−7月期ですが、前年同期比32%増、国別では韓国が3倍、タイ、マレーシアが同2.7倍、ベトナムが同1.5倍となっており、輸送機器や化学、IT系の中小企業が多くなっているとのことでした。以前にもタイへ進出した区内の企業について触れたことがありましたが、タイの子会社が利益を出して、国内の親会社を助けているとの話をさせていただきました。製品にかかる関税がある、なしで価格に反映してしまうのですから、売り込みの条件で勝負にならなくなるのは関税がかかる国産品であり、かからない製品で勝負できるのがタイ生産品となり、国内でつくりにくくなっているのが実態です。  従来より区が提唱されている大田区のものづくりとは、金属加工の分野と認識を持ってきましたが、この業界に対する緊急経済対策の手だてはいかが考えているのか。区内のほとんどの中小零細企業経営者の方たちは、安い労働力を求めたくても海外進出もできず、運転資金の確保に苦慮しながら我慢を余儀なくされているのが現状ではないかと思いますが、区において感じられていること、今後の政策などがありましたらお答えください。  長引く不況において、経営が悪化の一途をたどっているお話でありますが、そうなれば生活が苦しくなるわけであります。工場は借りていて家賃が発生します。住まいも借りていれば家賃が発生します。固定費がかかり、家計を圧迫するのですが、大田区では以前より工場アパートの手当てをいろいろな形式のもと、区内業者に提供してまいりました。BICあさひに当初から入所して、成功された企業から取り組みの結果など、お礼と報告の手紙をいただいたことがあります。大田区ならではの事業だと、かねてより工場アパートのあり方、産学連携施設と区民に喜んでいただいています。  また、住まいというと、区営アパートとなるわけですが、公営住宅の入居希望者の増加は必然的であると考えますが、最近の希望者数や倍率などはどうなっていますか、お答えください。  区営住宅は公募して、応募してきた区民の方たちを公開抽選において当選者を出しています。当選した区民は資格審査を経て、空き家が出るまで待たされます。待たされているうちに、時間の経過とともに当選してから1か年がたちますと、その当選の権利は無効となります。昨年運よく当選された方が、待ちくたびれて不安になり、私のところに相談の電話をかけてこられました。伺ったところ、昨年10月募集の空き家募集の当選者の方だったのであります。住宅課では、予定のところがまだ空いていないと、居座られているケースについてもこの中にあることが報告されました。空く予定を見込んでいるのは、過去のデータも使って算出しているようですが、民間では空けるとなったら1か月前に不動産屋に通知するのが当たり前で、何があろうと出ると通知したら決められた日には出ていると思います。区での事務手続は、家賃滞納者でも平気で居座り、明け渡さずにいる住民を放置に近い状態にしているとしか思えません。民間の感覚では理解できないのですが、このようなことを区はどのように受け止めているのかお答えください。また、今まで当選をしたが入居できず、さらに当選の権利が無効になってしまった区民の数についてもお答えください。  空き家が出るまで手続を待たせるのであれば、住宅が空いた暁に募集し、当選者の区民は希望どおり確実に入居ができる、その方が正義があり、区民を欺くことにならないのではないかと考えますが、現行での当選の権利が無効となるような事業のあり方は問題で、改善するべきと考えますが、いかがお考えかお答えください。  防災関連について質問してまいります。  3月11日の金曜日、あの東日本大震災が発生いたしました。早いもので半年がたち、ちょうどきょうと同じ区議会の本会議の最中だったわけです。その日、私は夕方近くまで庁舎にいて報道にくぎづけでニュースの番組を見ていたのですが、どうしても車で神田消防署近くまで行かなくてはならないことになりまして、5時過ぎ愛車のトラックにて出かけました。大田区体育館のところから国道15号線上り車線に出るところまではよかったのですが、その後、車がほとんど流れず、2時間以上かかって品川の東側海岸通り港南口にたどり着きました。そこにあったレンタカー屋さんでは、電車で帰れないので、グループで車を借りている人たちも含め長蛇の列でした。私は自分のわかる範囲で、頭の中のナビで道を変えてはまた曲がりと、空いているところや道を探しながら、やっと秋葉原の神田消防署近くの目的地に着いたのは午後10時半ごろになっていました。テキスト資料を受け取り、トンボ返りで戻りました。そのときの道中、交差点には車が双方から突っ込み、交通整理がされておらず、交通麻痺状態でした。区内の幹線道路の交差点も車であふれ、警察署や消防署の前も、本来緊急車両が出動していく際、邪魔にならないようスペースを空けるようになっていますが、すべて渋滞の中でありました。交差点に警察官の姿が見られませんでした。  区では、昨年の12月2日に実施した総合防災訓練でのあり方が、大震災の折、大いに役立ったと第2回定例会で答弁されました。確かに駅前滞留者の方たちに対する対応はとてもよかったと思います。12月の訓練では、本部長のもとへ協力企業等から状況報告がもたらされていたと思いますが、実際に災害が起こってしまった中では予定どおりにはいかなかったのではないかと思います。特に、今日まで区内の所轄警察署や警視庁など、道路管理者からの震災時におけるコメントを聞いたことがなく、私だけが知らないのか、交差点の道路が麻痺状態だったことを考えると、大田区に対し何らかの報告があったのか気になります。幹線道路の路肩に災害時には緊急車両が通ります。一般車両は通行どめとなるような看板が以前より立っているのを目にしていますが、何の役にも立っていないのであります。警察の教訓の中での話がなければ、災害時にはまた同じことになると思わざるを得ません。状況報告について話があったのか、お聞かせください。  私は当日、環8、産業道路、第一京浜国道、第二京浜国道と車を偶然走らせなくてはならない所用があり、トラックを一晩中運転する羽目になったのですが、幹線道路ばかりを走行したのではなく、わき道も多く利用しました。区道など、わき道には渋滞がほとんど見られませんでした。そうした経験の中で心配したことについて質問いたします。羽田の防災船着場であります。この事業は松原区長の肝いりの事業であることを承知いたしております。将来的に災害が起こったとき十二分に活用されることを願っているところですが、先ほど申し上げたように、幹線道路はことごとく渋滞のパニックであり、とても通行を期待できるものではありません。船着場の設置予定の場所は天空橋と弁天橋の間の空港側の護岸寄りと聞いております。橋梁の下と水面までの高さや荷揚げに使う道路とあまり条件がよくないようにも見受けられますが、区や東京都が設置をしてきた防災桟橋などとともに、どのようなネットワークを描いて今構想に至ったのかお答えください。  また、今回の大震災は津波による影響が甚大で、多くの国民の生命と財産がのみ込まれ奪われた災害となりました。先ほどの質問でも触れた防災桟橋には、津波や水害といった観点からも役に立ってくれるものと期待をするのですが、ふるさとの浜辺公園の横にも防災桟橋が存在しています。東京湾で想定されている津波や水害といったレベルが、どれほどふるさとの浜辺公園などに影響を及ぼすものとなっているのか懸念されます。浜辺を造成するとき、一度の砂入れで完成したのではなく、潮の満ち引き等で砂が沖合に引き込まれ砂浜の面積が小さくなったりと、数回にわたり浜辺の砂を補充していたと思いますが、造成時の構造上、地震や津波の影響を受けるのではと心配します。実際、今回の大震災が発生した折、液状化現象があったと聞いております。浜辺の砂が流出して震災時の桟橋までの航路をふさぐといった心配には至らないのでしょうか、お答えください。  水害については、もう1か所心配なところが、大森南二丁目に建設予定の森が崎保育園であります。ここは森ヶ崎下水処理場から数百メートルの地点で、呑川の河口域にも近く、河川のはんらんや津波が発生した折には水害を受ける確率が高い場所として把握をしておかなくてはならないと考えます。通常、保育園舎は2階建てであり、2階の床の高さは3メートル程度ではと考えます。まだ園舎は建っておらず、これからの建築工事ですので、3月の大震災前の設計に基づき建築がなされていくものと考えると、この半年間で明らかになった大震災のもろもろの備えに対する問題点や教訓を無駄にすることなく、設計の中身を精査されるべきで、水害に対する備えをお願いしたいのですが、いかがお考えかお聞かせください。はいはいしていたり、1メートルも身長がない乳幼児の生命をしっかり守っていかなくてはならず、あのときこうしておけばよかったといった後悔をしないための備えや考え方をお示しください。  防災まちづくりについてお伺いいたします。  冒頭お話ししました3月の大震災の当日、大渋滞をしていました第一京浜国道、産業道路、そして環状8号線に囲まれた、いわゆる三角形をしている地域の都市計画についてであります。先日の2日に審議会が行われ、都市計画決定がなされたようですが、私は、このエリアに対し本当に網かけをしなくてはいけなかったのかと疑問を持っています。このエリアに建っている建物には、かなり古い建物があることは承知しています。建て替えを考えているご家庭もあるでしょう。そんな中で、昨今の建築資材で活用されている製品の多くは、耐火性を追求した品物が大半であります。今どき建物の外壁を板など木材を町なかの建物に使用するような建築屋さんはいないと思います。また、住宅展示場などで見られる建物のサンプルも、外壁を木材で施工している建築は一棟も見たことがありません。近所の家などではコンクリートの打ちっ放しの家があるくらいです。要するに、自分の家について建て替えを考える人は、ほとんど耐火性を意識して間違いなく建てるということなのであります。東蒲田、大森中、北糀谷といった地域は古い建物が多く、ほとんど木造住宅であります。昔、東京湾の埋め立てで漁場が奪われ、その保証金で海苔の乾燥場に木造の2階建てアパートを建てた海苔屋さんが多くおられました。まだ一部アパートが残っていまして、住んでいる店子さん住民がいます。  そのようなまちの様子ですが、それぞれの地域には当たり前のように電線が走り、電柱がずらっと立っているのであります。このたびの都市計画でなされたことは、火災時の消防車両の通行や消火活動の便宜を考えて道路幅員の確保が図られたもので、それに合わせて建物壁面を後退させるというもの。今回のような計画を考える際、道路を狭くしている電柱のことは、どう始末、整理していく計画なのか全く知らされなく、以前私の地域の東蒲田で、狭あい道路で防災上危険な箇所について改善していくために、建物の建て替えの際、セットバックや角地なら角の隅切りといった働きかけが行われたところがあり、建物の角と敷地は隅切りされ、協力していただいたお宅があります。そこに立っている電柱は公道から入っていったクランク型道路の角にあり、電柱は抜かずにそこに立っています。ここでの隅切りの目的は何であったのかと思わざるを得ないのであります。まずは、ここの場所についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。  そして、狭い敷地に家を建て、住んでいる地域のご家庭に対し、壁面を後退させる都市計画をしたことに対し、電柱の地中化が先ではと考えるのでありますが、区としてのお考えをお聞かせください。大津波と地震で電柱がなぎ倒されてしまった東北の各地ですが、これからの復興復旧に当たり、ぜひ電柱は立てず、電線の地中化を進めていってほしいと考えます。  教育について伺います。  先日、我が会派の塩野目議員より教科書採択に当たり大賛意の発言があり、私も教育委員会委員の皆さんへの敬意を持って、尊重する立場から質問いたします。  全国的に来年24年度以降、公立の中学校で使われる教科書の採択が行われ、それぞれの自治体において様々な出版社の教科書が選ばれました。その中にあって最も注目されたのは歴史教科書であり、出版社により異なった表現により、大東亜戦争以前の日本や日本の軍部、軍隊が行ってきた事柄など、どのように子どもたちに伝えようとしているのか大きな注目がされてきていることを実感いたしたところです。この中で大田区が採択された育鵬社の教科書は、特に内外に反響を及ぼす出版社のものでした。実際に教育委員会が育鵬社を採択した日の夕方5時になる前でしたが、大田区の韓国民団幹部の数名の方が我々自民党の部屋に抗議に見えたのでした。たまたま当時、私しか在室しておらず、抗議文らしきものを受け取ったことがありましたが、国の文部科学省の教科書検定に合格した書籍の中から選択しているもので、抗議されても困ることだと思いましたが、反応の速さに驚いた場面でありました。  国内では、同じ育鵬社の教科書を正式に採択をしておきながら、不採択にした自治体があるようですが、私は教科書そのものをよく目を通し読んだわけではないので、細かなことまでまだ理解しておりませんが、近年感じていることは、日本人でありながら日本の文化や日本古来のもの、歴史など、また国旗や国歌を大事に思わない国民が増えていることに危機感を抱き、これからの日本の創造に対し憂慮しています。改めて、国を愛し、同じ国民同士、文化や歴史を理解し合い、領土問題を含め大事に思う人間を育ててほしいものだと考えます。  去る7月26日の火曜日、午前10時30分、千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑に出向きました。大田区から10名ほどの参加者でしたが、他区からと神奈川県からも同じように見えておりました。ロシアのイルクーツクにて遺骨収集された16頭の遺骨が帰ってきたので、お迎えに出席いたしました。きちんと終結していない戦争のつめ跡の存在を感じるに至り、国を思い戦い、帰りたくても帰れずにいた多くの国民の存在があることを無念に思い、そういった方たちに対しても、国民として人を大事に思う心、国を大事に思う心をしっかり育てることは大事なことで、今の若者やこれからの日本の行く末をゆだねる子どもたちへ、正しい情報をもとに、しっかりとした前向きな子どもや若者たちを日本人として育てなくてはなりません。  今回の育鵬社の教科書採択には、教育長をはじめとして、法律の専門家の教育委員長、教育者の代表の委員、地域で子どもの健全育成をしている方たちの代表者、保護者の代表者、医療関係の代表者とそれぞれの立場において判断された結果であります。教育委員の総意として、自信を持ってこれからの大田区の子どもたちに勉強させたい正しい情報をもたらせる、学ぶべき内容が最もふさわしいと評価されたのだと思います。その教育委員の思いがしっかりと教育現場で反映されなくてはなりませんが、どのように考え準備していくのかお答えください。また、今回の教科書は当面何年活用されていくのかお聞かせください。  太平洋戦争の末期に行われたという特攻について、教科書の中でも紹介されているそうですが、九州鹿児島県の現在南九州市となったところにある知覧ですが、ここに戦時中基地があったようです。知覧基地の跡には記念博物館があります。教育長もご存じかと思いますが、この近くには史跡も多く、江戸時代の薩摩藩の家臣の郷士が住んでいたふもとが存在していて、多くの観光客が訪れています。また、この記念館には特攻隊員として出撃していった若者の多くの遺品が展示されています。それは、あすの日本の繁栄を期待し、そのために役に立つことを願い戦い、一方では、これから命を落とすことを目前に、母親や家族に対する思いを手紙にしたためたものが多く展示されています。私は以前、視察の途中立ち寄ったので覚えているのですが、その際、遺品の手紙などを読んでいるうちに涙が出てきていることに気がつきました。生まれた時代によって運命が大きく左右したわけですから、自分たちの現状や現代のありように後ろめたさがよぎる人もいるのではと感じさせられました。ここでは多くの中学生の修学旅行の生徒たちにも出会いました。生きた教材として、学校の教科書で見て聞いた歴史を、本物を確認できる場所だと思いますが、本区の中学生の修学旅行先に九州を加えてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。従来より、陸路にて新幹線を利用して京都、奈良が定番でありますが、今後は広く日本の歴史を学ばせるといったことで検討していただきたいと思います。  また、日本にとっての戦争のつめ跡といったら、やはり原爆による被爆国であることだと思います。関東の学生が訪れる旅行先は、原爆の関係では広島になるかと思いますが、長崎の原爆平和記念館や記念公園もあります。幾度か私も訪れましたが、いつも結構な人々が訪れているように見受けます。長崎市も多くの歴史的資源が多く存在するまちで、九州は全般にわたって文化財が豊富なところと考えます。大田区の中学生は、代表の生徒だけでありますが、海外派遣事業でアメリカセーラム市へ行ったり、また今年度からドイツのブレーメン市へも訪問しました。参加できた子どもは空港での出国や入管の手続の体験や、厳しいセキュリティーの体験などができますが、その他の生徒たちはそういった体験はできません、大田区は羽田空港を抱えている自治体なのに、中学生の子どもたちは空港の利用体験が得られていないのです。区内に空港を抱えている自治体です。子どもたちに豊かな経験の機会を与えられないかと思うのですが、いかがでしょうか。都内の中学校で飛行機を使っての修学旅行を実施している学校はどれほどありますか、お知らせください。  ちなみに九州佐賀県では、修学旅行の誘致を行っています。生徒一人ひとりに対して往復交通費の一部補助を行うことでアピールをしているようですが、今後の歴史を学ぶ機会と、羽田空港を抱える大田区だからこそ、独自性のある施策を持って、子どもたちに海外だけでなく日本の多くの歴史、文化を見て知って学ぶ機会を多様に考えていただけるよう検討のお願いを再度申し上げ、すべての質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎津村 経営管理部長 私からは緊急経済対策についてのご質問にお答えいたします。  緊急経済対策がどの区内産業分野を網羅しているのかとのご質問でございますが、緊急経済対策事業に係る補正予算案につきましては、厳しい経営環境に直面している区内産業を幅広く支援し、下支えすることを基本的な考え方としております。公共工事につきましては、緊急性、必要性とともに、区内業者が受注可能な工事であること、建築、電気、機械、塗装、土木といった様々な業種を対象とすることに配慮をしております。また、区内中小企業の資金面からの支援策といたしまして、大田区小規模事業者経営改善資金利子補給制度の創設、工業ではものづくり新製品・新技術実用化緊急支援事業、商業では個人消費の喚起と商店街振興を図るためプレミアム付商品券助成を計上し、商業、工業、サービス業など幅広い産業分野を視野に入れた内容となっているところでございます。私からは以上でございます。 ◎宇佐見 防災・危機管理担当部長 3月11日の地震発生時の警察の対応についてのご質問ですけれども、当時警察の対応としては、主に駅周辺の滞留者対応と信号機が停電した交差点付近に多くの警察官を配備したとの報告を受けております。地域防災計画では、大震災発生直後は被災者の安全な避難と緊急車両の通行を確保するため、区内のすべての道路について全面車両通行禁止となっております。このため警視庁では、今回の震災の経験を踏まえ、9月1日の防災の日に環状7号線で交通規制の訓練を行ったところでございます。今後、訓練結果の検討がなされ、適切な対応がなされるものと考えております。以上であります。 ◎伊東 産業経済部長 金属加工業をはじめとする大田区のものづくりへの緊急経済対策についてどのように考えているかとのご質問でございます。今回補正予算で提出させていただいたものづくり新製品・新技術実用化緊急支援事業は、厳しい状況にある大田区のものづくりの維持、発展をねらったものでございます。区内中小製造業者を対象に、実用化に近い製品、技術の開発を支援し、早期に売り上げに結びつく計画について助成をするものであり、製品、技術の市場投入による開発事業者及び金属加工業者をはじめ、区内受注企業への波及効果も見込んでおります。また、企業の提案力や開発力の強化、開発ノウハウの蓄積も期待しており、今後の大田区のものづくり産業を担う企業づくりにつながるものと考えてございます。
     次に、区内中小企業の運転資金の確保についてでございますが、この6月から8月にかけ、東日本大震災や円高、原油高など経済環境の悪化により経営に影響を受けている区内中小企業を対象に、区が全額利子補給をいたします緊急経営安定資金の融資あっせんを実施いたしまして、934件の実績がございました。また、ご審議いただきます大田区小規模事業者経営改善資金利子補給制度の創設におきましては、10月から東京商工会議所が推薦し、日本政策金融公庫が貸し付けを行う無担保、無保証の公的中小企業融資に対する新たな利子補給制度の開始ということで考えてございます。円高など経済環境の悪化に対応するための運転資金の確保は、中小企業にとって大変重要な経営課題であると認識しております。引き続き、国内外の経済動向を注視し、金融機関や関係機関の協力も得ながら、中小企業の円滑な資金調達を支援してまいりたいと考えてございます。 ◎筒井 こども家庭部長 私からは保育園の水害に対する備えについてのご質問にお答えいたします。  まず、森が崎保育園の水害に対する備えでございますけれども、大田区洪水ハザードマップでは、多摩川の堤防が決壊した場合、森が崎保育園の近辺は1から2メートルの深さまで浸水すると想定しております。また、地震による津波の高さは首都圏直下型地震で0.5メートル、相模トラフ震源の場合で1.2メートルという想定でございます。水害の際には、より高い場所へ安全に避難できるようということが何より大事ということでございますので、やはり避難訓練の一層の充実を図るとともに、浸水の程度に応じまして、適切な避難場所を選択できますよう正確な情報を早く入手できる体制を整えてまいりたいと考えてございます。  次に、保育園は2階建ての園舎が多いということで、水害に備えたどういう設計をするのかというご質問でございます。災害の際に子どもたちの安全、生命を守ることは最重要課題であると認識してございます。大地震発生時には、火災の発生に加え津波などの水害も想定されるところですが、火災の発生や建物の損壊により屋外へ避難する場合には、低層階の方がより迅速な避難が可能であると考えてございます。ただ、津波発生が予測される場合には、高い場所への避難が効果的でございますので、保育園舎の場合には近隣の高層の建築物へ園児が避難できますように、近隣の方にも今協力のお願いなどをしているところでございます。  最後に、震災の教訓を活かした備えや考え方についてのご質問でございますけれども、大地震、大震災発生時には火災や津波など様々な災害の発生が想定されますので、そういった様々な事態に対応できますよう、日ごろから準備を怠らないことが何より肝要だと考えてございます。このような観点から、防災備品の一層の充実、また今回なかなか保護者との連絡がとれなかったというようなことがございますので、そういった連絡手段の確保、また防災マニュアルの見直しなども含めまして、保育園の防災対策の強化を検討しているところでございまして、災害時における子どもたちの安全確保に万全を期してまいりたいと考えてございます。私からの答弁は以上でございます。 ◎太田 まちづくり推進部長 私からは区営住宅に関する質問など6問についてお答えさせていただきます。  公営住宅の入居希望者の実態についてのご質問でございますが、区営住宅空き家募集の最近の応募状況は、平成20年度は22戸の応募に対して1160人の応募があり、52.7倍の倍率でございました。平成21年度は23戸の募集に対し1114名の応募がありまして、48.4倍、平成22年度は31戸の募集に対して1423名の応募があり、45.9倍の倍率となってございます。  続きまして、公営住宅の当選者の入居についてのご質問でございますが、区営住宅は毎年10月に1年間の空き家戸数を見込んで募集しています。そして、空き家が発生した時点で当選者にご連絡し、資格審査を経て入居手続きを行っていただいております。空き家が出てから募集する場合、抽選して資格審査が終わるまで空き家として確保しておかなければなりません。年1回の募集であれば最長1年間、年2回の募集であれば最長6か月間、空き家のままにすることになります。これは施設の有効活用の点で好ましくないと考えております。空き家が発生次第、住宅をあっせんすることと、登録の有効期間は抽選後1年間であることは申し込みのしおりに記載してございますが、今後は空き家の見込み戸数を十分に精査の上、募集を行ってまいりたいと考えております。また、居住の権利のない方に対しては引き続き毅然と対応してまいります。  続きまして、当選したが空き家が出ずに入居できなかった区民の数についてのご質問でございますが、平成15年度以降で、平成19年度に4名、平成21年度に2名おられました。なお、今年度からは、当選後1年以内に空き家が発生する可能性が低い場合においては、他地区の空き家をご紹介するなどの対応を行ってございます。  続きまして、当選者を希望どおり確実に入居させるべきとのご質問でございますが、区営住宅は現在空き家の発生を見込んで募集をしております。申し込みのしおりにも、空き家が発生次第住宅をあっせんしますと、また有効期間は抽選の日から1年と記載してございます。このため、当選した方に入居できる当然の権利が発生するという考え方はとっておりません。資格審査で失格となる場合もありますし、当選しても空き家が出なければ入居することは困難であると考えております。先ほども申し上げましたとおり、今後は空き家の見込み戸数を十分に精査の上、募集を行いたいと考えております。  続きまして、羽田の防災船着場の設置場所にかかわる周辺橋梁下の高さや荷揚げに使う道路の問題を踏まえた、他の防災桟橋とのネットワーク構想についてのご質問でございます。大田区地域防災計画では、現在防災船着場として7か所の舟艇接岸箇所を計画しており、災害時の水上輸送ネットワークとして、これら7か所をつなぐ河川や運河を想定しております。ルートとなる海老取川や呑川などには、ご指摘のように多くの橋梁があるため、区としましては、中小型船舶による機動力を活かした水上輸送ルートの確保を目指しております。災害時には幹線道路などの陸上輸送が一時的に機能しなくなることが予想されます。とりわけ発災直後には水上輸送の確保が重要となると考えております。具体的には、けが人の救急搬送や緊急物資の輸送、災害対策要員の移動などで大きな役割を果たすものと期待しております。  次に、隅切りに協力したのに電柱が残っているとのご質問でございますが、角敷地の隅切りにつきましては、東京都建築安全条例第2条で一定の要件の場合整備することと定められてございます。新設した隅切りの前後に電柱があり、隅切りの効力を発揮できないような場合、電柱の管理者である東京電力、NTT東日本に移設を打診します。ただし、上空の配線の関係などのために直ちに移設することは難しいとの回答を受けることもございます。また、私道の狭あい道路の場合には、私道の所有者が電柱の管理者に移設の打診を行うこととなります。ご質問の箇所につきましては、現在の状況を確認して対応してまいります。 ◎杉村 再開発担当部長 電柱の地中化のご質問でございます。大森中をはじめとする地区計画について、ここは家の改築時にセットバックによる道路拡幅を行うものではなく、6メートル未満の地区防災道路沿道のみ、壁面後退による空間の確保をお願いするものでございます。その中で電柱の地中化を先にやってはということでございますが、この地区計画とは連動しておりません。この地区もそうなんですが、電柱を地中化するにはトランスを地上に置かなければいけないという問題等もあります。ただ、地区防災道路沿道での建て替えの状況などを踏まえつつ、地域にお住いの方々のご意見も伺いながら、関係機関に働きかけてまいりたいと思っております。私からは以上でございます。 ◎赤阪 都市基盤整備部長 私からは大森ふるさとの浜辺公園の災害時の影響と砂の流出についてお答えいたします。  大森ふるさとの浜辺公園は、東京湾でも内陸の奥まった部分に位置しておりますので、津波などの水害による影響は起こりづらい地形と構造になっております。また、航路の確保の問題でございますけれども、海上公園、干潟と浜辺の部分、そこと航路につきましては、海の中に堤防を設けて区分しております。このような関係から、今までの範囲の津波等では、桟橋までの航路に砂の流出はないと考えております。今後とも水害等に対して注意深く目を配り、利用者の安全で快適なご利用をいただけるよう、砂の適正な管理に心がけていきたいと思っております。以上です。 ◎金子 教育総務部長 私からは教育に関する質問についてお答えいたします。  まず、採択教科書の活用を教育現場でどのように反映させていくのかというお尋ねでございます。教育現場では、よい授業を実施するために意図的、計画的な深い教材研究が欠かせません。その中でも教科書の理解は重要でございます。そのため、来年度から使用する教科書を早急に各学校に配布するとともに、研修会を開催する予定でございます。また現在、今回採択された教科書に基づいて教育課程編成資料を各教科の専門委員が作成しております。12月の授業改善セミナーでは、作成された教育課程編成資料を教科ごとに説明し、その後、学校ごとに指導計画を作成いたします。こうした準備の上で、教員に対しても、教科書を活用し充実した授業が行えるよう指導してまいります。  次に、採択教科書の使用期間についてのお尋ねでございますが、このことにつきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第14条によりまして、4年と定められております。  次に、知覧博物館等、九州を大田区の中学校の修学旅行先にいかがかとのお尋ねでございます。中学生に平和な生活を築くことの大切さを気づかせるときに、戦争について事実に基づいた正しい理解を図ることは大切でございます。知覧特攻平和会館を見学し、命の尊さについて考え、特攻隊員の思いを知ることや、このような悲劇を生み出す戦争も起こしてはならないという意識を持たせる教育的な価値があると考えます。しかしながら、旅行先にするかにつきましては、学校が現在実施しております修学旅行の費用面での比較や、知覧特攻平和会館以外の周辺地域にある学習素材、現地への交通手段など、総合的に判断する必要があると考えております。  次に、中学校の修学旅行で飛行機を利用した日程としてはどうかというご質問でございます。修学旅行の実施に当たっては、私費会計で実施していますので、極力家庭の経済的負担を考慮して計画するよう指導しております。輸送手段として利用する新幹線も、一般車両ではなく割引される団体専用列車を利用しております。各学校が現在実施している費用との比較や旅行先の学習素材の価値などを総合的に判断して、より充実した修学旅行が実施できるよう指導してまいります。  また、都内の中学校での航空機の利用についてのお尋ねでございますが、杉並区立中学校1校が、昨年度と今年度飛行機を利用して佐賀県に行っております。佐賀県から助成金5257円を受けて、保護者負担分は約6万円で実施していると聞いております。私からは以上でございます。 ○高瀬 議長 次に、33番岡 高志議員。                  〔33番岡 高志議員登壇〕(拍手) ◆33番(岡高志 議員) 大田区議会民主党の岡 高志です。私は、子を持つ親として、「子どもたちの明るい未来のために働きます」というスローガンを掲げております。このことは、親たちが持つ将来の財政悪化懸念を和らげた上で、働きやすい社会、子どもを育てやすい社会をつくろうとすることと同義であります。区長がおっしゃられた財政の健全性維持の方針は大変重要なことです。また、待機児童解消を区長の公約でも掲げておられ、働きやすい社会を後押しするものであります。足元では、平成26年度までの保育サービス定員目標も早期に達成して、25年度までの3年間でさらに保育サービス定員を1000人増加させる3か年プランは評価できる内容です。  ところで、財政の健全性維持を志向しておられる中で、おおた未来プラン10年を維持し続けるのでしょうか。私は、保育園での保育を否定するものではありませんが、財政支出の比較的低い保育ママ制度を周知して拡大することは、財政的なメリットがあるだけでなく、地域力の育成にも資すると考えますが、いかがでしょうか。  また、待機児童は、ご承知のとおり、0歳、1歳に多いわけですから、その期間だけ自分で子どもを育てることを奨励するのはいかがでしょうか。育児休業制度を活用すれば、ビジネスキャリアを中断させることなく子育てを楽しむことができます。育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第5条第1項及び第3項によれば、労働者は、その養育する子どもが1歳になるまで育児休業を取得することができます。企業によっては2歳、3歳と法定期間以上に設定しているものもあり、さらに、地方公務員の育児休業等に関する法律によれば、地方公務員は、その養育する子どもが3歳になるまで育児休業を取得できます。単に保育園を増設するだけではなくて、育児休業制度の活用による待機児童解消が財政の健全性維持の方針に親和的であります。また、おおた未来プラン10年でも打ち出されているワークライフバランスの推進及び男女共同参画の推進にも資するものと考えております。  雇用主である企業に対して、大田区として強く働きかけることで、育児休業のしやすい環境を醸成していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  一見、一基礎自治体では企業に対して影響力がないと感じられるかもしれませんが、平成17年の国勢調査によれば、大田区の就業者34万人のうち自宅外の大田区で働く人は14万人と4割を超えます。これは23区の平均値が12%ですので、非常に高い割合でございます。  昨日の森議員の民主党会派代表質問では、障がい者雇用に言及しております。育児休業制度の取り組みなどについても、大田区との契約企業に義務づけすることで効果があると考えております。ぜひとも、入札参加条件や入札評価に盛り込んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  重ねて申し上げますが、私は保育園での保育を否定するものではありませんが、せっかくの保育サービスも内容によっては宝の持ち腐れであります。2人のお子さんを別々の保育園に預けることになったお母様から、2人のお子さんを同じ保育園にするための転園を容易にしていただきたいといった声をいただきました。保育サービス課の説明されるとおり、複数子どもがいるからと優遇できない事情も理解はできますが、朝夕と2か所の送迎を自転車でしながら働くお母さんの思いにもぜひこたえていただきたい。  大田区は、3人目以降の子どもの誕生に対して出産一時金を増額している数少ない自治体であり、多くの子どもを育てる家庭を支えることで少子化対策の一助としようという趣旨がございますので、保育園に複数の子どもを預けるに至った家庭への指数加算の追加等の積極的な対応を要望いたします。  次は、大田区の教育についてお伺いいたします。  先の私の選挙の選挙公報や政策資料において、「ナンバーワンじゃなきゃダメなんです」として、金メダリストを大田区で育成すること、そして区民に大田区に誇りを持っていただくことを主張しておりました。今回、区民栄誉賞を受賞されたなでしこジャパンの丸山桂里奈さんの例を出すまでもなく、金メダリストが地域にもたらす影響は大きなもので、区民に喜びを与えております。区民のスポーツ振興によい影響をもたらすことは疑いがありません。頂点を高めることですそ野を広げる、そういったスポーツ振興に大田区でも取り組んでいただきたい。  話はそれますが、丸山桂里奈さんが今回のオリンピック予選の最終戦でけがをされたことは心配でなりません。じっくりと回復されることを一区民として心より願います。  そして、今回質問させていただきたいのは、区立学校の教育であります。せっかくスポーツ分野での活躍を区民が誇りに思うことができても、区立学校の学力水準が低ければ、区民の大田区への誇りは低下することでしょう。義務教育を受ける権利は憲法第26条で保障された大切な権利でございます。特に、大田区においては区立の小中学校の教育を充実させる責務を負うわけです。先ほど述べたスポーツの振興よりも積極的な取り組みが求められる分野です。  平成22年度決算によれば、大田区の教育費は210億円と歳出全体の10%にも満たない。これは他区と比較してあまりにも少ない割合であります。他区との比較を容易にするために、平成21年度決算ベースで教育費に児童福祉費を加えました金額に15歳以上人口で除した金額を算出しましたところ、実に大田区では子ども1人当たり年額約68万円、隣の品川区では138万円、目黒区では95万円、世田谷区は70万円、人口が近い練馬区は83万円となりまして、我が大田区の子どもにかける支出が小さいことがわかります。さらに、大田区の教育関連として話題の中心には建設中の総合体育館があり、また、伊豆高原学園の建物購入費として約29億円、18年間の運営コストとして約17億円、総額46億円の債務負担行為が今回の補正予算に上がっております。そうした施設建設だけでなく、学力の質向上のために資金は配分されてしかるべきです。  もちろん、小さな投資で大きな効果が生まれていればよろしいのですが、残念ながら大田区の学力は他区と比べて著しく低いと言わざるを得ません。平成22年度の東京都教育委員会児童・生徒の学力向上を図るための調査によれば、大田区の小学5年は、理科を除くすべての科目の平均点で東京都平均を下回ります。算数では大田区51.8に対して、隣の世田谷区65、品川区57、目黒区65と大きな差をつけられています。大田区の中学2年生は、全5教科で東京都平均を下回る。理科は大田区38.2に対して、隣の世田谷区44、品川区42、目黒区45、英語は大田区51.6に対して、隣の世田谷区61、品川区54、目黒区63と、やはり大差をつけられております。前回の定例会でも質問いたしましたが、国際都市を標榜する大田区の英語教育の結果としては大変残念なことでございます。  また、区内の学力を精緻に評価するツールが大田区学習効果測定であり、学力向上アクションプランでも重点項目とされています。期待正答率に対して大田区の平均正答率は、特に中学校において押しなべて下回り、区の学力の低さが読み取れます。各校の授業改善プランの中でそれぞれの実績、分析、対応方針のPDCAがまとめられております。特に学力の低い学校においては、教育委員会からも予算、人についてサポートしなければならないでしょう。この点に関しての対策をお聞かせください。  ところで、各校の公表している授業改善プランは、それぞれに期待正答率や区平均値との違いを説明しており、大体の各校の学力が見てとれるわけです。とはいえ、単に平均を上回ったか下回ったか、そういった説明で、十分には数値化されておりません。そういった意味で大変読みにくい内容になっております。大田区学習効果測定を活かした学力向上のためには、そうした数値を網羅的に整理して、学校ごとの戦略的なサポートを教育委員会が行わなければなりません。そして、開かれた学校教育として、区議会議員並びに区民もそうした大田区学習効果測定の各学校ごとの結果を共有することで、大田区の学力向上が図れるものと考えております。教育長も本年度第6回の教育委員会定例会で発言されていらっしゃるように、放射線の問題を通じて具体的な数字を示すことの説得力を認識されたことと思います。  大田区学習効果測定の学校別の平均点も開示していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。これからの世代を支えていく義務教育の質の向上は大変重要な政治課題であります。その認識を共有していただき、真摯に対応していただきたい。  以上で私、岡 高志からの質問とさせていただきます。これからの子どもたちの未来、すなわちこれからの大田区を見据えたご答弁をお願いいたします。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎杉坂 総務担当部長 私からは、入札参加条件の一つに育児休業制度を盛り込んではというご質問についてお答えを申し上げます。  先ほど柳瀬議員のご質問にもお答えをいたしました総合評価落札方式というものでございますが、具体的には、価格評価点と技術評価点の合計点数が最も高い者を落札者とするという特別簡易型の入札方式でございます。現時点では、技術評価の評価項目といたしまして、企業の施工能力、配置予定の技術者の能力、地域貢献等を点数化して盛り込んでいるところでございます。ただいま議員にご指摘いただきましたように、この評価に新たな項目を盛り込むことにつきましては、評価に当たっての技術的な問題、あるいは実効性の検証など、今後の総合評価制度への取り組みの中で総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。私からは以上でございます。 ◎筒井 こども家庭部長 それでは私から、保育ママ制度を周知して拡大すべきではとのご質問にお答えいたします。  保育ママは、区長の認定を受けた保育士などの資格をお持ちか、育児経験のある方で、自宅などで2歳未満の児童を2名から3名程度保育する制度でございます。家庭的な雰囲気の中で、子どものペースに合わせてきめ細やかな保育を行っていただいており、待機児解消に対しても効果的であると考えてございます。このため、区報やホームページにより広報を行っているところでございますが、ご指摘のとおり、さらなる周知に取り組み、拡大を図っていくことが必要と考えております。10月にはシティーニュースおおたでグループ保育室の様子を放送する予定になってございますが、今後とも様々な機会をとらえて制度の普及に努めてまいります。  次に、育児休業の取得しやすい環境を醸成してほしいというご質問でございます。平成19年2月、国により仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスについての憲章と行動指針が決定されました。雇用環境におきましては、休暇、休業制度の周知、事業主による理解と協力、働き方の見直し、父親の育児休業の取得促進などが求められているところでございます。大田区といたしましても、大田区次世代育成支援行動計画・後期行動計画の個別目標に掲げているところでございまして、情報誌による広報やセミナーの開催等を通じましてワークライフバランスの普及啓発に今後とも努めてまいります。  私からは最後に、保育園に複数の子どもを預けるご家庭への対応についてお答えいたします。  保育園の入園、転園の申請に際しましては、申し込み児以外の兄弟姉妹が在園中または同時申し込み中で、当該兄弟姉妹がお一人の場合は1ポイント、2人以上の場合には2ポイントの選考基準調整指数を加算しているところでございます。こういった優遇措置もとらせていただきまして、こうしたケースの約85%は兄弟姉妹が同一保育園に在園しているところでございます。今後とも、保護者のご希望に沿うよう努めてまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎金子 教育総務部長 私からは、教育に関する質問についてお答えさせていただきます。  まず、学力向上の取り組みについてのお尋ねでございます。学力向上には、まず教員の指導力向上が不可欠でございます。授業改善セミナーの開催や授業改善リーダーによるモデル事業を実施してまいりました。また、各学校の授業改善推進プラン作成のために、学習効果測定の結果分析に基づく授業改善のポイントを配布しております。さらに、個に応じた指導のために、小学校第3学年以上の算数と中学校英語と数学の習熟度別少人数指導や、算数・数学の学習プリントの活用などを実施してまいりました。  平成21年度から、学習効果測定の期待正答率との開きの大きい学校への支援として、ほかの学校と比べて3倍の時間数の学習指導講師を配置し、基礎的・基本的事項の定着のための放課後補習や土曜補習を実施できるように支援しております。このような取り組みによりまして、学習効果測定中学校数学の平成20年度の期待正答率と区平均との差は、3学年合わせて5.1ポイントでしたが、今年度は1.0ポイントまでその差が縮まっています。このことから、様々な施策の効果は着実にあらわれていると認識しております。  次に、大田区学習効果測定の学校別の平均点を開示していただきたいとの質問でございます。大田区学習効果測定は、学習指導要領に示されている教科の目標や学習内容の区立小中学校児童生徒への定着状況を把握し、各教科の基礎的・基本的な事項が着実に定着したかどうかを検証するものでございます。その結果を、各学校においては、教育課程や指導方法等の改善、充実に活かしております。調査結果における学校別の平均点を公開することは、一面的な数値による学校の序列化によりまして、学校やその学校で学ぶ子どもたちに対する差別や偏見を生じさせるおそれがあり、公開しないこととしておりますので、ご理解をお願いいたします。 ○高瀬 議長 次に、34番馬橋靖世議員。                  〔34番馬橋靖世議員登壇〕(拍手) ◆34番(馬橋靖世 議員) 大田区議会民主党の馬橋靖世でございます。今月11日、甚大な被害をもたらした東日本大震災からはや半年がたちました。先月末、全国で一番被害が大きかったと言われる石巻市に行ってまいりましたが、まだまだつめ跡は深く、瓦れきの山が広がっておりました。人知をはるかに超える自然の猛威に声が出ませんでしたが、同時に被災地では、震災に立ち向かい、懸命に生きようとするたくましい人たちの姿に感動させられました。震災は我々大田区民にも、福島第一原子力発電所の事故による健康上の問題など大きな影響を与えました。また、今は世界的な円高の影響によりものづくり産業は甚大なダメージを受け、大田区の中小企業の多くが苦境にあえいでおります。今回の定例会が大田区に暮らす、そしてまた働くすべての人にとって実りあるものとなるよう努めて、以下質問を申し上げたいと思います。ご答弁のほどよろしくお願いをいたします。  まず、先日、2020年のオリンピック・パラリンピックに立候補したいという考えを表明した石原慎太郎都知事は、「東日本大震災で大きく傷ついた日本をスポーツの力で再生し、9年後には必ずや復興した日本の姿を世界に披露するためにも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを実現したいと思います。」とコメントをされました。まだまだ議論の段階であるとはいえ、もし招致が達成されれば大きな糧となることは間違いありません。また、女子サッカーワールドカップでは、大田区出身の丸山選手を擁するなでしこジャパンが世界一を達成し、大いに日本中を沸かせました。多くのエコノミストが試算をした経済波及効果は1兆円を超えると言われております。スポーツ振興は、もはや趣味や健康増進といった文化的なジャンルから、もっと包括的で戦略的な分野に成長していると言えると思います。  国や都には、これを助長する機関や事業が多数あります。国で言えば文部科学省のマルチサポート事業や、都で言えばスポーツ振興局の設立など、様々な取り組みが行われています。先月施行されたスポーツ基本法も、スポーツに国家戦略として取り組むためのスポーツ庁の設立に向けた動きもあると言われております。  こういった動きがある中、我が大田区でのスポーツ戦略への取り組みはどういった状況でしょうか。現在、スポーツに関することは主に社会教育課の中で担当されているかと思いますが、今後、戦略的な取り組みの中で、新たな部署や局の設立についてはお考えでしょうか。先ほど申し上げましたとおり、国や都と連携を強めていく上で、専門的な機関の存在は必要と考えます。もしお考えにないようであれば、ぜひともご検討いただき、大田区独自のスポーツ戦略と文化の向上に努めていただきたいと思います。  また、関連してですが、スポーツをよりよい環境で行うための整備も怠ってはなりません。私は一貫して学校の校庭の芝生化推進を主張してまいりましたが、現在の大田区での実績は3校にとどまっております。子どもの教育環境改善をはじめ、様々な観点からメリットがある校庭芝生化ですが、同時に、コスト面や運営の手間など、地域の方々の協力なくしては実現しない課題もたくさんあります。しかしながら、昨今の技術改良や他自治体での実績などから、少しずつ負荷を軽減する方法も出てきました。例えばコスト面で考えると、東京都の支援事業があり、一定条件を満たせば本工事費用や調査設計、備品購入費など全額補助を受けられる制度が整っています。  また、3年に1度のエアレーション、これは校庭の土の中に空気を入れてやわらかくする作業でございますが、このエアレーションや、またスプリンクラーの利用、芝刈り機の運用、肥料の散布など、ランニングコストの面でも問題がありますが、例えば芝刈り機については、手押し式であれば10万円以内で新調ができますし、これについても補助を受ける体制もできております。また、肥料の散布については、給食会がつくった無料の肥料を取り入れている自治体もあります。運動によって傷つきやすい芝生でも、新式のポット式と言われる埋め込み法の芝生を活用したり、また野球のマウンドなどの使用頻度の高い部分は人工芝にするなどの工夫をすれば、メンテナンス費用もかなり抑えられるようになります。管理運営の上で人手確保は問題でございますが、やはり地域の方々や教員の皆様の協力なくしては成り立ちませんが、例えば芝を刈る作業は、芝生のにおいを一番に感じられる作業であり、成功している学校ではリピーターが続出をしているそうであります。  大田区でも、おおた未来プラン10年の中に明記をされているように、今後、東京都と連携をして校庭の芝生化を進めたいとし、来年度には雪谷小学校が検討に上がっているという話もありますが、これについては一部の芝生化なのか全面なのか、管理体制はどのようにするのかなど、どういった方法で地域の皆様にご説明をされる予定でしょうか。  課題だけではなく、校庭芝生化には多数のいいことがあります。先駆けて校庭を全面芝生化し、地域連携にも成功している島根県出雲市の大社小学校の元校長もコメントをしていますが、よく遊び、よく学ぶことによって、しっかりとした体づくり、これは頭も鍛えることにつながるというデータも残っております。大田区の子どもたちの学力低下問題も先に取り上げられましたけれども、すべてではありませんが、運動量と少なからず関係をしていると言えるのではないでしょうか。また、まちにおける学校の敷地面積の割合は大変に大きいことから、ヒートアイランド現象の緩和や砂ぼこりの軽減、また子どもたちのヒーリング効果、そして生物多様性への興味促進なども見込めます。さらに大きいメリットは、今回の震災を受け、地域単位での日ごろの連携や管理体制の構築などが、いざというときに非常に重要であることが確認されました。学校やPTA、自治会や商店街など、地域連携の場になり、まち全体で地域の子どもを育てていけるきっかけにもなります。先ほどの大社小学校では、生徒や教員、PTAや自治会の方々などで楽しみながら芝生の植えつけを行ったそうです。  課題もありますが、大田区はまだまだ他区と比較しても実績が少ないのが実情です。全面芝生化をした新宿小学校を訪問し視察をしましたけれども、校庭をはだしで走り回る光景はとても晴れやかなものでした。ぜひとも推進をしていただくよう要望とさせていただきたいと思います。  次に、河川環境についてご質問いたします。  おおた未来プラン10年では、河川の水質浄化に取り組んでいくことが必要となっております。産学官の協働による新たな水質浄化の取り組みとして、しゅんせつ工事や滞留防止及びユスリカの対策を内容として挙げています。東工大に協力いただき、雪谷方面の水質はかなり改善されてきたように感じますが、反面、ユスリカは爆発的に増え、呑川の会のニュースにも、第二京浜国道の上流域、特に石川町、雪谷地区にはユスリカが時期により大発生する。川沿いの道路を歩いたり、自転車で通ったとき、ユスリカの蚊柱にぶつかる。自転車で通ったときに顔は下を向け、口はもちろん、目も半ば閉じるようにして通った経験のある人も多いだろう。大田区では蚊柱の目視調査、ハエ取り紙による調査をしているが、それでも石川町地区、雪谷地区、中でも島畑橋周辺が多い。一般に春と秋に大発生するが、区の窓口にも、通行していると目や口に飛び込んできて困る、家の中に大量に入ってくる、車が汚れるといった苦情が寄せられることがあるそうだと書かれております。  私もまさにこの地区は生活圏ですが、呑川を渡るときは目や口を閉じて歩いています。自転車で通行する際は危険を感じることも多々あります。また、因果関係は証明されていませんが、ユスリカぜんそくという言葉もあるくらいです。ユスリカ問題について、区としては現状をどのようにとらえていますでしょうか。また、今後どのように駆除を促進していく計画でしょうか。  さらに、このユスリカ対策として、橋梁を暗渠化することも有効かと思われますが、いかがでしょうか。今回の震災の教訓として、緊急時の避難場所となる学校の再確認が地域でも行われておりますが、例えば雪谷小学校を避難場所として指定されている地域の多くは、呑川を渡っていくことになります。いざというとき大変な人数が避難するために押し寄せて渡るであろう呑川の橋梁は、今のままの数、幅で問題はないでしょうか。例えば、現在の橋梁の幅を広げたり、暗渠化することでユスリカ問題対策と震災対策ができるのであれば有効的ではないかと考えます。予算の問題もあろうかと思いますが、区民の安全と生活環境の正常化のため、ご検討いただきますよう要望をいたします。  以上、区民の安心で安全な生活環境を守るとともに、スポーツ文化や教育環境の充実など、目まぐるしい速さで変化する時代をリードし、実り多き区政運営のための思いをご答弁をお願いいたします。  また、結びに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎赤阪 都市基盤整備部長 まず、呑川のユスリカ問題の対応についてご質問にお答えいたします。  区では、ユスリカの大量発生を抑えるために、平成21年度から呑川の清掃作業を抜本的に見直しまして、河床を走る河川清掃車を導入いたしました。これによりまして、今までの費用とほぼ同等の費用で、清掃回数を年間4回から43回に増やして、ユスリカ対策の強化に取り組んでまいりました。今後ともいろいろ工夫をしながら、ユスリカ対策に努めてまいりたいと思っております。  続きまして、暗渠化の問題と切り離してお答えさせていただきますが、橋梁の震災対策についてお答えをいたします。  区では、基本計画おおた未来プラン10年の災害に強いまちづくりの施策に沿って計画を策定しております。計画の内容といたしましては、震災時における緊急・救援活動、緊急物資の輸送活動等、被災時の道路ネットワークの機能を確保するために、防災上重要な橋梁を優先対策橋梁として位置づけまして、計画的に耐震補強、長寿命化改善を行っているところでございます。以上でございます。 ◎金子 教育総務部長 私からは、校庭芝生化についての質問にお答えいたします。  芝生化した学校からは、外遊びが増加した、すり傷等のけがが減少したなどの声が上げられておりまして、芝生化による効果があったものと理解しております。また、芝生化することは、環境教育の充実を図り、維持管理を通じ学校と地域との交流を深めることにもつながります。今後、学校や地域からの要望があり、施工する場所や日照などの条件が整った学校を対象に検討してまいります。校庭芝生化を行う学校の選定につきましては、現在検討段階でございます。緑化を希望する学校について、施工場所や日照などの条件を勘案し、芝生化が可能かどうかの検討を行います。  芝生化が決まった場合の地域への説明についてでございますが、芝生の維持管理については、その作業を進める上で、学校と地域が交流を深める貴重な機会でもございますので、地域教育連絡協議会などの場でご理解をいただけるよう説明してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◎佐藤 教育地域力・スポーツ振興担当部長 区のスポーツ戦略の取り組み、また、それに対応する組織のあり方についてご質問をいただきました。議員のおっしゃるとおり、国は今年の6月、スポーツ基本法を公布し、スポーツに関して基本理念を定め、国民生活におけるスポーツの果たす役割の重要性について規定をしました。これを受けまして、区では現在、(仮称)スポーツ推進計画を策定しているところでございます。これまでスポーツに関する計画がなかったために、各部署がそれぞれに施策を行ってまいりましたが、今後は(仮称)スポーツ推進計画を策定することによりまして、区独自の基本理念や目標を定め、スポーツに関する取り組みを総合的、計画的に進めてまいりたいと考えております。組織につきましては、その計画の中の事業内容に応じて検討されるべきものと考えております。以上でございます。 ○高瀬 議長 次に、44番清水菊美議員。                  〔44番清水菊美議員登壇〕(拍手) ◆44番(清水菊美 議員) 日本共産党大田区議団の清水菊美でございます。区民の願いにこたえる羽田空港跡地計画について質問いたします  2011年3月に発表された羽田空港跡地利用に関する調査報告書には、跡地に係る重大な問題が無視されております。羽田空港沖合展開に際し、跡地約200ヘクタールは東京都が取得し、利用計画には地元大田区の意向を十分配慮するという確認書が、1981年、運輸省、東京都、大田区、品川区との間で調印されました。1992年には、大田区はそれを前提にした跡地利用構想エアフロントシティ21を発表しました。ところが、空港の増便、再国際化などを理由に2000年には77ヘクタールに、2007年にはさらに53ヘクタールに縮小され、今、大田区が開発する部分は19ヘクタールと当初の10分の1以下です。また、沖合展開により騒音問題の解消という目標も守られておりません。大田区は、国や東京都の不当な約束違反は許されないという毅然とした態度で空港問題に取り組むことを強く求めます。  跡地の取得についてですが、空港沖合展開事業は、本来、東京都が空港沖を埋め立てて運輸省に売却した利益で跡地を取得する枠組みでした。その羽田沖埋立事業会計には、2001年度末で710億円のお金があったのです。ところが、東京都は、埋立事業会計と羽田沖埋立事業会計を当時数千億円の赤字となっていた臨海副都心開発事業会計と統合し、結果的に跡地取得のための710億円は臨海開発の赤字の穴埋めに消えてしまいました。さらに、跡地開発計画のために、第1ゾーン約19ヘクタールに大田区民の税金200億円とも言われている巨額な支出をするなど絶対に許されません。  質問します。貴重な区民の税金でためた171億円余になっている羽田空港対策積立基金は区民のために使うべきです。土地取得については、あくまでも東京都に跡地負担の約束を確認書に基づき守らせることです。羽田空港跡地計画は見直すこと、自治体の責任は区民の暮らし、福祉の向上です。お答えください。  跡地計画には、ものづくり産業と海外の交流拠点として整備する方向を盛り込んだとなっています。産業支援施設の役割は、大田区ものづくりの強み、国際空港隣接の強みを活かして、人も仕事も金も大田区に入ってくるかのように報告されています。しかし、一昨日の新聞に、円高で輸出市場が縮小する中、日本では生き残れないと、大田区の町工場がタイへ、産業の空洞化の懸念もとあったように、今、区内の高い技術の中小零細製造業は、円高の今、何とかしないと経営が大変、後継者がいない、単価が安過ぎる、再見積もりを出せば二度と仕事は来ないという状況であり、中小企業支援は待ったなしです。直接支援が緊急に求められています。  質問します。莫大な税金を投入する羽田空港跡地計画の産業支援施設や国際展示場は、区内中小企業の支援にはなりません。区がやるべきことは、今こそ区内中小企業等の支援に全力を尽くすことです。お答えください。  報告書では資金調達方法についても書かれてあります。駅前広場、地区内道路、多目的広場、上下水道等の基盤整備に新交付金である社会資本整備総合交付金を活用する。財政調整における特別交付金については東京都等との協議調整が必要になるとしています。産業交流施設の補助は経済産業省と国土交通省の補助を活用する。土地の購入については公共随契で時価売却で購入する。公園、道路は優遇措置が適用される可能性があるが、産業支援施設、駐車場等の部分はそれらの可能性は薄いとなっています。土地購入の大田区負担分の金額は報告書には明記されていません。  展示場の運営については、利用者数を通常時5500人、ピーク時2万4300人とし、PFI方式で民間の活力を活かすとしており、収入と支出を相殺し、剰余金が出る試算になっています。首都圏には東京ビッグサイト、幕張メッセなどのコンベンション施設がありますが、報告書では、利用者を羽田空港に近いという立地条件を活かしてスイッチさせると書かれていますが、不況や大震災後の利用者が減少している中、人を呼び込むことができるでしょうか。机上の計算、とらぬタヌキの皮算用と言われかねません。  質問します。土地購入、基盤整備、大型展示場、産業交流施設等の費用は、補助金や財政調整金等を活用することで大田区負担分は少なくなると言われておりますが、いずれも国税、都税であり、血税が使われることには変わりありません。東日本大震災後の復興に莫大な費用が必要なときに、税金の無駄遣いは許されません。大田区税の投入は初期投資だけでなく、運営の維持費、ランニングコスト、景気の動向の変化で事業が破綻した場合など、後世にまで大きな負担を負わせることになります。羽田空港跡地計画は見直し、多くの区民が願っている地震、災害時の避難の地域に、当初の予定どおり緩衝地帯として、最少の費用で、とにかくお金をかけないでなどの声にこたえるべきです。お答えください。  跡地利用の経済波及効果については、最も区が適していると考えている大型展示場を含めた産業支援施設B案では、整備段階で生産誘発効果として307億1000万円、雇用は3260人と報告書に書いてあります。これは予測です。大規模施設建設となれば大手ゼネコンが仕事をすることになります。下請の仕事で働く労働者の雇用が区内に回ってくるでしょうか。施設のメンテナンスも運営も民間に委託されれば同様です。今、空港で働く人数は3万人を超えていると言われていますが、契約社員、非正規、アルバイトがほとんどです。低賃金、不安定雇用の労働者が増えても景気はよくならず、税収も増えません。ターミナルビル内に区内の商店は入っておらず、空港内に出入りしている区内業者も、例えば地元の弁当屋さんなど激しい低価格競争に巻き込まれています。  京急蒲田駅東口にある産業プラザPiOは、受発注相談、商談会、展示会等の開催を通じて、区内の中小企業の販路拡大や取引促進を強める場として区内中小企業に活用されています。跡地計画の産業支援施設は、このPiOの7倍から8倍にもなります。結局は大企業や大手イベント会社が使うことになるでしょう。国際展示場や大型施設は、区内中小業者のためのものでないことは明らかです。それよりも、今ある施設、産業プラザPiOをもっと使いやすくする、利用料の減額などで区内中小企業を支える努力が求められます。さらに、羽田空港に来た区内企業との取引を求める人々を区内に呼び寄せることは、地域への経済効果、地域観光の活性化になります。  報告書の経済波及効果は、委託業者の計算した予測を当てにしています。区はこの間、蒲蒲線計画の調査を何度もやり続けていますが、需要予測が調査するたびに変わっています。予測は当てにならないことを証明しています。過大な予測に基づく大型開発が次々破綻している例は全国にあふれています。  最後に質問します。厳しい財政運営と、区民の暮らしに係る事業は廃止や削減をしているときに、なぜ莫大な税金を投入し、見通しも不安定な羽田空港跡地計画は進めていくのでしょうか。区民のためにならず、大企業やゼネコンのための大型開発は見直すべきです。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎杉坂 空港担当部長 私からは、まず東京都との確認書の件、その約束を守らせて、空港対策積立基金を区民のために使うべきだというご指摘にお答えをさせていただきます。  昨年10月に羽田空港移転問題協議会は羽田空港跡地まちづくり推進計画を策定し、大田区市街地に隣接する第1ゾーンの土地利用として、産業交流施設と多目的広場等を導入することといたしました。また、国際化した羽田空港の玄関口に当たる跡地が未利用地のまま放置されることが懸念をされるため、具体化に向けて前に進めることが重要であると考え、第1ゾーンは主に大田区が過去の経緯を踏まえて取得する方向で、東京都と協力しながら検討するということになったところでございます。空港跡地の活用につきましては、羽田空港の歴史的な経緯を踏まえつつ、国際化した空港機能を区内産業の振興につなげ、区民の憩いの空間形成、防災機能の向上など、大田区のまちづくりに大きく貢献することが期待されます。また、基金につきましては、このような認識のもと、空港跡地を魅力ある拠点として整備する上で、地元自治体としての役割を果たすために、責任ある財源の裏づけとして積み立てているものでございますので、この考え方に沿って運用を図ってまいりたいと思っております。  次に、空港跡地の施設の初期投資、あるいは後年度負担などから計画を見直すべきだというご指摘でございますが、大田区は空港跡地第1ゾーンの土地利用につきまして、その費用対効果、基盤施設整備などについて調査を行ったところでございます。この調査は、羽田空港移転問題協議会による羽田空港跡地まちづくり推進計画を踏まえ、想定される施設規模や配置を案として示すとともに、整備に伴う事業費と経済効果等について、一定の想定に基づくケーススタディーとして試算したもので、具体化に向けた様々な検討を進める上での参考資料でございます。空港跡地の土地利用の実現に当たりましては、大田区の国際化、あるいは活性化につなげ、国際都市おおたの実現に寄与する土地利用に向けまして、効果的、効率的な施設機能や整備、運営などの事業手法について、東京都や国と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、厳しい財政状況の中であるから、羽田空港跡地計画を見直せというご指摘でございますが、空港跡地につきましては、戦後の強制退去や航空機騒音の解消を求める取り組みを経てきた歴史的な経緯がございます。国際化が進展する羽田空港に隣接する貴重な跡地を有効に活用し、国際都市おおたを実現するための拠点といたしまして、大田区の発展につなげなければならないと考えているところでございます。また、海外に開かれたゲートウエーとして、大田区はもとより首都圏を含めた広域的な国際化と活性化に大きく寄与することも重要だと考えてございます。跡地整備の具体化を進めるに当たりましては、東京都と技術面や財政面において協力しながら検討するとともに、補助金や交付金制度についても活用してまいるなど、区財政への影響に十二分に留意しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
     私からは以上でございます。 ◎伊東 産業経済部長 中小企業への支援をということでございますが、区は、今回の補正予算事業で、大田区小規模事業者経営改善資金利子補給制度の創設や、ものづくり新製品・新技術実用化緊急支援事業を提出し、ご審議をいただいております。これら緊急経済対策事業とともに、多様な産業振興事業あるいは支援策を着実に実施することで、ものづくり集積を維持・強化してまいりたいと考えております。 ○高瀬 議長 次に、2番水井達興議員。                  〔2番水井達興議員登壇〕(拍手) ◆2番(水井達興 議員) (手話)わかりますか。今こんにちはと言いました。私ごとですけれども、先日たまたま手話の講習会にちょっと出たんですね。私は、手話ってすごく難しいもので、我々は取り組みにくいものかなと思ったら、そのぐらいの挨拶ぐらいはすぐできるというので、今ちょっとやってみたんですね。自民党の水井でございます。よろしくお願いいたします。  きょうは呑川の浄化についてと、それから京浜急行の問題についてちょっと取り上げたいと思っています。  魚というのはすごく現金なんですね。私は、この間まで、道を通ってくると宮之橋という橋を通るんですけれども、その下を見ると、水がグリーンというか、白っぽいグリーンになっていて、においも出てきて、ああ、これはひどいなと思っていたら魚一匹いないんですよ。ところが、きょう来たら魚の姿がすごくよく見えるんです。これからそれを質問の中に取り入れてお話しさせていただきます。  私は、大体20年にわたって呑川の浄化に取り組んでまいりました。初めは呑川の構造が干潮河川のため難しいと言われてきたんですね。私が役所に質問するたび、干潮河川だから難しいんですよという話し方をされました。しかし、私は、その昔のきれいな呑川を見ているんですよ。だから、やっぱり人間が発展とともに汚してきた、これは間違いないなと。要するに、干潮河川というのは、海から来た水が引き潮になると流れていって、また戻ってくる。いつも洗面器の中でどんぶらこ、どんぶらこやっているから、きれいにならないという言い方なんですけれども、じゃ、その昔はどうだったのかというと、私のすごく小さいときには、呑川はものすごくきれいだったです。魚もとれたし、エビガニだとかメダカだとか、そういうものがいっぱいとれました。だから、そういうものを戻してやるのが我々の仕事だと思っています。  今、大田区は浄化対策として、まず悪臭防止施設、要するに水中ばっ気装置というものですね。それから2番目は東京都の城南河川清流復活事業。3番目に水質浄化装置、ジェットストリーマーというんですかね。4番目は都営地下鉄浅草線トンネル内湧水の導入をしています。5番目に底質改善剤の散布、6番目に高濃度酸素水導水、7番目には河床清掃、8番目にオイルフェンスの設置、9番目にしゅんせつ工事、10番目に東京都建設局による河川改修工事、その他いろいろあるようですが、今までどのぐらいの金額になっているかわかるかどうか、お答え願いたいと思います。また、どの事業が根本的な解決になるか、お伺いいたします。  過日、新聞の記事で、8月1日午前9時45分ごろ、大田区中央八丁目の呑川で大量の魚が浮いていたと発表されました。それに先立ち、東京都の環境局自然環境部長、建設局河川部長、下水道局施設管理部長3氏の名前で、城南三河川の清流復活事業送水量の調整について、送水を半分にするという連絡を受けている。それを受けた後、この連絡について対策を話し合ったのかどうか、お聞きしたい。  その後、8月1日、魚浮上事件の後、先の東京都の3部長名で、9月9日、城南三河川の清流復活事業送水量調整の終了についてお知らせという形で東京都から参りましたが、大田区の部局はどう受け止めて、どのように対処したかをお知らせください。私の目からは、東京都、世田谷区、目黒区に対しても改善についての考えが伝わっていないような気がします。  役所内にこのことに関するエキスパートがいないような気がします。人事は我々が口を差してかえるわけにはいきませんけれども、人事のときに基本的な思いが消えていってしまって、その都度その都度かわってしまう。そして、だれか自分に与えられた仕事以外に、いつでも呑川のことを考えている人材が育っているのか、仕事を引き継いだときに基本的な知識だけでも学べる者をつくるか、これはほかの部局でも言えることです。産業経済部でも何でもそうですが、エキスパートがあまりにもいなさ過ぎるのが現状です。呑川のことについて20年間取り組んできましたけれども、努力は認めます。いろいろやっていますから。でも、あまり変わっていないということを申し上げます。  次は、京急線沿線のまちづくりについてお尋ねいたします。  大田区民の大変な期待を背負って京急の高架工事を進めてきましたが、高架工事も完成に近づき、平成18年から平成22年の5年間を見ていくと、思ったより乗降客数が増えてきていません。ちなみに、1日平均乗降人員を見ていくと、大森海岸で18年と22年の差は738名の増、平和島で18年と22年の差は522名増、大森町では18年と22年の差は409名の増、梅屋敷では18年と22年の差は303名減です。京急蒲田は918名の増、雑色では2045名減です。六郷土手では264名の増、糀谷では446名増です。大鳥居では1266名増、穴守稲荷では18年と22年の差は2003名の減、天空橋では1759名の増です。新駅は別にして微増です。ひどいところは大幅に減をしているところもあります。その駅々で尋ねると、とにかく不便になった、通過する電車が多く、15分や20分は待たせるとの話でした。京急蒲田や梅屋敷が私の住んでいるところのすぐ近くですけれども、メイン通りも人影がまばら、商店街は苦戦をしています。  そこで、この数字を見て、高架工事だけが原因とは申しませんが、感想を聞かせていただきたい。大田区のまちづくりは進んでいるとお考えになるのかどうか。私のつたない目で見ると、大田区の京浜急行の沿線にまず目玉がない、そんな気がしてならない。人を寄せていく目玉はどういうふうにお考えですか、お聞かせを願いたいと思います。  また、京急は、過日、大田区のまちづくりについて協力しますという提言があったと思いますが、どのような具体的な協力があったのか、お聞かせください。今後、区のまちづくりにどのような協力をしてもらえるのでしょうか。  また、高架下の利用枠は自治体が15%の利用枠を持っているとお聞きしていますが、駅利用者の駐輪場など駅前整備のために必要な施設も数多く考えられます。また、最近は事故や災害時に駅滞留者の対策のために、自治会・町会会館や消防団の団小屋を沿線町会に維持してもらい、いざのときに対応してもらうということも一考だと考えます。区は15%の確保は当然のことと思いますが、沿線住民が災害時に力を発揮し、京急にもいろいろな形で協力体制が組めると考えますので、それを上回る利用のあり方を京急に求めるべきではないでしょうか。区の考えをお聞かせください。区長が日ごろより官民一体の協力があってこそ住みやすい大田区となると考えていますが、いかがでしょうか。  次は、京急加算運賃についていくつか質問させていただきます。  私自身、この問題を取り上げようと思っていたやさきに、幹事長会で突然、加算運賃問題を羽田空港対策特別委員会で審議しなさいという命令が下りました。委員会でじっくり調査をし、取り組むつもりでしたが、一度動き出したら止まれない性格も手伝って、自分の委員会のことは委員会でやることですけれども、きょうはこれについて少し質問させていただくのをお許しください。  質問に先立ち何人かの人にお聞きしたところ、加算運賃のことについては知らない人たちがほとんどで、取られている意識も中にはありませんでした。我が党の安藤議員の21年10月の決算特別委員会の款別質疑でも出てきますが、区民に知らしめていないことがはっきりといたしました。それとともに、区の答えも、国土交通省が許認可権限を持っているので、鉄道事業者と国土交通省が決めることで、口が挟めないと当たり前のように言う答弁が返ってくると想像されます。ダイヤ改正にしても加算運賃にしても、住民や自治体の意見が挟めないところでことが進んでいく。これでいいとお考えですか、お聞かせください。  区は何があっても国や都が決めたことについては違いを唱えてこなかった。上辺は区民のためと言いながら、長いものに巻かれろというのは、私は納得がいきません。ぜひ区民の側に立って、エゴではなく良識の道を歩んでもらいたいと要望するところであります。審議はこの場だけで終わるとは思っていません。またの機会に取り上げるつもりですので、よろしくお願いいたします。  これで質問を終わらせていただきます。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎杉坂 総務担当部長 私からは、事務の引き継ぎと人材の育成に関してのご質問にお答えを申し上げます。  議員ご指摘のとおり、事務の引き継ぎが不十分であることによりまして事務の停滞や、ましてや後退があってはならないと考えているところでございます。一般的な取り組みといたしましては、新たに当該事務の担当となった職員は、具体的な担当職務や懸案事項につきまして、前任者から直接説明を受けながら引き継ぐことを基本としております。これに加えまして、所管業務に係る職場内の研修ですとか、必要に応じた専門的な職場外研修を行っているところでございます。また、ある職務を特定の職員が1人で担当するということではなく、補助者として別の職員も担当するようにいたしまして、事務の継続性が維持できるように努めているところでございます。なお、近年、ベテラン職員の大量退職の中で、特に技術系の職員のこれまで蓄積してきました豊富な経験や知識、ノウハウを継承していくことが重要な課題であると認識しているところでございますので、引き続きこうした課題の解決に向けた人材育成の取り組みについて推進してまいりたいと考えているところでございます。私からは以上です。 ◎伊東 産業経済部長 京急沿線に人を寄せていく目玉、観光の目玉ということもあるかと思われますが、大田区では、世界とつながる生活(いきいき)観光都市を目指して観光振興を進めているところでございます。「生活」と書いて「いきいき」と読ませます。大田区民の生活に根差した地域資源が集客にも資する観光資源になると考えております。例えば銭湯や商店街、B級グルメなど目玉になり得ると考えてございます。ご指摘の京急沿線には数多くの商店街や銭湯、地域の歴史と文化を感じる羽田地区のまちなみなど、地域資源、観光資源もございます。商店街を訪れた外国人が、日本人が日常使う瀬戸物をお土産屋さんでたくさん買っていったということもございます。商店街で日常的に販売しているものも、外国の方から見ると珍しいものとして観光資源にもなり得ると考えてございます。京急電鉄においても、これらを活かした大田江戸前きっぷを発売いたしまして、好評であると伺っております。また、現在工事中の大田体育館も国際的なスポーツイベントが可能であるなど、沿線の目玉施設になると考えてございます。私からは以上でございます。 ◎太田 まちづくり推進部長 京浜急行電鉄に関する加算運賃についてのご質問でございますが、国の関与のもとに各鉄道事業者が運賃については定めておりまして、一定期間、一定額の加算運賃収入を得た後、鉄道事業者によりまして加算運賃の減額や廃止がなされるものと認識しております。今後、長期にわたって加算運賃が継続していくことは区民にとって問題が多いものと考えておりまして、区といたしましても、ご要望の内容につきましては鉄道事業者の方に伝えてまいりたいと考えております。 ◎赤阪 都市基盤整備部長 呑川の浄化対策につきましてのお答えをいたします。  議員ご指摘のように、これまで様々な浄化対策を講じてまいりました。具体的には、平成3年度以降、しゅんせつ工事が約3億7000万円、河床清掃が約2億9000万円、屋形船型水質浄化装置が約7000万円など、過去20年間で約13億円の支出となっております。また、東京都によりまして同時に河川改修工事を行っておりまして、これが平成6年度以降、約26億円の支出となっております。  ご質問の呑川浄化の根本的な解決、対策についてでございますけれども、河川浄化対策のほかに下水道への雨水の流入量を減らすための流域対策、下水道施設から河川への汚濁負荷を軽減するための下水道の対策等を行っております。何か一つ重点的に施行すると改善できるという考えではなくて、やはり多角的な対応が必要かと思っております。  それから、城南三河川の清流復活事業の送水量の調整でございますけれども、東日本大震災に伴いまして東京都から50%の送水にしたいと連絡がありまして、大田区をはじめ城南6区で100%の送水を要請しましたところ、6月17日に100%の送水となりました。しかし、7月1日から夏の節水対策によりまして再び50%の送水となるということで、再度100%の送水を要請しまして、7月15日から70%の送水、8月25日から75%の送水、9月10日からは100%の送水を再開した次第でございます。今年につきましては、東日本大震災、節水対策等によりまして清流復活事業も大きな影響を受けましたけれども、大田区にとっては、呑川への100%の送水は区民の大事な水辺環境の保全には欠かせない事業と思っております。区としましては、引き続き清流復活事業の趣旨を踏まえまして、東京都には100%の完全送水を継続していただくということで強く申し上げていきたいと思っております。以上です。 ◎佐々木 連続立体事業本部長 私からは、京急沿線のまちづくりについてお答えをさせていただきます。  京急連続立体交差事業が進んでいるが、まちづくりは進んでいるのかとのご質問でございますが、京急連続立体交差事業は、鉄道の高架化により踏切を解消し、交通の円滑化と安全性の向上、さらには地域分断の解消が図られるなど、沿線地域のまちづくりに大きく寄与する事業でございます。特に昨年の9月、環状8号線の踏切付近の下り線でございますが、仮高架化によりまして4か所の踏切が除去され、環状8号線の交通渋滞が解消されたほか、環状8号線付近の3か所の生活道路では、自動車交通量が約6割減少するなど、交通環境は大幅に改善をされたところでございます。また、この連立事業を契機としまして、京急蒲田駅、糀谷駅、雑色駅の周辺では、市街地再開発事業による防災性能の向上、にぎわいと良好な住環境を創出していくためのまちづくりに現在取り組んでいるところでございます。いずれにしましても、連立交差事業あるいはまちづくりは区民生活の向上に資する事業でございますので、今後も早期完成に向けて取り組んでまいります。  次に、京急は区のまちづくりにどのような協力をしてきたのかとのご質問でございます。京浜急行電鉄は、再国際化されました羽田空港と一体となったまちづくりに積極的に参加し、観光振興など大田区と相互に協力して事業を進めていく姿勢を明確にしているところでございます。京浜急行電鉄は、これまで大田江戸前きっぷの発行をはじめ、京急まちwebマガジンによる大田区特集や、京急ふれあいフェアin大田の開催などに取り組んでいるところでございます。  今後の京急のまちづくりへの協力についてでございますが、今後も京急電鉄にはまちづくりや観光振興などについて協力を求めてまいりますが、国、東京都、大田区、京浜急行から成るまちづくりなどの諸課題に関する協議会も活用しながら、国際都市にふさわしい魅力あるまちづくりを進めていきたいと考えております。  最後に、高架下利用についてのご質問でございますが、高架下利用につきましては、既に多くの区民から要望が寄せられているところでございます。15%の都市側が使える枠がございますが、防災の面からも可能な限り区民要望に沿えるよう努力してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ○高瀬 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩いたします。                      午後2時56分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時20分開議 ○高瀬 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。37番犬伏秀一議員。                  〔37番犬伏秀一議員登壇〕(拍手) ◆37番(犬伏秀一 議員) たちあがれ日本の犬伏秀一でございます。我が党が昨年4月に結党されたときに、三つの目的を明らかにいたしました。その最も大きな柱は、打倒民主党であります。幸いなことに、その後行われた参議院議員選挙では、亡国民主党政権の単独過半数を阻止することができました。東日本大震災をめぐる司令塔不在の菅政権は民主党に壊滅的な打撃を与え、野田政権が誕生いたしました。陸上自衛官の父を持つ野田新総理にはいささかの期待を持っておりましたが、やはり本質的には亡国民主党であることが人事でも露呈されてしまいました。我が国の教育のガンと中山元文部科学大臣にその体質を指摘された日本教職員組合、いわゆる日教組出身議員を文部科学政務官や首相補佐官に迎えることは尋常ではありません。社会党出身で北海道教組の違法選挙にもかかわった鉢呂経済産業大臣が自爆したことは、この政党にいかに不見識な人々が集っているかを物語っています。  さて、このように無政府状態のような昨今、地方自治体こそがしっかりしなければ住民の安全を守ることはできません。大田区も69万あまりの区民の安全を守るため、備えを万全にしなければなりません。  私は、本年4月より社会福祉協議会主催の初級手話講習会に毎週木曜日に通っております。今まで別世界だと感じていた手話が、毎週少しずつではありますが、身近になり、楽しく通っております。しかし、毎週手話を学ぶにつれ、聴覚障がい者に対する緊急時の情報伝達の難しさをも感じております。同じ災害弱者であっても、視覚障がい者の方や身体障がいをお持ちの方は音声により比較的容易に情報伝達が可能です。ところが、聴覚障がいをお持ちの方々には、音声が主流の災害情報はほとんど届きません。数少ない情報源である携帯電話のメールや固定電話のファクスなどは、今回の震災当日には全く機能しませんでした。  3月11日の夕方から夜間にかけては蒲田駅周辺には帰宅困難者があふれ、自分勝手なJRが駅舎を閉鎖してしまったため、東西移動が容易ではなくなり大混乱となってしまいました。このような大混乱の中でも、大田区職員は懸命に工学院やアプリコへの誘導に努めておりましたが、それは音声による誘導でした。聴覚障がい者には情報が到達しないのです。いざとなれば筆談をすればいいだろうというのは、聴覚障がい者に対する無理解もいいところです。ましてや震災時の大混乱の中で、筆談で情報を伝達することは非現実的です。  聴覚障がい者の方々の不安を払拭するためにも、地域の避難訓練などへの手話通訳の派遣、大規模災害時における避難所や駅前など拠点への手話通訳の配置を進めるべきであります。大規模災害時の聴覚障がい者に対する情報伝達につき、現段階での状況と取り組み、改善策などをお示しください。  また、日本聴覚障害者建築協会所属の聴覚障がい者が発案したSOSカードという指差カードをぜひとも各避難所に配置していただきたいと思います。福岡県春日・大野城・那珂川消防組合では、すべての救急車にこのSOSカードを配備しています。私たちは春日消防の救急隊です。今からカードを出しますから、指で指してあなたの体の様子を私たちに伝えてください。これだけのことですが、聴覚障がい者の方にはどんなに心強いことでしょう。大田区の予算規模からも簡単に導入が可能であると思います。お考えをお伺いいたします。  さて、今定例会では一般会計第3次補正予算が上程されることになっております。前回の補正予算の際も指摘をしておきましたが、今回も補正額38億8956万2000円のうち、基金、すなわち区民の積立金から25億3550万7000円を取り崩して充当しているのです。この結果、今年度の基金取り崩し額は169億2403万5000円となり、基金残高は890億円あまりとなりました。万一このまま景気が回復せずに推移すると、5年後には基金残高はゼロになってしまうのです。すなわち、この調子で基金を取り崩して自転車操業を続けるならば、いずれ夕張市などと同様、財政再建団体へのご招待券が我が大田区にも来るのであります。  今回の補正で目立つのは、緊急経済対策事業という名称のばらまきです。4億8575万円が使われています。そして、そのほとんどが区内業界団体に加盟している業者向けのものであることは問題です。建設業、電設業、衛生設備業、造園業、商店街連合会などに見事にばらまかれています。しかし、本当にこのようなばらまきが経済対策になるのでしょうか。  再三指摘していますが、本区の入札は、一部大手がかかわる案件以外はすべて談合の疑いがあるものと言ってよいでしょう。それは、区内業者育成という大義のもとに入札参加者を絞り込むため、顔が見える入札となるからです。結果、業者間での競争は起こらず、大田区の予定価格に異常に近い金額で落札予定業者が射とめるのです。落札業者以外は積算もしませんから、積算ノウハウの蓄積も行われず、公共工事の減少によって、すぐさま経営破綻につながってしまうという弱い財務内容の業者を育成していることになるのです。過去にも区内建築系業者の倒産が相次ぎましたし、ある区内業界のリーダー的な立場の区内業者は、先代社長が亡くなると大手に経営権をとられてしまいました。  このように、区内業者優先の仕組みは、短期的には業者や業界団体に喜ばれても、長期的には業者のためになりません。老子いわく、子どもには魚を与えてはいけない、魚の釣り方を教えろと。4億円程度の公共事業のばらまきは決して業者のためにはならず、ましてや経済対策にはほとんどならないことを理解していただきたいのです。業者や業界団体は、選挙では物心両面の力強い味方かもしれません。しかし、我々は選挙のために区役所を維持しているのではありません。一部業界団体の陳情、要望を受けて、断り切れず、多くの関係のない区民の貴重な税金を使う悪習は断ち切るべきです。お考えを伺います。  次に、教育問題についてお伺いします。  報道を見ていますと、相変わらず教員の非行が目立ちます。教員以前に、社会人としてどうなのかという事例が多く見られることは残念です。報道にならないまでも、当大田区においても残念ながら問題教員が今でも在籍しています。教育技術は経験や研修で身につけることが可能ですが、社会性の欠落は本人が自覚をしなければ直しようがありません。一般の社会であれば、職場などで先輩や同僚により指摘されたり、顧客や取引先により切磋琢磨され成長していくのです。  ところが、教員は一たび教室に入れば相手は子ども。下手をすると勘違いの王様になってしまいます。区内の小中学校、都立学校の保護者におかしな先生を教えてくださいと聞けば、各学校必ず数名の教員の名前が挙がり、その教員はどの保護者に聞いてもおおむね同じなのです。そして、最大の被害者は子どもたちです。人生の大切な時期をおかしな教員に教育されるのですから。  そこで提案です。最近では多くの私立の学校、大学などで試みられている制度ですが、児童生徒、保護者から教員を評価してもらうのです。その結果は本人、管理職にのみ公開し、問題ありの指摘が多い教員には早期に改善策を打つのです。我が国の教育のガンとやゆされた日教組などには大反対をされるでしょうが、ぜひとも導入して、おかしな教員の早期発見、是正を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、教科書採択についてお伺いいたします。  私は区議会議員に当選して以来、本区が採択している東京書籍発行の中学校歴史教科書は、あまりにも自虐的であると指摘してまいりました。学習指導要領には歴史教科書について、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てると書かれております。ところが、東京書籍を筆頭にした自虐的歴史観に基づく歴史教科書には、一体どこの国の教科書かと首をかしげる記述が多数出てまいります。このような、日本という国の歴史を愛するどころか嫌いにするような教科書を使い、さらには日本が大嫌いな日教組の教員に教えられて、まともな子どもたちが育つわけはありません。  そのような中、本区は来年度から区立中学校で使用する歴史教科書、公民教科書について育鵬社のものを採択いたしました。6名の教育委員全員一致でなかったことはまことに残念ではありますが、23区で唯一ということは、まさに画期的なことであり、国際都市を目指す大田区だからこそ、自国の歴史に誇りを持てる歴史教科書、国民としての自覚を育てる公民教科書が必要なのです。採択に賛成された清水教育長並びに教育委員に心より御礼と敬意をささげたいと思います。ありがとうございました。  ところが、日本は悪い国だと信じている人々は、それぞれの採択区において大反対運動を起こしているのです。特に問題なのは、沖縄県八重山採択区です。自分たちの主張が通らないと違法であろうが主張を通す人々には、到底まともな教育を期待することはできません。  大田区においても、9月4日、日曜日に区立小学校のランチルームにおいて、ある共産党区議会議員の区政報告会が行われました。そのチラシには教科書問題が一面に載っています。侵略戦争美化・憲法否定の教科書を大田区教育委員が採択、子どもたちにこんな教科書を手渡してもいいのでしょうかと太字で書かれています。チラシの隅にはイラストがあり、母親が子どもに「歴史は正しく教えてほしいわ」という吹き出しがあるのです。ねじ曲げてきたのは反日左翼の諸君だろうと思うのは私だけではないはずです。  このようなチラシを使い、区立小学校で会合を開催することにつき違和感を覚えるのですが、どうお考えでしょうか。区政報告会の範ちゅうを超え、イデオロギーに基づく政治集会ではないかと思われます。また、育鵬社の教科書は侵略戦争美化・憲法否定と訴えておりますが、そうでしょうか。お考えを伺います。このように、教科書採択に絡み多くの反対運動が行われておりますが、執拗な抗議や手紙攻勢などには憶すことなく告発すべきであります。  また、反対派は一部の区立中学校社会科教員を動員して、副読本などを使用して、この教科書を使わない戦術に出ると予想されますので、せっかく採択した立派な教科書を使わないことにならないよう、教育委員会としても監視の目を強めていただきたいと思いますが、どうお考えでしょうか。  育鵬社の公民教科書には、公民とは文字どおり公の民です。アメリカ合衆国第35代大統領を務めたジョン・F・ケネディは、大統領就任演説で国民に「国があなたのために何かしてくれるかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるかを問おう。」と訴えたことがあります。公民とは、そのように公の一員として考え、行動する人たちのことです。そのような公民意識を身につけることこそが公民学習のねらいですと書かれています。東日本大震災と放射能、さらには民主党政権という大変な国難を抱えた今こそ、公民意識を備えた人材の育成こそが急務であり、わがまま放題の日教組教育から決別するためにも、国民的教養と愛国心を育むことのできる育鵬社の教科書を採択されたことはタイムリーであり、日本中に誇れる偉業でもあります。  私は、昭和47年4月7日に自衛隊生徒として任官したときに服務の宣誓を行いました。その中には、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを誓います。」という一文がありました。私は、これからもこの宣誓文の言葉を忘れることなく、大田区民の安全・安心のため、この身を呈して責務の完遂に努め、もって区民の負託にこたえることをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎津村 経営管理部長 私からは、緊急経済対策についてのご質問にお答えいたします。  補正予算の緊急経済対策は経済対策にならないというご指摘でございます。私どもといたしましては、リーマンショックに端を発する世界的な景気停滞とともに、東日本大震災や歴史的な円高の影響を受け、経済の先行きが依然として不透明な中、地域経済や雇用を支える、あるいは地域力の担い手でもある区内産業は、大変厳しい経営環境に直面しているとの認識を持っております。今回の補正予算では、こうした区内産業を取り巻く実情を踏まえまして、これまでの区内経済対策に引き続き切れ目のない支援を行うため、緊急経済対策事業に積極的に取り組むこととしたものでございます。プレミアム付区内共通商品券の発行は4回目となりますけれども、区民の皆様にも大変ご好評をいただいておりまして、消費の拡大とともに、商店街の売り上げ向上や新規顧客開拓に貢献していると考えております。  また、公共施設の工事は、区として必要な工事を選び、幅広い業種に発注できるよう考慮しております。このことは、区内事業者の受注拡大につながり、一定の雇用環境の改善や、部材の調達などによる他の事業者への波及効果を及ぼすものと考えております。このほか、中小企業の融資制度の創設、開発型企業への実用化段階での製品・技術開発支援を行い、区内産業を幅広く支援する内容となっております。緊急経済対策事業は、厳しい経営状況を乗り越えようと努力している事業者と従業員の後押しとなるものと考えているところでございます。私からは以上でございます。 ◎宇佐見 防災・危機管理担当部長 私からは、聴覚障がい者のためにSOSカードを避難所に配置してほしいとのご質問にお答えします。  避難所におけるコミュニケーションツールの問題ととらえております。福岡県の消防組合の事例が出されておりますが、東京消防庁でも既に取り組みを行っており、聴覚障がい者や外国の方のためのイラスト入りカードを救急車及びポンプ車に配備していると聞いております。東京消防庁で導入しているものは福岡のものとは少し異なっておりますが、いずれもけがなどを想定した簡単なコミュニケーションに使用するものです。このような既存のツールの活用を含め、他の自治体の状況も検証させていただきながら、災害時に避難所におけるコミュニケーションが円滑になされるよう検討してまいります。以上です。 ◎安元 福祉部長 まず、防災訓練での手話通訳者の派遣でございますけれども、現在、総合防災訓練の場合におきましては、聴覚障がい者団体のご要望をお聞きするなどして、必要に応じて派遣をしております。一方、地域での防災訓練、避難訓練に対しましては、現在のところ派遣の事例はございません。今後、実施いたします町会・自治会などから要請がございましたら、できる限り応じていきたいと考えております。  次に、聴覚障がい者の方への情報伝達の方法でございますが、聴覚障がいの方でございますので、文字情報での提供が効果的でございます。現状では、区民安全安心メールのご利用をお勧めしております。今後とも登録を促進してまいりたいと思っておりますが、より有効な伝達方法を見出していくためにも、聴覚障がい者の方々と情報交換を密に行ってまいります。  最後に、発災時に避難所や駅前等の拠点に手話通訳者を計画的に配置することにつきましては、手話通訳をやってくださる方がまだまだ不足をしているという現状がございます。直ちに実現することには課題がございます。現在、災害時要援護者対策の全体的な検討を行っております。また、手話通訳者の養成を強化することとあわせて、引き続き検討をしてまいります。以上でございます。 ◎金子 教育総務部長 私からは、教育に関する質問にお答えさせていただきます。  まず、児童生徒、保護者から教員を評価してもらう制度を導入してはどうかというご質問でございます。教育委員会といたしましては、全校に対し、授業評価を含め自分の学校の教育活動について、児童生徒や保護者へのアンケートを実施しておりまして、授業力の向上に努めるよう指導しております。  次に、育鵬社の教科書が侵略戦争美化・憲法否定と訴えられていることについてどう考えるかとのお尋ねでございますが、育鵬社の教科用図書は、学習指導要領に沿って、必要かつ十分な記述がなされている教科書でございます。したがいまして、当然のことながら、侵略戦争美化・憲法否定を訴える教科書ではございません。  最後に、採択された教科書を教員が使わないことがないように、監視の目を強めてほしいとのことでございますが、教育課程の管理は校長の責任であり、教科書が適切に使用されるよう教員を指導いたします。また、教育委員会としましては、提出された各教科の年間指導計画や指導課訪問などを通じて実態を把握し、指導してまいります。以上です。 ○高瀬 議長 次に、39番北澤潤子議員。                  〔39番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆39番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。子育て支援の中の緊急一時保育と理由を問わない一時預かりについて質問いたします。  平成23年、大田区の就学前の子どもの人口は3万1200人、そのうち保育園に通っている子どもがおよそ1万200人、それ以外の約2万1000人の子どもたちは、幼稚園か在宅での子育てを受けていることになります。子育て支援というと待機児対策が中心になりがちですが、今回は、この約2万人強の在宅での子育てに目を向け、必要な子育て支援について質問させていただきます。  在宅での子育ては母親一人にゆだねられていることが多く、男女共同参画、ワークライフバランスと言われ、育児に熱心なイクメンも注目されてはいますが、まだまだ実質育児への負担感は母親に大きいものがあります。平成21年の大田区地域保健福祉計画・次世代育成支援行動計画・実態調査報告書によると、祖父母等の親族に子どもを預かってもらえるのは、緊急時に55%ですが、日常的に預かってもらえるのは16%にすぎません。親族に頼れなければ友人に頼むしかありませんが、日常的に友人に預かってもらうことのできる人はわずか4.3%です。  また、同じ報告書で、「利用したい、足りていないと思う保育サービスは」という設問に対し、1 認可保育園、2 幼稚園の預かり保育、3 病児・病後児保育、4 理由を問わない一時預かりという結果が出ています。核家族が進行した今日では、子育てへの支援は公的なところに頼らざるを得ない状況であることが、このアンケート結果からもわかります。その上、近年、少子化、高齢化と晩婚化により、親の介護を必要とする時期が子育てと重なることも珍しくなくなってきています。介護と育児を同時に行わなければならない世代への支援は今後ますます必要になっていくことでしょう。  こうしたニーズにこたえるため、大田区では緊急一時保育を行っています。緊急一時保育は、保護者の死亡、病気、出産等の理由で緊急に保育が必要な場合、1日1400円で子どもを預かるという仕組みで、区立保育園55園全園と区が契約する10の緊急保育室が対応しています。この緊急一時保育について調べたところ、次のような問題のあることが判明しました。  まず第1に、手続きが煩雑であるということです。1 事前に保育サービス課に電話で問い合わせた上、本庁で利用申し込みをしなければなりません。2 その後、保育サービス課から紹介された保育園に子どもを連れて面接に行き、健康状態など状況を見てもらった上で許可を得なければなりません。アレルギーや障がい児などは、場合によっては受け入れを拒否されることもあると聞いています。3 その上、保護者の病気が理由の場合は事前に診断書が必要ですし、出産の場合には母子手帳が必要になります。4 これらの手続を利用開始日前日までに行って初めて利用できるのが現在の緊急一時保育です。  大事な子どもを預かるに当たって万全を期す、区との契約だから役所でという原則は理解できますが、本当にせっぱ詰まっている当事者にとっては、この手順を踏む余裕があるでしょうか。この緊急保育、緊急一時保育利用のほとんどが出産になっています。出産なら予定日がわかっており、計画的に準備することができるので、この仕組みがうまく機能していると言えます。しかし、現在の緊急一時保育では、急病や親の介護などの緊急時には対応できず、使い勝手のよくない部分があることがわかります。また、ファミリーサポート制度においては、利用会員と提供会員とのマッチングがうまくいけばいいのですが、提供会員の数や地域分布の上から、すぐに利用できるとは限りません。  そこで伺います。公の子育て支援は、最も困った状況にある人を救うこと、セーフティーネットを整えることがまず基本だと思いますが、利用者の立場に立った緊急保育、緊急一時保育の体制をつくることはできませんか。多くの保育園がその拠点となっていることは評価すべきことですが、緊急のニーズへの柔軟な対応、例えば紹介を受けたら直接保育園に行ける仕組みにはできないでしょうか。お隣の品川区では、直接保育園に申し込み、利用することが可能です。また、緊急時に診断書など書類をそろえることは困難です。証明書類は後送でも認めることはできないでしょうか。仮に悪用が判明した場合には、利用料を民間並みに徴収するなどの仕組みにより悪用を防ぐことも可能であると考えます。  一方、一時預かりのニーズは、急病や介護、出産だけではありません。専業主婦の場合、特に母親自身、社会との接点が少なくなりがちなため、孤独感や疎外感、育児不安、虐待にもつながる状況を生み出していると言われています。社会参加、学習、リフレッシュなどによる母親たちの心身の充足感や安定感が育児への前向きな気持ちを支えるのではないでしょうか。  このようなニーズにこたえて、大田区では、乳幼児一時預かり事業として子ども家庭支援センター大森のキッズなルームを平成20年度より開設しています。利用者数は、平成20年度は384人、21年度は1669人、22年度は1675人と毎年増加しています。私は、この乳幼児一時預かり事業を区民が利用しやすいようにさらに拡大する必要があると考えています。大田区では、(仮称)仲六郷二丁目複合施設計画の中に子ども家庭支援センター分室機能が置き込まれ、一時預かりを開始すると報告を受けています。公のものとしては、このキッズなルームと社会福祉協議会の育児サポートの2か所に加え、3か所目の設置であり、区が理由を問わない一時預かりの必要性を認識し、積極的に取り組んでいることは大いに評価しています。  しかし、これも周辺自治体の状況と比較すると遅れていると言わざるを得ない状況です。例えば品川区の生活支援型一時保育は、生後4か月から就学前の子どもを預かりますが、大田区のほぼ3分の1の面積に8か所もの施設がバランスよく配置されていて、区民が利用しやすい状況をつくっています。その上、利用料金は1時間500円、年間延べ1万人以上の利用者があるのは、利便性に加え、この利用しやすい料金も大きな要因であると言えるでしょう。一時預かりの仕組みは世田谷区、目黒区にもありますが、いずれも利用料金は500円程度、それに比べ、キッズな大森の1時間900円や、蒲田の育児サポートの1000円を超える利用料金が大幅に高いことがおわかりいただけると思います。大田区では、キッズなルーム、育児サポート、両方合わせての利用者は年間4000人弱、人口大田区の2分の1強の品川区では1万人以上の利用者と比較しても、大田区ではまだまだ一時預かりのニーズにはこたえられていないと言えるのではないでしょうか。  そこで伺います。在宅で子どもを育てている家庭を支援する体制として、理由を問わない一時預かりの拠点のさらなる拡大や、今より安い料金設定にして、区民が利用しやすいようにすることが必要だと考えますが、いかがですか。  ところで、品川区の一時預かりは、区民が始めたおばちゃんちという子育てをサポートしている民間事業をモデルにしてつくられたものです。おばちゃんちは、赤ちゃんから高齢者までが集えるところ、子どもが健やかに育ち、若者が輝き、大人が心豊かに暮らし、世代を超えた触れ合いが繰り広げられる身近な場所、互いに支え合い、ともに育ち合って暮らす、そんなまちを目指しますという理念のもと運営されているNPO法人です。区長の政策の大きな柱の一つである地域力を形にしているのが、この品川のおばちゃんちです。  大田区では、キッズな大森開設の際、民間事業者による運営を視野に入れていましたが、結局、直営で行っています。地域の中に年齢の垣根を超えて、子どもたちと子育て家庭を支援する拠点、新たに施設をつくらなくても、広く社会的資源を有効活用した、このような仕組みが実現できないでしょうか。子育てを終えた人、少し先輩の当事者たちが活躍できる場をつくれないでしょうか。  そこで伺います。区民が自発的に理由を問わない一時預かりの場所など子育てを支援する場を開設したいという動きがあったときに、区がそれを支援する仕組みをつくることはできませんか。地域力を大切にする大田区として、商店街の空き店舗を利用するなどすれば、子育て支援だけではなく、商業支援とコミュニティの再生にもつながるのではないでしょうか。  さて、子ども・子育て新システムの関連法案が提出される予定です。このシステムは、すべての子どもへの良質な生育環境を保障し、子ども・子育てを社会全体で支援することを目的として、幼稚園と保育園の一体化、推進体制や財源の一元化、地域主権を前提とした多様なニーズにこたえるサービスの提供などをうたっている大変大きな制度転換です。国からの子育て包括交付金が交付され、自治体は自由度を持って、地域の実情に応じた給付設計をするとされています。平成23年7月の基本制度ワーキングチームの報告では、給付や事業を子ども・子育て当事者のニーズに即したものとするために、効果的、効率的な制度運用のために、関係当事者が政策プロセス等に参画できる仕組み、地方版子ども・子育て会議の設置なども盛り込まれています。法案成立のスケジュールが見通せない現状ですが、保育園や幼稚園は、この制度転換によって今後どのような変化を求められるのか、不安な中にある状況です。  そこで伺います。施行されることになった場合、大田区では新システムに向けての準備についてどのように考えていますか。関係当事者が政策プロセス等に参画できる仕組みの構築や、おおよそのスケジュールについても含めお答えください。  以上をもって質問を終わります。(拍手)
    ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎筒井 こども家庭部長 それでは、まず緊急一時保育の緊急のニーズへの柔軟な対応についてのお尋ねにお答えしたいと思います。  先ほど議員お話しのように、緊急一時保育利用者の約5割は出産を理由とした申し込みで、そのほかは疾病、家族の看護といった理由によるものでございます。比較的利用予定日まで余裕があるケースが多いということでございますけれども、ただ、一刻を争うケースもあるということでございますので、運用といいますか、対応としては柔軟な対応に心がけているというところでございます。議員ご指摘の、まず窓口において申し込みをしなければいけないのかというところでございますけれども、窓口におきましては、保護者の状況、あるいはお子様の健康状況を確認するということと、それから希望される園の受け入れ状況と連絡調整をとらなければいけないということがありますので、仮に直接園の方に行って、実は空きがないということがあると、これはこれで利用者のためにならないということもありますので、そういった確認行為が必要だということでございます。  それから、面接というのもどうなのかというお話もございましたけれども、緊急一時保育とはいえ、やはりお子さんに合った保育をするためには、そのお子さんの状況等の確認ということは園の方では必要な行為かなと思います。  また、疾病利用の場合に、申し込み時に診断書ということがあるわけでございますけれども、これも場合によって用意できない人もいるではないかというお話でございました。確かにそういった場合もございますので、いわゆる保護者の方が緊急入院という場合には、対応といたしまして、診断書を用意できない場合にも、緊急入院された病院の入院案内等で入院が確認できれば受け付けるという対応もとらせていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、利用者の立場に立った窓口対応は常に心がけるべきことでございますので、利用者のニーズに適切に対応できるよう対応してまいりたいと考えます。  2点目でございます。理由を問わない一時預かり保育の拡充等についてお答えいたします。  一時預かり保育事業は、在宅で子育てをされているご家庭に対する支援策として必要不可欠なものと考えてございます。先ほど議員ご指摘のように、子ども家庭支援センターの分室の整備の中でまた施設整備も考えているところでございますけれども、今後の施設整備に当たりましては、現在区内で一時預かり保育事業を展開している各種保育事業者との連携も図りながら、一時保育の需要に対応し、安心して子育てができる環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。  それから、保護者の負担金でございますけれども、当該事業に要する費用と当該家庭の家計に与える影響の双方を考慮いたしまして金額を設定しているところでございますけれども、今後、保護者負担のあり方を研究してまいりたいと考えてございます。  次に、区民の方々による自発的な子育て支援拠点開設に対し区が支援する仕組みづくり、また商店街の空き店舗などを活用してはいかがかというご質問でございます。地域力の活用ということは、次世代育成支援を図る上でも大変重要な視点の一つであると考えてございます。区におきましても、子育てをサポートする地域のネットワークの充実を図るために、ファミリーサポートおおたですとか親の子育て力向上支援事業、それから先ほどもちょっとご質問にありました保育ママ等々、様々な形で区民の方の参画をいただきながら事業を進めているところでございます。議員ご提案の一時預かり保育を例えば商店街の空き店舗を活用して営むということ、これは一つのアイデアかなと思いますけれども、これを事業化するためには、一時預かり保育とはいえ、保育の質の確保ということがございますので、どういった施設基準、あるいは人的基準等を確保するのかという諸課題があろうかと思います。こうした課題がございますので、地域力を活かした一時預かり保育事業については、今後の研究課題とさせていただきたいと考えます。  最後に、子ども・子育て新システムについて、平成25年度に実施される場合の区の準備についてのご質問でございます。子ども・子育て新システムの法制化に向けましては、今年の7月に子ども・子育て新システムに関する中間取りまとめが公表されました。この中間取りまとめの中では、今後、残された課題について検討を進め、成案を取りまとめるとされているところでございます。また、実施時期につきましては、法案成立後、平成25年度を目途に、国の基本指針など可能なものから段階的に実施するとしております。ということでございますので、25年度からいきなりこの子ども・子育て新システムが事業としてすべてスタートするという状況にはないということでございます。恐らく25年度には、まずこの新システムに関する国の基本指針が示される、そこからスタートするのかなというところでございます。したがいまして、区の対応といたしましては、まず国が示します基本指針につきまして、その内容を十分注視いたしまして適切に対応していきたいと考えてございます。  なお、議員のお話にありました(仮称)市町村新システム事業計画を策定する際の関係当事者の参画の仕組みでございますけれども、これについても中間取りまとめの中では今後の検討課題とされているところでございます。私からの答弁は以上でございます。 ○高瀬 議長 北澤議員、演壇にて再質問を許可いたします。                    〔39番北澤潤子議員登壇〕 ◆39番(北澤潤子 議員) 今お答えいただきましたけれども、料金が高いということで、潜在的な利用を拾い上げられていないことがあるのではないかということと、一時保育についてですけれども、区内各種保育事業者との連携というお答えがありましたが、具体的なお考えを教えてください。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎筒井 こども家庭部長 先ほどお答えしたことの繰り返しになるかと思うんですけれども、理由を問わない一時預かり保育の拡充ということで、今、区内でも民間の保育事業者で一時預かり保育を展開されている事業者もいらっしゃるわけです。そういった事業者との協力・連携によってということで、具体的なところはまた今後検討というところもございますけれども、基本的には、そういう連携の中での対応ということで考えていきたいと思っております。 ○高瀬 議長 次に、48番和田正子議員。                  〔48番和田正子議員登壇〕(拍手) ◆48番(和田正子 議員) 私は、児童の安全を守り、放課後の生活を保障する学童保育について、高齢者が安心して暮らせる介護制度について質問します。  学童保育は、共働きやひとり親家庭等の小学生が、放課後の時間や学校が休みの土曜日や夏休み等の長期休業中に、家庭にかわって毎日過ごす生活の場です。子どもたちが学校から学童保育に「ただいま」と当たり前のように帰って、安全で安心して生活することで、保護者は安心して仕事ができます。共働き家庭やひとり親家庭が増えている中で、学童保育は働きながら子育てする家庭にはなくてはならないものです。  国は、学童保育を1997年に法制化しました。法制化後、学童保育数は2倍に増え、入所児童は2.4倍に増えました。現在、全国に約2万か所あり、80万人を超える子どもが学童保育に通っています。特に、今年は全国の学童保育の入所児童が2万3000人近く増えました。一昨年が1万4000人増、昨年が3000人増と比較しても大変多かったようです。その背景には、東日本大震災を体験したことがあるのではないかと見られています。学童保育は、学校などと同様に、地震で帰宅できなかったり遅くなったりした保護者にかわって、子どもの安全・安心を守りました。いざというときに子どもの放課後の安全な居場所が必要なこと、学童保育がその役割を担っていることを多くの父母が実感できたのでしょう。  大田区の今年の学童保育には、児童館内の学童保育、分室、こどもの家、フレンドリーおおた、おおたっ子ひろばに合計3815人の子どもたちが通っています。以前は、児童館内の学童保育の定員はほとんどのところが40名でした。希望者が増えるのに整備が追いつかず、現在は最大受け入れ数として60名から、多いところでは90名と1.5倍へと大幅な定員増になっています。  先日、日本共産党大田区議団は小学校や児童館、グループ保育など区内施設を視察しました。区内最大の上池台児童館の学童保育は、定員90名に夏休み中だけ利用する児童10名、合わせて100名です。大変そうというのが第一印象でした。2003年に財団法人子ども未来財団が放課後児童クラブの適正規模についての調査研究を行いました。子ども集団の規模としての視点から調査した結果、指導員も保護者も子どもも30人が適正な児童数との回答が最も多かったようです。  2007年、厚生労働省は、放課後児童クラブガイドラインを策定しました。放課後児童クラブ、学童保育を仕事と子育ての両立支援、児童の健全育成対策と位置づけ、集団の規模については、おおむね40人程度までとすることが望ましい、最大規模は70人までとすること、子どもが生活するスペースについては、児童1人当たりおおむね1.65平方メートル以上の面積を確保することが望ましいとしています。  大田区の学童保育は、ほとんどの施設が適正規模も1人当たりの面積も大幅に超過しています。厚生労働省が、放課後児童健全育成事業の推進に当たっては本ガイドラインを参考に、常に設備または運営の向上に努められたい。市町村は、各放課後児童クラブの運営状況を定期的または随時確認し、必要な指導・助言を行うなど、質の向上が図られるようご尽力願うとともに、待機児童の解消や適正規模の確保に努められたいと述べているように、大田区は、子どもの安全を守り、生活の場を保障する本来の学童保育の役割を果たすために、国のガイドラインに基づいた適正規模、児童1人当たりの面積確保を行うよう求めます。お答えください。  学童保育指導員は、学年も個性も家庭環境も違う60人以上の子どもたち一人ひとりの思いや個性を大切にしながら、その子の家庭や学校の様子にも気を配りながら生活の場を考え、子どもと向き合います。遊びを通して子どもたちの心を開放し、友達との関係や指導員との関係を育て、それらを通して生きる力や共生する力を身につけさせていきます。特に、学童保育は異年齢の子ども集団であることが特色で、学童保育での生活は大変貴重な育ち合いの場となっています。保護者同士の結びつきも、子育ての孤立感をなくし、地域再生の力にもなっています。最近は複雑な問題を抱えている家庭も急増しています。  このような多様な学童保育の役割を果たすためには、指導員の高い専門性が求められています。それを保障するための指導員の働く条件は、安定した身分と仕事に見合った賃金で安心して働き続けられることです。大田区の学童指導員は現在416名で、うち正規職員は211名、非常勤職員は205名です。おおたっ子ひろばやフレンドリーおおた事業は全員が非常勤職員です。そのうち、教員や保育士などの資格を要する児童育成指導員は、1日6時間から7時間45分労働で、月額21万1200円です。資格を要しない児童育成支援員は、1日4時間労働で月額8万2400円です。自立して生活するためには、他の職場でも働かなければなりません。  私も9月1日の防災シンポジウムに参加しましたが、職員を減らしたのは失敗だったという東松島市の市長さんの言葉にもあるように、正規の職員が減らされては守れる命も守れません。子どもの命を預かり、発達を保障するという重要な役割を果たす学童保育職員は、フレンドリーおおたやおおたっ子ひろばを含めて正規職員を配置すべきです。保育内容の向上からも、子どもたちの命を守る防災の観点からも必要です。お答えください。  共働き家庭やひとり親家庭が増える中で、保育園や学童保育はますます必要とされ、入室希望者は今後も増え続けることが予想されます。大田区は学童保育の定員を大幅に超過して対応してきましたが、それでも入所できない児童が増え続け、今年学童保育に申し込んでも入れなかった子どもは138名です。今年の4月現在、区内の認可保育園の在籍児童のうち、5歳児は1629人です。認証保育所や幼稚園で預かり保育を利用している子どもを加えますと1700人を超えると思われます。今年度学童保育に入室できた1年生1520人を大きく上回ります。学童保育の定員超過解消のために、学校施設等を活用してフレンドリーおおた事業を始めましたが、超過解消はできていません。  また、障がい児の学童保育を4年生以上も認めてほしいという陳情が議会で採択されました。国のガイドラインでも、学童保育の対象は、小学1年生から3年生までの児童のほか、健全育成上指導を要する児童として、特別支援学校の小学部の児童及び小学4年生以上の児童も対象となります。特に配慮を要する児童について、利用の希望がある場合は可能な限り受け入れに努めることとなっています。  子どもの安全を守り、放課後の生活を保障するためにも、障がいを持った子どもが4年生以上も在室できるためにも、希望する子どもが全員入室できるためにも、適正な規模と1人当たりの適正な面積を確保するためにも、学童保育施設の増設が緊急に求められています。お答えください。  また、保育園は待機児童解消のために、この間施設整備を進め、さらに今後3年間で1000名の定員増を計画しています。必要性や緊急性では学童保育も同じです。国は、学童保育の入所児童数を2014年までに30万人増やす計画です。大田区も今後ますます必要とされる学童保育の実情に見合った施設整備計画を作成すべきです。お答えください。  次に、介護保険について質問します。  介護保険制度は、施行後10年を経過しました。家族の介護の負担を軽減することを目的につくられた制度ですが、様々な課題も残されています。保険あって介護なしと言われているように、高過ぎる保険料と利用料の負担、深刻な施設不足、介護従事者の労働条件、実態を反映しない介護認定や利用限度額によって利用できる介護が制限されるなど、多くの問題が噴出しています。  今年の6月15日、改定介護保険法は、民主、自民、公明、みんなの党の賛成で成立しました。今回の改定は、噴出している問題の解決には手をつけず、新たな給付抑制策を盛り込むなど、利用者と家族に重大な影響を与えるものです。医師、看護師等にしか認められないたん吸引などの医療行為を介護職員が行えることになりますが、とても怖くてできない、介護だけで目いっぱいで、医療行為をする時間的なゆとりがない、高齢者の安全が守れるのかなど、医療関係者からも介護職員からも懸念の声が上げられています。  介護施設の整備に重点を置かず、訪問介護と訪問看護が連携し、短時間の定期巡回訪問と随時対応を行う24時間対応の定期巡回・随時対応サービスが新設されました。しかし、一定の基準で、何回訪問しても定額の介護報酬とされることから、事業所が利益を上げようと思えば、できるだけ訪問を減らし、利用者や家族に負担を強いる可能性があるという欠陥があります。  また、今回の法改正では、介護予防・日常生活支援総合事業が創設されました。総合事業を導入すると、要支援と認定された高齢者が、区市町村の判断で訪問介護やデイサービスなど従来の介護保険サービスが取り上げられ、有償ボランティアなどが行う安上がりな総合サービスに置き換えられる危険があります。総合事業を導入するかどうかは自治体の判断とされています。  今回の法改定で大田区の役割がこれまで以上に重大になります。総合事業の実施を決めるのも、そのサービス内容を決めるのも大田区です。要支援の高齢者は、生活支援を受けながら生活しています。大田区として、これまでどおり介護保険サービスを受けることができるように、総合事業を実施しないよう求めます。お答えください。  介護保険法の改正で、地域包括支援センターの役割はより一層重要になります。地域包括支援センターさわやかサポートは、高齢者人口6000人に対して1か所設置され、基本的には看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員などの資格を持った常勤職員それぞれ1名が配置されています。ほかに高齢者人口による規模加配、介護予防ケアプラン対応職員加配があります。窓口開設時間は日曜日や祝日を除く月曜日から土曜日ですが、緊急の場合は時間外であっても24時間対応しなければなりません。事業内容も、虐待防止や権利擁護を含む総合相談支援業務、包括的・継続的ケアマネジメント業務、介護予防ケアマネジメント業務、さらに大田区が実施する業務への協力と多岐にわたります。区内の事業所の中には、業務充実のために人件費を持ち出しで職員を加配しているところもあり、人員の増加が求められています。  地域包括支援センターの役割は大変大きく、今後、急激な高齢者の増加も予想されている中で、今、地域包括支援センターを充実させておくべきと考えます。質を向上させ、職員を育てるという意味でも、非常勤ではなく常勤職員の加配を求めます。お答えください。  介護保険料は3年ごとに見直され、来年、2012年度が改定時期になります。今でも保険料が高いと言われている中、保険料が値上げをされたらますます生活を圧迫します。現在の介護保険の仕組みは、介護の基盤整備や介護報酬の引き上げなどの制度改善が保険料や利用料の値上げにつながります。この仕組みを変えるためには、国庫負担割合を引き上げることがどうしても必要です。昨年行った日本共産党国会議員団の介護調査でも、「国民の介護保険料・利用料負担は限界。国庫負担の増額を」の声が事業所、自治体とも最も多い回答でした。また、低所得者に対する介護保険料・利用料負担の軽減策を国の制度として確立すべきだとの要望が自治体から共通して寄せられました。  区内で脳梗塞で要介護4と認定された60代の男性は、1週間に1回の入浴サービスだけ利用しています。ほかにも訪問介護など利用できるのですが、利用料が払えないので入浴サービスだけで我慢しています。ケアマネジャーさんによると、介護保険の申請をし、介護度の認定がされた高齢者が、本来であれば介護度によってケアプランをつくるのですが、低所得者が重過ぎる負担のために利用を控えるという実態があります。ケアプランは、必要な支援ではなく、いくら払えるかで決めざるを得ないのです。これしか払えないので、この範囲でケアプランをつくってほしいと言われるケースが少なくないそうです。  区民の負担をこれ以上増やさないためにも、大田区として、国に国庫負担の引き上げを求め、来年の保険料の値上げはしないことと、国の制度として利用料の減免制度実施を求めるとともに、大田区独自の減免制度の充実を図ることを求めます。お答えください。  介護現場の人材不足は大きな社会問題になっていますが、特に東京は深刻です。介護調査では、訪問介護で7割の事業所が「人材不足」と回答し、募集しても人が来ない、サービスの依頼があっても応じられないなどの声が数多く寄せられました。区議団が行った予算要望懇談会で、訪問介護の職員は60代、70代が中心になっていることが紹介されました。今後ますます高齢者が増えます。若い人材を育成することも大きな課題です。介護職員の給与を月額1万5000円アップさせるとして設けられた介護職員処遇改善交付金は、今年度で終了します。そのため関係者からは、交付金の継続・強化が強く求められています。  区として、介護報酬の底上げとともに、公費投入による賃金引き上げなど国が責任を持って労働条件の改善を行うよう求めてください。また、介護現場の人材確保のためにも、介護職員処遇改善交付金の継続・強化を国に要望してください。継続ができなかった場合には区が独自に対応することを求めます。お答えください。  特別養護老人ホームの待機者は依然として解消されていません。全国では42万人と言われています。大田区は1500人です。今後、戦後の高度経済成長期に人口集中が進んだ東京など首都圏で急速に高齢化が進むことが予測されています。したがって、既に深刻な施設不足が表面化してきている大田区でも特養ホームの待機者解消は待ったなしになっています。  おおた未来プランでは、10年間で160床以上の特養ホームを建設する目標とし、既に2施設、144床が達成と言われていますが、まだまだ足りません。おおた未来プランを実態に見合った見直しをして、特養ホームの増設など介護施設の整備を求めます。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎伊藤 高齢福祉担当部長 それでは、和田議員からの五つのご質問に順次お答えしたいと思います。  まず、総合事業についてのご質問でございますが、介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援者、2次予防対象者に対する介護予防サービスや、配食、見守り等のサービスを区が実施することができる事業でございます。特に、要支援者と非該当、2次予防対象者の間を行き来する人にとっては、予防給付と生活支援サービスを切れ目なく提供することができるものと認識しております。この事業につきましては、今後、国等の動向を見ながら、第5期の介護保険事業計画策定に合わせまして検討してまいりたいと考えております。  次に、さわやかサポートの人員についてのお尋ねでございますが、国の基準では、高齢者人口6000人に対しまして、さわやかサポート職員3名となっております。区といたしましては、その上に高齢者人口に応じまして独自の加配基準で対応してございます。規模加配基準は、高齢者人口6001人から7500人で1人、7501人以上9000人で2人、9001人から1万500人で3人、1万501人以上で4人でございます。また、予防対応加配基準は、高齢者人口7500人以下で1人、7501人以上で2人となってございます。  次に、介護保険料等に関するご質問でございますが、現在のサービス水準を維持し、新たなサービスに取り組んでいくためには、適切な保険料の算定をしていくことが必要であります。あわせまして、負担軽減についても、第5期介護保険事業計画を策定する中で検討しているところでございます。また、介護保険制度は国の制度といたしまして財源負担の仕組みが決められているものでございまして、国庫負担の引き上げを求めることは難しいものと考えております。  介護職員処遇改善についてのご質問でございます。現在、国の介護保険給付分科会では、介護職員処遇改善について、現行の交付金方式によるか、介護報酬そのものを改定し、恒久的な介護報酬改善による介護職員処遇改善を図るかの議論が行われているところです。いずれも介護職員処遇改善方向での議論がなされているところでございます。区としては、今後の議論の方向を見守りたいと考えております。介護職員処遇改善につきましては、介護保険上の制度設計の中で考えるべきものと認識しており、区として対応することは考えておりません。  介護施設の整備についてのお尋ねでございますが、特別養護老人ホームは平成24年度当初までに2施設、144床を整備する予定でございます。しかしながら、在宅生活が困難な要介護の方は、高齢化のピークに向けてさらに増えると考えられます。今後は、特別養護老人ホームのみならず、地域密着サービスを含め、他の介護基盤の整備も求められます。今後とも、特養等の待機者状況や他の介護保険施設の整備状況を考慮いたしまして対応することが必要であると考えております。以上でございます。 ◎筒井 こども家庭部長 それでは、私からは学童保育に関します四つの質問にお答えさせていただきます。  まず、国の放課後児童クラブガイドラインに基づいた適正規模、児童1人当たりの面積確保を行うようにとのご質問でございます。本区の学童保育児童の受け入れ数に関しましては、利用希望者の増に対応するため、放課後児童クラブガイドライン等を考慮しつつ、区の平均的な学童保育室60平米以上から80平米未満の施設においては、60名を最大受け入れ数と定めてございます。区の児童館や学童保育施設は、学童保育室のほか遊戯室などを有し、ガイドラインにある1人当たりおおむね1.65平米以上の面積を確保しておりまして、子どもたちの放課後の居場所が保障されるとともに、学童保育の役割も果たせているものと考えております。  次に、フレンドリーおおたやおおたっ子ひろばには正規職員を配置すべきとのご質問でございます。フレンドリーおおたは、平成15年度の開設以来、非常勤職員でございます児童育成指導員により、この間、円滑で安全な施設運営が図られてございます。また、おおたっ子ひろばにつきましては、昨年4月に開設し、現在は正規職員も含め、非常勤職員により同様な運営に努めているところでございます。児童育成指導員につきましては、資格要件も正規職員と同様でございまして、区の職員として任用された後は、児童厚生施設で勤務できますように専門研修を受講させるとともに、職場でのOJTによりスキルアップに努めているところでございます。今後とも、フレンドリーおおた、またおおたっ子ひろばの両施設につきましては、非常勤職員による運営を進めてまいります。  次に、学童保育施設の増設に関するご質問でございます。現在、大田区の学童保育施設は、児童館や学校内施設等72か所で運営してございます。学童保育の入室希望に対しましては、多くの児童館で希望どおりの入室となってございますけれども、地域により一部の児童館で入室をお待ちいただいている状況がございます。こうした状況に対しまして、学童保育施設の増設につきましては、古川こどもの家の改築に伴いまして、平成25年度には学童保育の20名程度の定員拡大を予定しているところでございます。また、現況におきましては、学童保育の一時利用、また児童館の一般利用を活用していただいているというところでございます。  最後に、学童保育の実情に見合った施設整備計画を作成すべきとのご質問でございます。先ほど申しましたように、古川こどもの家の移転改築に伴います定員拡大ということを予定してございますけれども、この学童保育施設の整備のあり方、考え方につきましては、児童の安全を確保する上で、小学校内に設置することが望ましいと考えてございます。今後、地域における学童保育需要を把握するとともに、余裕教室の状況を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えてございます。私からの答弁は以上でございます。 ○高瀬 議長 和田議員、演壇にて再質問を許可いたします。                  〔48番和田正子議員登壇〕(拍手) ◆48番(和田正子 議員) 先ほど地域包括支援センターの役割について、充実をさせるために加配をお願いしたいということを質問したんですけれども、ご答弁いただけませんでしたので、お願いします。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎伊藤 高齢福祉担当部長 地域包括支援センターの人員についてのお尋ねということで、区では業務分析をしておりまして、予防対応、予防介護のケアプランとか、そういったものについてかなり負担が多いという形で加配を考えて、こういう形でつけてございます。現状の業務を進める上で問題のない人員だと認識してございます。 ○高瀬 議長 次に、36番野呂恵子議員。                  〔36番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆36番(野呂恵子 議員) 長時間の最後でございます。よろしくお願い申し上げます。  8月、福島県いわき市で私は地元の方から、国会議員は避難所で一緒に生活をしてみてほしかった。被災地の実態と国の温度差がこんなに大きいのだというお話を聞きました。大田区をはじめ、自治体や市民の支援には本当にスピード感があったから、なおのことだったのでしょう。そうした中、福島原発から20キロのJヴィレッジにも行き、福島原発の作業から戻ってきた原発労働者と遭遇しました。最前線の仕事をされている姿に何とも言えない気持ちでした。  1977年、世界で初めて定期点検中の原子力発電所内部に入り写真を撮ったカメラマンの樋口健二さんは、被爆原発労働者の姿をいつも話されていましたけれども、その姿と重なりました。日本では無視されてきた樋口さんを、イギリスのメディアは1995年、原発銀座福井のドキュメンタリーとして報道しました。被爆覚悟で取材を続け、これまで50万人も下請の労働者がいたこと、最年少は16歳だったこと、被爆なしに原発は運転できない事実を訴え続け、絶対運転を止めなければと、今、再生不良性貧血に侵された体で語りかけています。放射能に汚染された土地、戻りたいけれど戻れないジレンマ、子どもたちの健康不安が続く日々。でも、私たち東京都民は、これまで安穏と地方の原子力の電力を消費してきました。今ここで踏みとどまって、脱原発、自然エネルギーのあり方を議論し、福島原発事故を日本のエネルギー政策の転換点にしなければなりません。  さて、1995年4月、電気事業法が31年ぶりに改正され、2000年、特定規模電気事業者、いわゆるPPS事業者も電力小売の自由化に参入できるようになりました。2004年4月には契約電力500キロワット以上、2005年4月には50キロワット以上の利用者と高圧の利用者も電力の購入先を選べるようになり、原発に依存しない電力の選択、電力の価格の引き下げが可能となったのです。現在、PPS事業者は46社、この間、23区清掃一部事務組合も清掃工場の余剰電力を売却してきました。  電力入札に際し、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律、いわゆる環境配慮契約法、電力入札のグリーン契約は、製品やサービスを調達する際に、価格に加え環境性能も含め総合的に評価を求めてきました。その実態は、電力販売では、100点の評価点で二酸化炭素排出係数を70点に設定し、原子力発電所を優位にしていたのです。しかし、原発事故が一たび起きれば、二酸化炭素どころか放射能汚染で居住すらできません。東京都環境局のエネルギー環境計画書には、電気事業者のCO2排出係数が公表されていますが、PPS事業者も東電とあまり変わりなく、東電より低いPPS事業者もあり、CO2排出はクリアされてきました。  実は省庁では、既に電力入札が行われています。原子力発電所を管轄する経済産業省は、東電と契約していた1999年、年間契約電気代が約3億円でした。2000年から入札を開始し、電気代支出を減らし、昨年は丸紅と1億8650万5009円の契約でした。また、文部科学省、内閣府、総務省はエネット、国交省はJパワー、唯一東電から購入していたのが防衛庁でした。また、立川市では、競輪事業部がPPS電力を購入し、東電時代は6200万円の電気代でしたが、昨年12月で既に1700万円も節減できたため、今年度は大幅な節減目指し入札を53施設に増やしたそうです。  2009年11月、私は、各学校が削減した水道光熱費の半額を学校へ還元し、環境教育に生かすフィフティ・フィフティと、その際、23区の清掃工場の余剰電力を安く小中学校で購入し、光熱費削減に取り組むよう質問いたしました。2010年から中富小学校、中萩中小学校、大森第一中学校、今年度は大森第四小学校、馬込東中学校と5校が、大田清掃工場等の電力を活用している東京エコサービスから電力を購入しています。東電より1校当たり約10万円、23区全体で84校、年間850万円の電気代を削減し、今年度23区全体で40校増やし、124校が利用しています。  現在、大田区でも各施設の光熱費の削減に懸命に取り組んでおりますが、区役所だけでも昨年1年間の電気代は何と5090万5239円と多額です。大田区には入札可能な50キロワット、500アンペア以上の電力契約をしている施設、あるいは高圧受電設備を持っている施設が約240か所もあります。厳しい税収への対応、そして原発に頼らないエネルギーを育てる意味からも、区施設への電力の競争入札を検討してはいかがでしょうか。また、教育委員会では、ぜひ環境教育のフィフティ・フィフティに取り組んではいかがでしょうか。お答えください。  続いて、福祉について質問いたします。  8月30日、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会は、長い議論の末ようやく障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言をまとめました。提言には、障害者権利条約の私たち抜きに私たちのことを決めるなという基本精神と、2010年に障害者自立支援法違憲訴訟団との間に結ばれた基本合意文書に即した内容が網羅されています。特に、障がいのない市民と障がい者の平等と公平、制度の谷間や空白の解消、地方自治体の財政事情などによる格差の是正、社会的入院を余儀なくされている精神障がい者など放置できない社会問題の解決、障がい当事者のニーズに合った支援サービス、財源確保について国民の共感を得た安定した予算の確保、この6点を目指すべき方向性として打ち出したことは、全国約1000万人と言われる障がい者とその家族にとっても大きな一歩です。  思い起こせば障害者自立支援法の導入によって、応益負担をめぐり多くの障がい者がこの大田区議会へ陳情に訪れ、大田区も月額5000円を上限とする補助を決めた日から、新たな制度に向けた道のりでございました。特に、障害者自立支援法へ移行してしまった施設へ通所が困難だった利用者にとって、かけがえのない受け皿とも言うべき小規模作業所が、提言にあったように就労継続支援などの枠組みが取り払われ存続できる方針は、ひきこもりがちな障がい者の社会参加と就労を支える大きな安心につながります。  今後、来年の法案提出に当たって、市区町村や都道府県をはじめとする関係者の意見も聴取されることでしょう。障がいの有無にかかわらず個人として尊敬され、ともに生きる社会をつくるために、かつて福祉の大田と言われ、およそ2万3000名の障がい者が暮らす福祉のまちづくりに取り組むよう、この提言を活かすべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。  もちろん、財政課題はあります。しかし、地域生活支援サービスの予算規模をOECD加盟国の平均と比較したところ、日本の障がい者予算は約2分の1にしかすぎなかったのです。障がい当事者も含め、55人のこのたびの委員の白熱した議論は、財政について、応能負担でも低所得者には軽減する原則無償としながら、高額所得者には応能負担を求めることとしっかりと踏み込みました。  松原区長が目指す障がい者総合サポートセンター建設に当たっては、これまでの方針に加え、提言に込められた障がい者の尊厳、意義を十二分に活かした施設整備と体制をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、センター内では、ピアカウンセリングはじめ様々な相談事業も行われると思いますが、緊急時の対応なども含め、24時間相談体制にも取り組むべきと考えます。お答えください。  提言では、長期にわたって施設や精神科病院などに入所、入院している現状を直視し、地域社会において自己決定が尊重された普通の暮らしが営めるよう支援し、地域生活への移行を推進するための総合的な取り組みを推進することを求めています。厚生労働省は既に脱施設化に取り組み、アメリカ・マディソン郡の精神保健も参考に、全国の病棟の2割、7万2000人の社会的入院者を今後10年で退院させる取り組みをしております。  大田区で言えば、23年度までに地域生活へ移行する退院可能精神障がい者数136人、地域生活へ移行する福祉施設入所者数47人、一般就労へ移行する福祉施設利用者数45人と見込んでおりましたが、達成はなかなか困難であり、十分機能させるためには、これまでの取り組みの現状把握をしなければなりません。地域生活支援への移行を進めていく上で、医師による治療や薬の処方に頼るだけではなく、ソーシャルワーカーによる生活問題の把握、生活保護受給者を担当するケースワーカー、保健師、就労支援専門家や事業所のスタッフなどの連携で様々な情報を共有し、その上で利用者個人に合ったプログラムが取り組まれているか、また取り組みやすい区の組織形態になっているかどうか、その把握が大切です。この点、来年4月から実施される第5期介護保険においても同様です。  このたびの改正では、何よりも地域の自主性及び自立性を高めるとし、事業者の法人格要件や地域密着型サービスの入所定員に係る基準を条例に委任するとし、自治体の裁量を大きくしています。自治体の財政力や取り組みによって格差が生ずる方向性が大変危ぐされます。私は、福祉から介護保険へと制度が変わる中で、自治体が介護現場の実態を把握できなくなってきたことが最も危機的な問題と考えますが、区はどのようにとらえているでしょうか。  介護保険導入の当初から、せめてケアマネジャーを自治体の職員とすべきだと質問を繰り返してきましたが、現場を知る手だてや現状分析が十分でなければ、どうして高齢者とその地域の実態に即した有効な政策が打ち出せるでしょうか。障害者総合福祉法、そして第5期介護保険の改正を前に、大田区の現状を把握し分析できる仕組みと、福祉に基づいた大田区独自の取り組み、組織体系を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、「障がい者福祉のあらまし」の中に記載されている相談員については、個人の電話が記載されていますが、早朝や深夜の相談などもあり困っている相談員もおります。見直しを検討すべきではないでしょうか。  最後に、清掃事業について質問いたします。  この4月、東京23区清掃一部事務組合では新たな組織を立ち上げております。今回、1800万円の予算を計上し、海外展開事業をするとして、この8月、700万円の調査委託の事業者の募集をいたしました。私は、この議会で清掃一部事務組合を立ち上げるときの規約を決めたように、清掃一部事務組合は23区の可燃ごみの焼却処理をするということが規約に明記されておりますので、今般のこうした事業について、やはり足元を見て、まず人材育成と確かな技術力を育てるということを第一にしていただきたいと考えます。  また、この提案を受けて、一部事務組合評議会に参加しておられる区長会では、どのように受け止めて議決をされたのでしょうか。お答えください。  最後に、質問を終わるに当たって一言申し上げます。  文部科学省と経済産業省による小学生、中学生の副読本「わくわく原子力ランド」の中に原子力についての記載がありました。原子力発電所からは放射能は漏れないとする記述でございます。福島原発事故後、この本を一斉に引き揚げる指示をいたしました。子どもたちに真実を伝える教科書がいかに大切であることか。国家百年の計は教育にありと言われております。私たちは、この大田区の区政の運営に当たっても、100年先を見据えた人材育成と区政運営をしていく、その覚悟でこの質問を終わらせていただきます。(拍手) ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎津村 経営管理部長 私からは、区施設における電力の入札制度導入に関する質問にお答えをいたします。  国の省庁や他の自治体などにおきまして入札を行い、特定規模電気事業者から電気の調達を行うことにより、経費の節減の点で効果を上げたという事例は把握しております。市場原理を取り入れた電力に係る歳出の抑制につきましては、検討が必要と考えているところでございます。一方、東日本大震災後の電力の供給不足や、円高で下げ要因はあるものの、燃料価格の高騰により特定規模電気事業者の供給価格も上昇傾向にあると考えられます。区におきましては、引き続き節電や契約電力の変更、複数年契約割引の活用などにより経費の削減に努めていくとともに、今後の電力の供給価格の動向を見定めた上で、環境負荷等も考慮し、電力の入札につきまして検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。 ◎安元 福祉部長 障がい福祉に関し4点ほどご質問いただきました。順次お答えを申し上げます。  まず、国が設置しております(仮称)障害者総合福祉法の骨格に関する提言についてのお尋ねでございますが、この提言は、ご案内のとおり、平成25年8月までに現在の障害者自立支援法を廃止し、新たに(仮称)障害者総合福祉法を制定する、その新法の骨格を示す提言でございまして、大変重要なものであると認識しております。この提言は、お話のとおり、先月8月30日に発表され、区といたしましても直ちに全体を入手しております。現在、内容の把握に努めております。実は、その4日後に総合福祉部会の部会長さんのご説明を直接聞く場がございました。私も参加をさせていただきました。文書だけではなくて、いろんなニュアンスでございますとか、審議経過とか、そういったものを含めて把握をしていきたいと思っております。  次に、(仮称)障がい者総合サポートセンターの計画にこの提言の考え方を活かすべきであるというご質問でございますが、サポートセンターの計画には、できる限り障がいのある当事者の方やご家族の声を反映させたいという姿勢で取り組んでおります。中でも集中的に議論をしております地域自立支援協議会においては、障がいのある方、そのご家族に委員として多数参加をしていただいております。その視点から様々なご意見、ご提言をいただいております。障がい者ご自身が主体となるセンターという考え方は、この自立支援協議会の中から生まれたものであり、大変大切な視点と思っております。今回の国の提言にも沿うものと考えております。  続きまして、(仮称)障がい者総合サポートセンターにおける相談支援や開設時間についてのご質問ですが、お話のとおり、サポートセンターでは、総合的かつ高い専門性を有した相談支援体制を整えていく予定でございます。現在、具体的な運営内容について検討を進めておりますけれども、利用者が相談しやすい時間帯の設定など、今後具体的に検討を進めてまいります。あわせて緊急時の対応についても、その仕組みづくりを検討してまいります。
     最後に、身体障害者相談員あるいは知的障害者相談員は、区全体で43名の方にお願いしております。ご相談内容で、深夜帯でのお電話等でご迷惑をかけているようでございます。調査をいたしまして、改善すべき点がございましたら改善をしていきたいと思っております。以上でございます。 ◎伊藤 高齢福祉担当部長 それでは、私からは2点お答えいたします。  介護実態把握についてのお尋ねでございます。介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合う制度であり、利用者に合ったサービスが自由な選択により利用できることと、民間活力による効率的運営をメリットとして、社会的評価が得られているところでございます。しかしながら、そのサービスの質が問題になることもございます。区といたしましては、介護事業者の第三者評価や様々な苦情処理の制度などを通して把握に努めているところでございます。  次に、福祉の現状把握と取り組みについてのお尋ねでございます。介護保険事業計画など区の重要な施策の策定に当たっては、実態調査を行っているところです。また、高齢者分野では、職域別の介護サービス事業者や地域包括支援センターの連絡会を主催し、現場の情報を積極的に収集したり、質の高いサービスを提供するための事業者研修会を実施しているところです。障がい福祉の分野では、毎年施設のモニタリング調査、さらに地域の障がい福祉の課題について具体的検討を行うため、地域自立支援協議会と各種専門部会を設置し、障がい当事者、事業者、障がい者団体、学校、医療関係者の参加をいただきまして種々検討をいただいております。今後とも現場の声を反映する取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○高瀬 議長 野呂議員、答弁が残っておりますけれども、所定の時間が過ぎております。時間が参りましたので、次に移らせていただきたいと思います。  以上で質問を終結いたします。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 これより本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第1  第58号議案 平成23年度大田区一般会計補正予算(第3次) ほか12件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第58号議案は、平成23年度大田区一般会計補正予算案(第3次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ38億8956万2000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2357億4368万6000円となります。歳入で増額する内容は、繰入金、特別区債などでございます。歳出で増額する主な内容は、区内事業者の受注が見込まれる公共施設の緊急工事に係る経費やプレミアム付区内共通商品券の発行など区内産業への緊急経済対策事業を実施するための予算、ボランティア調整センターの運営に係る経費など東日本大震災対応事業を実施するための予算、(仮称)仲六郷二丁目複合施設建設に係る経費などでございます。このほか、債務負担行為の補正として追加6件、地方債の補正として追加1件をお願いしております。  第59号議案は、平成23年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算案(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ6億6213万9000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ672億6047万1000円となります。歳入で増額する内容は、繰入金などでございます。歳出で増額する内容は、介護納付金、諸支出金などでございます。  第60号議案は、平成23年度大田区介護保険特別会計補正予算案(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ9億2409万8000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ418億1384万9000円となります。歳入で増額する内容は、繰越金などでございます。歳出で増額する内容は、諸支出金などでございます。  第61号議案は、大田区特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例案で、大田区特別職報酬等審議会の所掌事項として、区長及び副区長の退職手当の額についての意見を述べることを加えるため改正するものでございます。  第69号議案は、八幡橋架替工事(その2下部工)請負契約についてで、契約の相手方は五洋・市石建設工事共同企業体、契約金額は2億7069万円でございます。  第70号議案は、八幡橋架替工事(その3上部工)請負契約についてで、契約の相手方は五洋建設株式会社東京土木支店、契約金額は1億7010万円でございます。  第71号議案は、大田区立森が崎保育園改築工事請負契約についてで、契約の相手方は小俣・新保・蔵王建設工事共同企業体、契約金額は2億9337万円でございます。  第72号議案は、大田区立矢口東小学校プール改築その他工事請負契約についてで、契約の相手方はサンユー・湯建建設工事共同企業体、契約金額は1億5822万4500円でございます。  第73号議案は、八幡橋架替工事(その1下部工)請負契約の変更についてで、契約金額を当初の6億7501万350円から7億8832万4250円に変更するものでございます。  報告第22号は、平成22年度健全化判断比率の状況についてで、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき報告するものでございます。  報告第23号は、八幡橋架替工事(その1下部工)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の6億4575万円から6億7501万350円に変更いたしました。  報告第24号は、大田区立羽田中学校プール改築並びに体育館及び校舎(棟番号O)取りこわし工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億8245万円から2億8320万6000円に変更いたしました。  報告第25号は、大田区立羽田中学校校舎取りこわし工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の1億5193万5000円から1億5085万3500円に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○高瀬 議長 これより質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員、野呂恵子議員、犬伏秀一議員より通告がありますので、順次これを許します。  まず、38番奈須利江議員。                    〔38番奈須利江議員登壇〕 ◆38番(奈須利江 議員) 第58号議案、大田区一般会計補正予算について質疑させていただきます。  今回の補正予算にも緊急経済対策として4億8575万円が計上されています。平成20年9月にアメリカの投資銀行リーマンブラザーズが破綻して以降、平成20年度には約4億5000万円、平成21年度には約32億3000万円、平成22年度には約5億2000万円、合計約42億円を計上してきました。事業者への利子補助、公共施設工事の前倒し実施、学校給食費緊急支援、プレミアム付区内商品券、新市場・新分野開拓推進事業、受発注PRセミナー、新製品・新技術実用化緊急支援事業などにより区内への経済波及効果をねらってきたわけですが、その効果や評価はこれまで示されてきていません。区民1人当たりに換算すれば6000円程度ですが、42億円といえば少なくない金額です。果たして大田区は、緊急経済対策として行っている各事業に対して、雇用創出効果、消費刺激効果、競争力強化効果など、何をどの程度期待して緊急経済対策を行っているのでしょうか。毎回、漫然と緊急経済対策費として計上するのではなく、その効果や評価を議会に示すべきと考えますが、これまで議会にはそうした資料は示されたことがありません。  そこで伺います。審議に当たり、この42億円を使って過去3年間にわたり行ってきた経済対策の具体的な効果と評価について示していただけるのでしょうか。  特に、公共工事に期待するのは区内の雇用が創出されることであり、受発注が拡大することです。しかし、残念ながら、競争入札に付し、区内企業が落札したとしても、雇用や受発注が区内であるとは限りません。区外に下請で出してしまうことも可能なのが現在の仕組みです。それを抑止するための方策として、入札の評価を単なる価格だけではなく、区内雇用創出や下請の制限などをポイントとして評価する総合評価落札方式という手法があります。私は、事業者選定に当たり、企業の社会的責任、CSRを評価する選考基準を設けることを提案してきました。大田区でも現在、入札及び契約の適正化に向けた取り組みを行っていて、特別簡易型総合評価方式が試行段階であると聞いています。  そこで伺います。今回の補正予算で計上されている緊急経済対策4億8575万円ですが、仮に可決された場合には、通常の入札、あるいは工事案件によっては随意契約になると聞いています。仮に、区内経済波及効果をより高めていくために、今回の緊急経済対策に限り総合評価落札方式の採用を議会が希望した場合、総合評価落札方式に変更することは理論上可能でしょうか。  以上で質疑を終わります。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 初めのご質問、緊急経済対策の効果をどう表現しているのかということについてのご質問でございます。大田区は、厳しい経営環境に直面する区内産業を下支えするため、平成20年度以降、緊急経済対策に取り組んでまいりました。プレミアム付区内共通商品券発行支援等により商店街活性化を推進する一方、製品の開発支援及び経営支援によるものづくり産業支援、道路、公園などの都市基盤施設に関する土木工事や公共施設の改築工事等の発注増により区内企業の受注増加と雇用確保対策などの区内経済対策を実施してきたところでございます。公共施設工事は、建設、電気、機械、塗装、土木等、業種ごとに対象事業を区内業者が受注できるもので選定しておりまして、できる限り特定の業種に偏らないよう配慮してきたところでございます。  今回の緊急経済対策では、必要な工事を発注したもので、部材の調達などによって様々な事業者に波及効果があるものと考えているところでございます。また、プレミアム付区内共通商品券は、個人消費の拡大と区内商店街の振興など、区内経済の活性化を目的として発行支援をしてまいりました。平成21年度には第1弾、第2弾、22年度に第3弾と5億5000万円ずつを予定期間内に完売し、消費の拡大とともに、商店街の売り上げ向上や新規顧客開拓に貢献をしてきたものと考えております。また、商店街への加入店舗の増加という効果も見られたところでございます。その他、中小企業の融資制度の拡充、新市場・新分野開拓推進事業など、区内産業を幅広く支援する内容をつくってまいりました。直接的な成果、経済波及効果額についての把握というのはなかなか難しいところでございますが、厳しい経営状況の中で、頑張る事業者と従業員の後押しになっているものと私どもとしては考えているところでございます。  今回の補正予算は、東日本大震災や歴史的な円高の影響など、区内産業を取り巻く現下の困難な実情を踏まえまして、これまでの区内経済対策に引き続き切れ目のない支援を行うため、緊急経済対策事業に積極的に取り組んでいくものでございます。  後段のご質問、この経済対策による区内経済波及効果をより高めていくためには、総合評価落札方式の採用が望ましいというご質問でございます。総合評価落札方式につきましては、2500万円以上の工事契約の一部で試行的に実施をしているところでございまして、21年度は4件、22年度は6件、平成23年度、本年度は10件を目標に取り組んでいるところでございます。  区において現在実施しております特別簡易型総合評価は、価格評価点と技術評価点の合計点数で最も高い者を落札者とするもので、技術評価の評価項目としては、企業の施工能力、配置予定の技術者の能力、地域貢献等を盛り込んでおります。また、企業の施工能力は、過去3か年における直近3件の工事成績の平均という考え方に立っております。ご提案をいただきました緊急経済対策における総合評価落札方式での発注ということでございますが、今回の対策の中において実施をする工事の規模、あるいは評価項目を加えること等における事務的な手続等を考えますと、機動的に対応するというところの中では、具体の方法ではなかなか難しい状況があるかというふうには思っております。  いずれにいたしましても、今回の緊急経済対策に対する契約の発注方法につきましては、区が責任を持って適切に対応してまいるつもりでございます。以上でございます。 ○高瀬 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可いたします。                    〔38番奈須利江議員登壇〕 ◆38番(奈須利江 議員) 今、効果、評価はなかなか出せない、難しいというご答弁をいただいたんですけれども、そうであれば、より効果を実効的にするためにも、下請企業の制限であったりとか、あるいは雇用についての区内在住者という縛りをかけるということが、より緊急経済対策としての公共事業にはふさわしいのではないかと思うのですが、それほど時間がかかるということは、これまで一度もそうした取り組みについての検証をしてこなかったということでしょうか。お答えください。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 先ほどのお答えの中でも申し上げました試行ということで現在取り組みを進めているところでございまして、例えば地域貢献というものをどのように考え、評価していくのかということについては、様々な考え方、様々な技術的な制約というものもございます。そうした状況の中で行っているところでございますので、こちらの方は試行としてきちっとした組み立てを整えていくということで対応してまいりたいと思っているところでございます。 ○高瀬 議長 次に、36番野呂恵子議員。                    〔36番野呂恵子議員登壇〕 ◆36番(野呂恵子 議員) 私は、第58号議案、一般会計補正予算の産業経済費、緊急経済対策のプレミアム付区内共通商品券実施補助第4弾5850万円の事業について質問をさせていただきます。  プレミアム付大田区内共通商品券発行事業補助金交付要綱というものがございますけれども、それによれば、区内の中小商業の活性化と消費者サービスの向上を図ることを目的として、この事業は実施されてきました。実施に当たって、実施後のアンケート調査や分析を行うこと、あるいは商店会加盟店が増加したかどうか、これらが指標としてあったかと思います。これまで、平成21年4月の第1弾から第3弾まで、プレミアム分と事務費を合わせ、総額2億1350万円の税金が投入されてきました。その中で、例えば第1弾、第2弾では当初家族3人まで購入できたとする点を、第3弾では家族2人までとする、あるいは第3弾の利用のときには公共料金については使用できないなど、改善が示されて実行されてきたことは理解しております。  ただ、取扱量については、第1弾では販売総額のうち郵便局の取り扱いは92%、区振連が8%、第2弾では郵便局が84%、区振連が16%、第3弾では郵便局が80%、区振連が20%、20%は約1億円ですけれども、と変更してきており、事業実施において基準をどこに置いているのかということを感じてまいりました。今回、第4弾実施に当たって、事務費を1100万円に削減、区振連の取り扱いを2%とするなど見直しされた点もありますが、いくつか質問させていただきます。  1点目は、事業終了後の調査についてです。経済効果等について事後調査を必ず実施し、その成果と課題を検証した上で次の事業を実施することが基本と認識してきました。第1弾が終わった後にはアンケート、そして第2弾の終了の後にもアンケートを行ってきておりましたけれども、第3弾終了後、アンケートなどの調査は実施されたでしょうか。厳しい区内商業の振興に税金を投入する以上は、その検証と分析を行い、その上で新たな予算措置とすべきだったと考えますが、いかがでしょうか。  2点目は、事業実施により商店街の加盟店を増やすことも目標の一つとして認識しておりましたけれども、平成21年4月、加盟店舗7130店、平成22年4月は蒲田医師会、セブン−イレブン、浴場組合などの加盟で7289店舗に増加いたしましたけれども、23年4月1日時点で商店街は2団体減、そして加盟店は76店抜けております。販売実績は大型店、駅ビルの二つで39.51%、コンビニが4.05%、商店街は56.44%でした。小売店、商店街の努力は求められるものの、こうして大型店にどんどんシフトしていること、また76店舗も小売店が抜けている厳しい状況をどのように分析されたのでしょうか。  3点目は、プレミアム付商品券で医療費が払える仕組みについてです。これまでも蒲田医師会のみ使えましたけれども、医療費については禁止している自治体、あるいは加盟店を増やすために医師会も参加させる自治体もありました。しかし、医療は国の保険制度であり、個人の負担する医療費に一部税金を充て軽減しているように受け止められます。せめて第4弾では見直しがされると思っておりましたが、この点についてはいかがでしょうか。  4点目は、コンビニ、大田区でいえばセブン−イレブンでの使用についてです。セブン−イレブンで扱っている商品については、基本的に購入できるとお店の方に教えていただきました。それでは、サッカーくじの購入もできるのでしょうか。区外で行われるコンサートのチケットも購入できるのでしょうか。あるいはネットショッピング等も可能となります。こうしたことが区内産業の活性化とどのようにつながっているのでしょうか。  以上、4点質問させていただきます。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 緊急経済対策としてのプレミアム付区内共通商品券の発行につきましてのお尋ねにお答えをさせていただきたいと思います。  最初に、緊急経済対策として本当に有効なものであったのかどうかということについては、1回1回検証が必要であるという部分についてでございます。この点につきましては私どもも同様に考えておりまして、ご指摘のように、第1回目、第2回目については、それぞれアンケートで当事者であります商店街等の側からの評価というものも把握をして進めてきたところでございます。また、第3回につきましては、アンケートという形にはなってございませんが、聞き取り調査ということを広範に行いまして、どのような評価、課題があったのかということについては把握しながら進めてきたところでございます。そうした中で、一定の効果があり得るというところに立って、今次の緊急経済対策という組み立ての中でも、この事業について組み込んだということでございます。  続きまして、加盟店の増加ということが大きな目的になっていたが、それはどうなのかというお話でございます。1回、2回、3回と経過してまいりまして、確実に1回、2回という段階で、この共通商品券、プレミアムをつけるということを手がかりに、扱い店舗が増大をしていくという形で加盟店が増加したということを効果として掲げることができるところでございますが、第3回に向けては、そうしたことが伸び悩むという状況が確かにございました。これは加盟という点では、そうした可能性のあるところは大分加盟を既に果たしているという意味での効果があったと思っておりますが、一方で商店街そのものへの加盟店の動向ということの中でいきますと、第3回目以降につきましては、そもそもの加盟店が減っているという状況の中で、なおかつ取扱店を維持できるということについては、その中では若干の入れ替えがあるのだろうという推測をしているところでございまして、そうした点でも加盟店の増加、維持というところでは一定効果があるものと第4回についても考えているところでございます。  続きまして、医師会との関係をどう考えるのかというお話でございます。プレミアム付区内共通商品券は商店街振興組合連合会が発行主体となって行うものでございますが、区商連に加盟する商店街の会員と賛助会員がこれを取り扱うことができるという仕組みになっております。蒲田医師会は区商連賛助会員ということになっておりまして、診療所も地域の一員として積極的にかかわっていこうという考え方で、地元商店街に参加をしておられるものと承知をしているところでございます。保険診療機関が診療に際して自己負担額をどのような形で患者から受け取るかについては、その保険診療機関の判断によるところと考えておりまして、現金ではなく商品券で受け取ったとしても、保険診療に支障があるものではないと私どもは考えております。地域における医療のあり方として、積極的に地域の中に浸透していこうという趣旨で、診療所の側から商店街への関係を持っていこうとして考えていただくということは、私どもとしては評価すべきことという思いがございます。  それから、コンビニの中で扱われるということであれば、サッカーくじやコンサート券も買えるようになる。これをどう考えるかというお話でございます。商店街に加盟をしているということの中で、コンビニにおいてもこの商品券を扱うということがあるとすれば、ご指摘のようなサッカーくじやコンサート券、コンビニで扱っているものに充てられるということはあり得ることと思っておりますが、個店の利益としては手数料程度にとどまるとすれば、あまり効果のあることではなかろうという思いはございます。いずれにしましても、来店の機会を増やし、区内の消費拡大と商店街の活性化に寄与するということの中でのそうした利用ということであろうかと考えるものでございます。 ○高瀬 議長 野呂議員、演壇にて再質疑を許可いたします。                    〔36番野呂恵子議員登壇〕 ◆36番(野呂恵子 議員) 1点目についてです。第3回が終わった後は聞き取り調査を広範にされたというご答弁でございましたけれども、税金をこうして活用するときに、聞き取り調査という形ではなく、きっちりとアンケートをとるなり、全店舗に出すなり、そうしたことを行っていくべきではないかと私は思いますので、こうした点については、今後精査した上で、そうしたものを行った上でやるべきだと思っておりますけれども、聞き取り調査を一体どの程度の人員で、どれだけの店舗を対象に行ったのでしょうか。  あと、4点目のコンビニでサッカーくじやいろんなものが買えるという状況の中で、手数料程度の貢献かなということでお話しされておりましたけれども、金券等について買えないということを様々な規定をして、このプレミアム付商品券を発行しておりますけれども、そういった点、区振連、区商連ときっちりと話をして、基準を明確にして取り組むということが大切だと思いますけれども、その点についてお答えください。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 どのような形で聞き取りを行い、それがどの程度の件数なのかというお尋ねでございます。大変申しわけございません。具体的に何件という形では今手元に持ってございませんか、産業経済部商店街担当が、この実施の過程を通しまして、広くそれぞれの商店街の中で具体的な場面についてのお話をしてきたところでございます。そうしたところでの整理の中での把握というところでございます。  それから、第1回、第2回、第3回と具体の形が少しずつ変わっていたというご指摘が最初のご質問の中にもございました。実施をしていく際に、一つ一つ問題点を整理していくということの中で、実施の具体の方法が少しずつ変わっていくということでございまして、第4回を実施するということの中で、課題となっているものについては、改善ができるものについて対応していこうということの中で考えているところでございます。様々なご指摘をいただき、そのことをきちっと踏まえて具体の方法に結びつけていければと思っております。 ○高瀬 議長 次に、37番犬伏秀一議員。                    〔37番犬伏秀一議員登壇〕 ◆37番(犬伏秀一 議員) たちあがれ日本の犬伏秀一です。第69号から第73号の契約議案につき質疑をいたします。このような疑義のある議案がなくならない限り、飽きずに、懲りずに、あきらめずに質疑を継続していきたいと思いますので、ご理解を賜りたいと思います。  第69号議案は、八幡橋架替工事(その2下部工)請負契約で、いわゆるマリコンと言われる五洋建設株式会社を冠とした共同企業体と2億7069万円で、何と随意契約で契約を締結するというものです。その理由は、その1工事の追加なので、競争入札にするより同一業者に施工させた方が安上がりという陳腐な詭弁であります。さらに、競争入札もどきで落札したその1工事においては、区長が専決処分できる5%増額の上限を使い切り、今回、第73号議案で当初金額より1億1331万3900円多い増額変更をしているのです。当初、大田区予定価格の88.5%で落札された契約も、今回の増額変更により大田区予定価格の108%となってしまいました。なぜ大田区の工事では想定外の埋設物などがいつも出てくるのか、まさに天のみぞ知るであります。  五洋建設株式会社は、長崎県発注工事の談合により、役員に対し提訴された株主代表訴訟で役員側が談合を認め、平成20年、東京地方裁判所の和解勧告により8800万円を会社に連帯して返還した事例など、その談合事例は切りがありません。これらを踏まえ、五洋建設は社内に公共工事にかかるコンプライアンス検証・提言委員会を設置し、談合決別宣言をいたしましたが、今回の事例を見ると、オオカミ少年再来との疑念を持ってしまいます。同委員会の提言の中で注目すべきは、監査部門において談合を疑い調査すべき落札事例として、1 落札率が常に90%を超えているケース、2 個別の分布を見て95%以上の落札率と80%台前半以下の低い落札率とに二極化しているケースを挙げています。談合していた企業が談合を疑う事例として挙げている基準ですから、間違いのない基準でありましょう。まさに当大田区がばっちり当てはまるではありませんか。  また、今回上程された第70号議案は、八幡橋架替工事(その3上部工)ですが、8社の競争入札で何と5社が辞退、1社が不参、来なかったということであります。かろうじて2社で入札は成立し、めでたく五洋建設株式会社が1億7010万円で落札いたしました。既に工事を受注している会社に業界が遠慮をして辞退したのでしょうが、まだまだの仲よしクラブ体質を露呈しています。  第71号議案は大田区立森が崎保育園改築工事で、第72号議案は区立矢口東小学校プール改築その他工事です。いずれも四つの共同企業体が応札しておりますが、識者による談合を疑う原則である最安値不変の原則が見事にあらわれています。すなわち、何回入札を繰り返しても最も安い業者は不変で、2位以降は変わるという大原則であります。これは事前に価格調整が行われている顕著なあらわれだと談合の専門家は指摘しています。結局、両議案の契約案件とも大田区予定価格には至らず、最安値の業者と区が協議し随意契約が締結されています。  その結果、業者は、第71号議案では大田区予定価格の98.97%、第72号議案では98.99%という高率で契約することができたのです。業界が仲よしこよしの場合、不落随意契約が最も高値で契約でき、また競争入札での高率の落札のように談合を疑われずに済む方法なのです。このような異常な契約事務を、再三適法な競争という答弁には飽き飽きしております。  このような談合を繰り返した業者を指名したり、談合を疑われるような入札業務につき、区長は再三入札改革を訴えておられますが、改善の跡は見られません。どうお考えになるのでしょうか。また、不落随契を防止する取り組みはしているのか、お伺いいたします。  また、八幡橋架替その1工事の当初契約額は予定価格の88.5%でありましたが、今回の増額変更により大田区予定価格の108%となり、一体何のための入札だったのかわからないのではないでしょうか。業者言いなりの増額では競争入札の形骸化になりかねません。このような増額変更を議案として提出することに何ら疑義を感じないとすれば、区民に対する背信行為ですらあります。どう思われるのか伺います。そして、大手ゼネコンが宣言しているように、大田区として談合決別宣言を出すお考えはないでしょうか。  新人議員の皆さん、大きな志を持ってこの場に来られた皆さんが、このような疑義のある契約案件を先輩と同じように何でもかんでも賛成してはいけません。今回もこれ以外に大型の談合を疑う案件の怪文書が出回り始めています。監視、それこそが区民から議員に、そして議会に託された大きな権能です。時代は変わっていくのです。どうか皆さんの良心に恥じることのないようお願いして質疑を終わります。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 契約議案につきましてのご質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。  最初に、談合を繰り返す業者を指名することについて、入札改革の立場からどうなのかというお話があったように思います。改めて申し上げるまでもなく、入札、契約により発注する経費というものは大切な税金でございます。したがいまして、最少の経費で最大の効果を求めていくということが、この場合、私どもの立っている大きな原則でございます。  お話のありました五洋建設が過去に他県で行った独占禁止法違反行為は承知をしておりまして、そうした行為があった場合には、私ども大田区といたしましても、大田区競争入札参加資格者指名停止基準に基づき、個々のそうした違反行為に対しては指名停止処分等の処分を行っているところでございます。なお、個々の入札に関して、その参加資格については、指名停止の状態がないということが前提でございます。そうした条件の中で、入札という時点で資格を持っている場合には指名をするということがございまして、こうした事情につきましては、他の自治体においても同様と考えているところでございます。  いずれにいたしましても、公正、公平な入札というのは大変重要な事柄と思っております。そうした正しい入札制度を維持していくために、各方面から様々にご意見もいただきながら、改革ということに取り組んでまいりたいと思っております。  それから、こうした状況の中で、増額を議案として提出するということについてのご質問がございました。当初の契約金額、その時点での仕様において適切な金額というものを予定価格として持った上で入札に臨むところでございます。その後において変更しなければいけない事情というのは、その時点では想定できなかった新たな事態に対してのものでございまして、そうした事態の中で、やむを得ず契約を変更し、新たな事態に対して対応しなければいけないということでの手順というところでございます。そうしたことでは、最初の時点でどこまで事態を正しく想定し得るかというところに私どもの力もかかわっているというところでございます。たびたび契約の変更をしなければいけないような事態というのが、真に想定できなかった新たな事態であるのかどうかということについては、私どもは常に反省をしながら事態に対応していかなければいけないと思っているところでございます。  それから、不落随契についてのお話をいただいております。結果的に不落随契という形での契約を整えるということがございます。私どもとすれば、落札により決まるのが適正で、不落随契ということであると、それは適正ではないということではないと思っておりまして、あくまでも予定価格を適正に設定するという私どもの内部の手順ということが重要であると考えているところでございます。  談合決別を宣言しろというご指摘もございました。何度も申し上げておりますが、入札というのは公平、公正に行われなければいけないと私どもは考えております。談合ということがそこにかかわってはいけないということは、私ども自身の立場でございます。宣言を行うかどうかということ以前に、私どもとすれば、今までもそうでございましたが、今後も引き続き、そうした不正な行為が入り込むことがないように、適正な手続をもって入札を行っていくことが必要であると考えているところでございます。  以上でございます。 ○高瀬 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第22号から報告第25号に至る4件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第2を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第2
     第62号議案 大田区立区民センター条例の一部を改正する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第62号議案は、大田区立区民センター条例の一部を改正する条例案で、規則で定める区民センターの管理を指定管理者に行わせ、利用料金制度を導入するため改正するものでございます。  第63号議案は、大田区特別区税条例等の一部を改正する条例案で、寄附金税額控除の適用下限額を引き下げ、区税に係る不申告等の過料を見直し、上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に係る軽減税率の特例期間を延長するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○高瀬 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管地域・産業委員会に付託します。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第3を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第3  第64号議案 大田区立シルバーピア条例の一部を改正する条例 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第64号議案は、大田区立シルバーピア条例の一部を改正する条例案で、旧大田区職員中馬込住宅を大田区立シルバーピア中馬込の一部とし、当該住宅の種類、戸数及び使用料を定めるため改正するものでございます。  第74号議案は、建物明渡し等の請求に関する民事訴訟の提起についてで、プラムハイツ澤田の一室を占有している者及びその連帯保証人に対して、建物明渡し等の請求に関する民事訴訟の提起をするため、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき提出するものでございます。  第75号議案は、土地の収用に係る和解についてで、大田区上池台三丁目821番6の土地39.19平方メートルの収用について、土地収用法第50条に基づく和解をするため、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき提出するものでございます。  第76号議案は、土地の収用に係る和解についてで、大田区上池台五丁目817番9の土地9.55平方メートルの収用について、土地収用法第50条に基づく和解をするため、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき提出するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○高瀬 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管都市・環境委員会に付託します。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第4を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第4  第65号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第65号議案は、大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例案で、介護補償の補償限度額を改定するため改正するものでございます。  第66号議案は、大田区立学校校外施設設置条例の一部を改正する条例案で、伊豆高原学園を区民が健康の増進のために利用することができるようにするとともに、その管理を指定管理者に行わせるため改正するものでございます。  第67号議案は、大田区スポーツ振興審議会条例の一部を改正する条例案で、スポーツ基本法の制定に伴い、大田区スポーツ振興審議会の名称を大田区スポーツ推進審議会に改めるほか、規定を整理するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○高瀬 議長 これより質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔38番奈須利江議員登壇〕 ◆38番(奈須利江 議員) 第66号議案 大田区立学校校外施設設置条例の一部を改正する条例について質疑させていただきます。  この条例は、伊豆高原学園の改築に伴い、施設建設から管理運営まで、PFIの一手法であるBTO方式を採用することを前提に、指定管理者制度を導入するとともに利用料金制を採用できるようにするための条例改正です。今年6月に出されたアウトソーシング指針から、区がアウトソーシングの手法として民間委託、指定管理者、PFI、民営化などを挙げ、それらについて、民間でできるものは民間でという考え方のもと、アウトソーシングを進めていくという方針であることがわかります。  大田区では、平成15年、南六郷福祉園の指定管理者制度導入の決定以降、現在までに103施設の指定管理者制度の導入を進めてきていますし、今回の定例会に大田区民センターにおいて指定管理者制度を採用できるようにするための条例改正も提案されているなど、指定管理者制度の導入はさらに進もうとしていることがわかります。しかし、大田区として、アウトソーシング指針は出されたものの、その内容が大まかで、最終的な採用の判断が現場に任されているからなのか、アウトソーシングにおける統一した基準が見えにくいのが現状です。  例えば、伊豆高原学園の指定管理者制度はPFIのBTO方式採用が前提ですが、同様の施設である大田体育館はPFIを採用していません。民間にも同様の施設があるアプリコや区民ホールは、例えば今回条例提案されている伊豆高原学園や区民センターより利用料金制導入に適した施設ですが、利用料金制は採用していません。一方で、利用料金の採用が果たして適当か疑問視される障がい者福祉施設において利用料金制が採用されたりしているのです。  大田区では、指定管理者制度導入と同時に、使用料を指定管理者の収入とすることができる、この利用料金制が導入されてきました。利用料金制を採用することで指定管理者の自主的経営努力が発揮しやすい、会計事務の効率化が図れるといったメリットが期待できますが、減免の多い施設などの場合、利用料金に指定管理料を上乗せしなければならず、適正な指定管理料の設定も困難で、事務が煩雑になるなど利用料金制の効果を得られにくい場合もあります。また、利用料金制は、採用すると使用料が大田区の歳入として計上されなくなりますので、財務の実態がわかりにくくなるという問題が生じます。大田区ではこの間、職員人件費の削減効果を喧伝してきましたが、その分の委託費用は物件費として上乗せされているわけですから、大田区全体の財務内容がどのように改善されたかの検証も必要です。  そこで2点伺います。これまでアウトソーシングに際し、その手法がいかに適しているかという個別の説明は行われてきていますが、結果として同様の施設が異なった手法で管理運営されているといったことが起きているのが大田区の現状です。アウトソーシングがふさわしいのか、直営で行うべきなのか、PFIの採用をするのかしないのか、利用料金制を採用するのかしないかなど、どの手法が適しているのかの統一した基準はあるのでしょうか。審議に当たり、その基準は示されるのでしょうか。お答えください。  また、アウトソーシングのメリットとして区が期待しているサービスの向上や経費削減効果がどの程度であったのかがあって初めて、その後の指定管理者制度の導入の適否が判断できますが、これまでのアウトソーシングについての具体的な検証は一度も議会に示されていません。審議に当たり、指定管理者制度を採用した施設のサービス向上や経費削減効果は議会に示されるでしょうか。  以上、2点についてお答えください。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 アウトソーシングにかかわる議案質疑をいただきました。統一した基準はあるかという最初のご質問でございます。当区では、今年6月に大田区アウトソーシング指針を策定しておりまして、民活事業全般に関する基本的な考え方というものを整理したところでございます。これにつきましては、制定時において議会にもご説明をさせていただいたところでございます。民間による公の施設の運営につきまして、業務委託、指定管理者制度、PFI、民営化など様々な手法がございますが、それぞれ施設の設置目的や特性に合った手法を選択し、導入することが重要であると考えておりまして、民間活力の導入に当たっては、各制度の仕組みの分析や課題の研究を行い、これに基づき個々の施設の導入効果を検討した上で、最良と思われる手法を採用するという考え方で対応を今後とってまいりたいと考えております。  PFI事業については、平成11年7月のPFI法制定以降、制度の検討を進め、平成14年度にPFIの基本的な考え方について報告書にまとめ、それを活用してきたところでございます。今後も区は多様な主体で区民ニーズにこたえる仕組みづくりを推進し、公の施設の効果的な運営に努めていきたいと考えているところでございます。  次に、指定管理者制度導入の効果についてでございますが、指定管理者制度の導入に当たっては、制度導入時において施設ごとに費用対効果の検証を行うとともに、毎年実施しておりますモニタリングにおいて経営状況を公表しているところでございます。サービスの向上につきましては、モニタリングの中で管理業務の履行状況や特筆すべき取り組み、地域との連携・貢献など、指定管理者の運営状況を施設ごとに評価、検討し、公表しているところでございます。指定管理者制度につきましては、導入から既に7年が経過しておりまして、制度運用上、様々な課題というものもございます。そうしたことも含めまして、導入効果の検証作業を進め、かつ費用削減効果について、十分であったかどうかということも取りまとめていきたいと考えておりまして、そうしたことも踏まえまして、今後、適切に指定管理者制度を区として運用してまいりたいと考えているところでございます。 ○高瀬 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可いたします。                    〔38番奈須利江議員登壇〕 ◆38番(奈須利江 議員) 何度も質疑をするのは、多分お答えも十分にいただけないかと思うので、今回限りにいたしますが、先ほどお答えをいただきましたモニタリングというのは利用者の評価であって、行政自身が費用においてどのぐらいの削減効果があったのか、あるいはサービス向上がどの程度進んだかということを議会に示していただきたいけれども、その資料は示されるのかという質疑をさせていただきました。今後示すということは、今回の決算特別委員会において示されるのでしょうか。それとも、今回の決算特別委員会ではそのような資料は示されず、いわゆるモニタリングの評価だけで私たちは様々なこうした指定管理者制度導入など民間活力導入の効果についての検証をしなければならないのでしょうか。この点についてお答えください。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 個々の指定管理の実情について、モニタリングにおいて評価をしていくということと別に、アウトソーシングそれ自体が、私ども区の立場で、その手法を採用したことでどのような成果があったのかという評価が必要であろうと思っております。これにつきましては、アウトソーシング指針というものを定めました。当然のその後の対応として、きちっとした評価が必要という考え方に基づいて現在作業をしているところでございます。議会にご説明をさせていただくにはいましばらく時間が必要ということでございますので、よろしくお願いをいたします。 ○高瀬 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管こども文教委員会に付託します。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第5を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第5  第77号議案 土地及び建物の処分について ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第77号議案は、土地及び建物の処分についてで、処分する財産は、大田区西馬込二丁目38番25、38番26、38番27の土地及び大田区西馬込二丁目38番地25、38番地26、38番地27の建物、処分金額は2億3831万8700円でございます。  第78号議案は、土地の収用に係る和解についてで、大田区蒲田二丁目1番36の土地183.26平方メートルの収用について、土地収用法第50条に基づく和解をするため、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき提出するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○高瀬 議長 これより質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔38番奈須利江議員登壇〕 ◆38番(奈須利江 議員) 第77号議案 土地及び建物の処分についてと、第78号議案 土地の収用に係る和解についてについて質疑させていただきます。  京急連続立体事業にかかわる土地を大田区が収用するとともに、その土地の所有者が大田区の所有する土地を購入するのが第77号と第78号議案です。この二つの土地の売買に関し、大田区は2社の不動産鑑定を行っています。これまで私は、大田区の土地売買にかかわる評価が1社の不動産鑑定で行われていることを問題にしてきましたが、第77号議案のように東京都の事業の場合には2社鑑定が行われてきています。今回、第77号議案は連続立体に伴う土地の収用ですが、第78号議案は大田区の土地の処分相手がたまたま大田区の土地の収用を受けた法人であるという位置づけであり、大田区の不動産の処分としてとらえるべき行為です。  そこで伺います。これまで大田区は不動産売買に当たり1社鑑定と答弁してきていますが、今回、2社の鑑定に加え、財産価格審議会に付しているのはなぜでしょうか。事業部により大田区の不動産評価方法が異なることについての合理的説明をお願いします。以上です。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 ご案内のように、大田区では、財産の価格の決定に関しては基本的に大田区財産価格審議会の議を経るということになっております。この大田区財産価格審議会に向けて、各部局でみずからの案件について議案を作成することになりますが、その際に資料として専門家に土地の鑑定を依頼するということになっております。つまり、議案として整えるに際して、各部局において土地の鑑定評価ということを踏まえて価格の部局案というものを作成しているということでございます。この際、ご質問にもありましたが、部局としての価格を形成する際に、補助金等の関係から複数の鑑定を経るということが必要な案件もありますし、慎重を期して、部局の判断において複数の鑑定をとるということもございます。また、鑑定そのものについては、1社の鑑定において信頼できるだろうという判断を部局が下すケースもございます。  いずれにいたしましても、財産価格審議会において適切に専門家のご判断というものを経て、大田区としての適正な価格を決定していくという手続きの中のプロセスでございます。そうしたことから、1社の鑑定でその部局としての議案を整える場合もあれば、複数の鑑定を行うこともあるということが事情でございます。以上でございます。 ○高瀬 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可いたします。                    〔38番奈須利江議員登壇〕 ◆38番(奈須利江 議員) 不動産の鑑定については、各部局にその判断を任せるということでよろしいのかということが1点。  それから、大田区の不動産の評価に際しましては、慎重を期するものと慎重を期さないものがあるというふうに今の答弁からは読み取れますけれども、そのようなものがあり、1社鑑定の場合には慎重を期さないが、今回のように2社鑑定の場合には、慎重を期するということが必要だったので2社の鑑定にしたという答弁に受け取れましたが、それでよろしいのでしょうか、それとも別の理由があって2社の鑑定にしたのでしょうか。別の理由があるのであれば、その理由についてお答えください。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 1社鑑定の場合には慎重を期していなくて、2社鑑定だと慎重を期しているんだということを、私は言ったつもりはございませんで、慎重に議案として評価に足るものを財産価格審議会に提出をしなければいけないというところで、それが1社で足りるのか、2社必要なのかというふうな、それぞれの案件による事情があろうかと思うところでございます。  なお、今回、2社鑑定をしているものにつきましては、建物を含めた財産価格の評価ということがございました。そうした中で、部局として対応したものと考えております。 ○高瀬 議長 奈須議員、自席にて再々質疑を許可いたします。 ◆38番(奈須利江 議員) 今の答弁を伺っておりますと案件の事情があるということで、その場合に、今回はその案件の事情が、土地と建物の二つの評価があったので2社鑑定ということですが、例えば大田体育館に隣接しておりましたマンションの不動産鑑定、あれは1社の鑑定でございました。土地について、そして建物についての評価が行われたわけですが、1社の鑑定で行っております。そうしますと、今の答弁と内容が違うように思いますが、そうした答弁でよろしいのでしょうか。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 申し上げたことは、各部局において、みずからの考え方というものを議案にまとめて財産価格審議会にお諮りをするということの中で、それぞれの案件の性質によって各部局が判断をしているというところでございます。先ほど建物がかかっているから2社が必要ということをお話ししたわけではございませんので、この点については誤解のないようにお願いをしたいと思います。 ○高瀬 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本案については、いずれも交通問題調査特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第6を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第6  第68号議案 大田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました第68号議案は、大田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例案で、災害弔慰金の支給等に関する法律の改正に伴い、災害弔慰金の支給対象となる遺族の範囲を拡大するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
    ○高瀬 議長 本案については質疑の通告がありません。  お諮りいたします。本案については、防災・安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第7を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第7  第53号議案 平成22年度大田区一般会計歳入歳出決算 ほか4件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 理事者の説明を求めます。 ◎野田 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  お手元に提出してございます平成22年度大田区各会計歳入歳出決算参考資料に沿ってご説明を申し上げます。  第53号議案は、平成22年度大田区一般会計歳入歳出決算で、予算現額は2301億1740万5750円、この額は、平成22年度の最終補正後の予算額2297億4996万1000円に、平成21年度の繰越額3億6744万4750円を加えたものでございます。歳入総額は2231億8093万8805円、歳出総額は2202億9637万4257円、歳入歳出差引額は28億8456万4548円でございます。この差引額から、平成23年度への繰越明許費繰越額及び事故繰越し繰越額であります10億1420万1558円を除きました残額が平成22年度の実質収支額で、18億7036万2990円でございます。このうち、財政基金への積立金が9億3518万2000円、平成23年度への繰越財源といたしまして9億3518万990円でございます。  第54号議案は、平成22年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算で、予算現額は650億7758万7500円、この額は、平成22年度の最終補正後の予算額650億6037万8000円に、平成21年度の繰越額1720万9500円が加わったものでございます。歳入総額は661億1370万1702円、歳出総額は647億3296万117円、歳入歳出差引額は13億8074万1585円でございます。この差引額には、繰越明許費繰越額であります7115万9000円が含まれております。  第55号議案は、平成22年度大田区老人保健医療特別会計歳入歳出決算で、予算現額は7016万3000円、歳入総額は5834万1400円、歳出総額は5834万1400円、歳入歳出差引額は0円でございます。なお、本特別会計は、平成20年4月に老人保健医療制度に変わり、後期高齢者医療制度が創設され、平成22年度で老人保健医療特別会計の法的な設置義務が終了したことに伴い、平成22年度で廃止となりました。  第56号議案は、平成22年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算で、予算現額は116億9364万円、歳入総額は117億1074万364円、歳出総額は116億195万5711円、歳入歳出差引額は1億878万4653円でございます。  第57号議案は、平成22年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算で、予算現額は397億1371万3000円、歳入総額は388億6728万7945円、歳出総額は379億4824万5813円、歳入歳出差引額は9億1904万2132円でございます。  なお、各特別会計の歳入歳出の差引額につきましては、平成23年度へ繰り越しとさせていただきます。  以上、よろしくご審議の上、ご認定賜りますようお願い申し上げます。 ○高瀬 議長 これより質疑に入ります。  本案については、北澤潤子議員より通告がありますので、これを許します。                    〔39番北澤潤子議員登壇〕 ◆39番(北澤潤子 議員) 第53号議案から第57号議案までの平成22年度大田区一般会計歳入歳出決算ほか四つの特別会計決算について質疑させていただきます。  大田区は毎年、決算状況一覧表とともに、決算地方財政状況調査表を作成し、東京都を通じ総務省に報告しています。これらは決算特別委員会において審議する際の重要な検討資料の一つと考えますが、大田区は今後、議会に対し資料を示していただけるでしょうか。以上です。 ○高瀬 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎野田 副区長 私ども、議会に審議、審査をお願いするに当たりましては、議会からご請求をいただいたものについては極力対応していくべきものというのが基本の考え方でございまして、そうしたことで、これが必要ということでありますれば、ご提出を申し上げなければと思うところでございます。ただ、一言ただいまのお話について付言をさせていただきますれば、今ご指摘の資料につきましては、普通会計決算を整えるための資料として、東京都を通じて総務省に提出するものでございます。ご案内のように、普通会計決算というものは、一般会計あるいは特別会計の通常の決算の形が整った後に、別途地方公共団体相互間の比較をするという目的のために統計上つくられる会計でございまして、そうした意味では、一般会計、特別会計の数値とはまた別の要素を持ったものでございます。そうした性格でございますし、また普通会計として確定するのは、総務省が最終的にこれを集計した時点で普通会計としての数値として確定する。その間は取り扱いが変わる可能性のあるものでもあります。そうしたことから、私どもとすれば、第3回定例会に一般会計、特別会計の決算の審査をお願いするについては、当初から提出する資料の中には含めていないという事情がございますので、この点についてはご承知をいただければと思っております。 ○高瀬 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本案については、決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の定数は47名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、お手元に配付いたしました決算特別委員名簿のとおり議長より指名したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                ――――――――――――――――――――                  決 算 特 別 委 員 名 簿      水 井 達 興 委員    松 原 秀 典 委員    安 藤   充 委員      岸 田 哲 治 委員    大 森 昭 彦 委員    松 原 茂登樹 委員      伊 藤 和 弘 委員    塩野目 正 樹 委員    押 見 隆 太 委員      鈴 木 隆 之 委員    海老澤 圭 介 委員    伊佐治   剛 委員      深 川 幹 祐 委員    長 野 元 祐 委員    飯 田   茂 委員      冨 田 俊 一 委員    清 波 貞 子 委員    松 本 洋 之 委員      丸 山 か よ 委員    勝 亦   聡 委員    広 川 恵美子 委員      秋 成   靖 委員    玉 川 英 俊 委員    田 村 英 樹 委員      大 橋 武 司 委員    山 崎 勝 広 委員    黒 川   仁 委員      森     愛 委員    津 田 智 紀 委員    岡   高 志 委員      馬 橋 靖 世 委員    荒 木 秀 樹 委員    野 呂 恵 子 委員      犬 伏 秀 一 委員    奈 須 利 江 委員    北 澤 潤 子 委員      柳 瀬 吉 助 委員    沼 田 秀 弘 委員    福 井 亮 二 委員      佐 藤   伸 委員    清 水 菊 美 委員    黒 沼 良 光 委員      金 子 悦 子 委員    菅 谷 郁 恵 委員    和 田 正 子 委員      藤 原 幸 雄 委員    大 竹 辰 治 委員                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 お諮りいたします。決算特別委員会の副委員長は、委員会条例第7条第1項の規定に基づき、2名としたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、決算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第8を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第8  議員提出第6号議案 大田区高齢者の医療費の助成に関する条例                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 提出者の説明を求めます。                  〔43番佐藤 伸議員登壇〕(拍手) ◎43番(佐藤伸 議員) ただいま上程されました議員提出第6号議案 大田区高齢者の医療費の助成に関する条例について、提出者を代表して提案理由をご説明申し上げます。  この条例は、区内にお住まいの75歳以上の高齢者の方に対し医療費の一部を助成し、高齢者の保健の向上に寄与するとともに、高齢者福祉の増進を図ることを目的としています。3年前から始まった後期高齢者医療制度は、対象となる75歳以上の高齢者人口が増えると保険料が上昇する仕組みとなっています。年々高齢者世帯の負担が重くなり、高齢者による医療サービスの受診抑制が大きな社会問題になっています。この高齢者の医療と健康を支え、支援する制度構築が多くの区民の皆さんから求められています。  東京都日の出町では、2年前の2009年から75歳以上高齢者医療費の窓口負担を無料化しました。日の出町では、そのほかにも、75歳になる住民の人間ドック受診料の無料化、健康教室を開催し、高齢者向けの各種スポーツ支援などで健康管理、健康増進を図るなど、これまでの高齢者のご苦労に報いるとともに、今後ともますます壮健で、地域社会の一員として活躍され暮らしていただくこと、そして、高齢者から次代を担う若者に町のよき伝統、風習が受け継がれていくことを願って高齢者施策を推進しています。  大田区でも、区民の福祉と健康増進を図る施策をまず高齢者医療費の無料化制度から始めるために、本条例を提案したいと思います。よろしくご審議をいただき、ご賛同、ご決定いただきますようお願いを申し上げます。(拍手) ○高瀬 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管保健福祉委員会に付託します。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第9を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第9  北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について                ――――――――――――――――――――                                        平成23年9月16日            北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について  地方自治法第100条第13項及び大田区議会会議規則第132条の規定に基づき、下記のとおり議員を派遣する。                         記 大田区議会北京市朝陽区・大連市親善訪問調査 1 派遣の目的  大田区との友好都市である中華人民共和国北京市朝陽区及び友好協力関係に関する覚書を結んだ大連市との友好・親善の促進を図り、当該市の実情を調査することを目的とする。加えて、羽田との直行便を就航している上海市の実情を調査研究し区政に反映させる。 2 派遣場所   中華人民共和国 北京市           大連市           上海市 3 派遣期間   平成23年10月24日(月)から10月29日(土)まで 4 派遣議員   水 井 達 興 議員    伊 藤 和 弘 議員    海老澤 圭 介 議員   伊佐治   剛 議員    岡 元 由 美 議員    勝 亦   聡 議員   岡   高 志 議員    柳 瀬 吉 助 議員 5 その他   本議決後、派遣内容について変更が生じた場合の決定は、議長に一任する。                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 お諮りいたします。本件については、会議規則第38条第3項の規定に基づき、委員会への付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  これより討論に入ります。
     本案については、福井亮二議員より通告がありますので、これを許します。                  〔42番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◆42番(福井亮二 議員) ただいま上程されました北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員派遣についてに反対の討論を行います。  初めに、日本共産党大田区議団は、友好都市及び姉妹都市との交流促進に反対するものではありません。  第1の問題点は、海外視察実施要綱を廃止し、大田区議会親善訪問調査申合せ事項に変え、その決定を調査機関にすぎない幹事長会で行えることに決めてしまったことです。幹事長会は交渉会派の幹事長のみであり、少数会派が意見を出す場がありません。また、議会運営委員会と異なり、幹事長会では議事録がなく、どのように議論されていたか区民は知るすべがありません。  第2の問題点は、中身そのものです。今回から海外視察・親善訪問から親善訪問調査に変わってしまい、海外視察と親善訪問が一緒くたになっています。派遣の目的は、朝陽区・大連市との友好・親善の促進を図り、当該市の実情を調査する。それに加えて、上海市の実情を調査し区政に反映させるとあるだけで、具体的な記述がありません。何の実情を調査するのか全くわかりません。この説明で区民が納得するでしょうか。  第3の問題点は、今までの海外視察は調査した結果が区民に反映されていない、この疑問が非常に多く寄せられています。報告書の盗用問題の反省もありません。  最後の問題点は、今行く必要があるのか、このことに尽きると思います。東日本大震災からの復興を力を合わせて進めています。また、財政難を理由にマイナスシーリングで予算を削っているときに、親善訪問調査に行くのは区民の理解が到底得られません。よって、日本共産党大田区議団は反対です。  以上で反対討論とします。(拍手) ○高瀬 議長 以上をもって討論を終結いたします。  これより本件を起立により採決いたします。  本件はお手元に配付しましたとおり議員を派遣することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○高瀬 議長 起立多数であります。よって本件は議員を派遣することに決定いたしました。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第10を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第10  23第74号 米軍の横田空域の一部返還およびD滑走路供用開始による航空機騒音に関する陳情                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 お諮りいたします。本件については、羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 日程第11を議題とします。                     〔須藤事務局長朗読〕 △日程第11  23第71号 防災倉庫設置に関する陳情 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○高瀬 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも防災・安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理いたしました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました3件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――              平成23年第3回定例会 請願・陳情付託表【第1号】                                        平成23年9月16日付託 総務財政委員会  23第81号 大森南地域にゆうゆうくらぶ・文化センターの建設を求める陳情  23第85号 太陽光発電等の開発・普及のために公的施設に至急、大規模な設置を要請する陳情 地域・産業委員会  23第80号 区民のいのちを守るため安心してかかれる国保制度にすることを求める陳情  23第83号 国民健康保険料等の減免措置の拡大、値下げに関する陳情  23第89号 所得税法第56条廃止の意見書の提出を求める請願 保健福祉委員会  23第77号 福祉手当に関する陳情  23第79号 介護職員処遇改善交付金の継続をもとめる陳情  23第86号 東京都の「障害者による地域緑化推進事業」の導入を求める陳情 都市・環境委員会  23第75号 土地買収に関する陳情  23第76号 建築基準法違反に関する陳情  23第78号 国道1号線馬込坂下交差点に横断歩道新設及び西馬込駅周辺歩道の改善を求める陳情  23第87号 自転車通行のマナー向上に関わる広報活動強化を求める陳情 こども文教委員会  23第72号 中学校社会科教科書(歴史分野)の採択に関する陳情  23第73号 中学校社会科教科書(公民的分野)の採択に関する陳情  23第84号 教育委員会の中学歴史、公民教科書の採択の見直し、再検討を要請する陳情 議会運営委員会  23第82号 大田区議の海外訪問を中止し、その費用を大震災の復興・救援にあてることを求める陳情                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○高瀬 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明9月17日より9月27日までは委員会審査のため休会とし、来る9月28日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高瀬 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                      午後6時22分散会...